Taipei Video Technology #3 レポート

Takesato Hayashi
Tokyo Video Tech
Published in
Mar 15, 2019

2018年3月から始まったTaipei Video Technology。記念すべき三回目のミートアップTaipei Video Technology #3 が2019年3月13日にCLBCで開催された。Video Tech AllianceパートナーであるTokyo Video Techからは、オーガナイザー三名が初参加。うち、金沢広峰さんはオファーを受け【Subtitles University】というテーマで20分間講演。回を重ねるたびに参加者が広がっている台北のMeetup、Taipei Video Technologyについてレポートする。

尚この文章はShuen-Huei (Drake) Guanさんの英語版レポート『Photographic Meetup Minutes for Taipei Video Technology #3』を元に日本語版として加筆している。

Written by Shuen-Huei (Drake) Guan
Photograph by Ludan Chuang, Brian Lee, Welly Shen, Tim Chen, Katsuyuki Sakai
Japanese version by Takesato Hayashi

イベントオーガナイザーの四名

前回のイベントに引き続き、KKStream/17 Media/Umbo CVのメンバーがオーガナイズを担当。今回はNealさん、Davidさん、Kevinさんの協力があって実施に至った。笑顔あふれる下記集合写真から、参加者がどのような時間を共有したのかがみて取れるだろう。

スマイル!

事前申し込みは80名、過去最高の参加となった。加えて、日本から三名のエキスパートが参加。ぜひ、上記の写真から三名を見つけてみてほしい。

今回の参加者が所属している会社
ビデオのビットレートによる知覚の変化についてグラフで説明するNealさん

最初の登壇はKKStreamのNealさん。彼はTaipei Video Technologyで唯一、連続登壇を続けているスピーカーで、【Journey in Demuxed 2018 from engineering viewpoint】と題して、昨年サンフランシスコで開催されたDemuxed 2018ついてエンジニアの視点から解説した。

彼自身が開発している経験と合わせて、次世代のper-title encodingを開発するにあたって大切なこととして以下二つのことを説明した。
1) 知覚を利用して賢く設計すること
2) ストリーミングを主にして機能を考えること

ゲーム用ボットのダッシュボードについて解説するRacingさんとJonasさん

二番目の登壇は17 MediaのRacingさんとJonasさん。【狼人殺】と題して、ライブストリーミングを視聴しているユーザーがインタラクティブオンラインゲームに参加できる仕組みについて解説した。

おそらく多くの方が、仲間と17 Live(イチナナライブ)を使って、ライブストリーミングしている最中にカードゲームやボードゲームができるようになるとは、考えていなかったのではないだろうか?参加者からも同様の質問が寄せられていた。この規模のサービスで、実現した彼らエンジニアリングチームに賛辞を贈りたい。

台湾のメンバーに自己紹介する金沢広峰さん

最後の登壇は広峰さん。日本語字幕のエキスパートとして【Subtitles University】と題して字幕について語った。西洋の字幕と比較して、日本語/中国語/韓国語などアジア圏のダブルバイト言語は、キャラクターセットが異なる。特に日本語字幕はルビ、縦中横(たてちゅうよこ)など表現に用いられる特殊ルールが存在し、それをテキストだけで表現するのは困難であることを解説した。日本語字幕実装に関わる多くのエンジニアは既にNetflixのBlogポスト『Implementing Japanese Subtitles on Netflix』を読んでいると思うが、一つ一つの仕様について実例を紹介しながら説明した彼のセッションに多くの参加者が衝撃を受けていた。

彼のとったアプローチは、WebVTTを使ってタイミングをコントロールしつつ、字幕は画像ファイルとして提供するというもの。既存のビデオに字幕を焼き込む手段と比べると、まだまだ課題はあるものの、標準技術であるISMC1.1には、ルビなどの特殊表現が仕様に盛り込まれているようなので、今後の字幕表現の向上に期待したい。

登壇した広峰さん、参加した林 岳里さん、酒井 克幸さんの三名はTokyo Video Techのオーガナイザーであり、これから台北と東京はさらなるシナジーを生み出すべく、積極的に相互協力できればと考えている。

過去のMeetupに参加した人は挙手!

過去のイベント参加者は三割、全て参加している人は五名。その中でも今回はiKala<https://ikala.tv/>とCatchPlay<https://corporate.catchplay.com/>には多大な協力をいただいており、今後のイベントにはホストとして参加してもらえればと考えている。

スチル撮影を担当したLudanさん

今回、三つのセッションとアジェンダのオーガナイズはTokyo Video Techのスタイルを参考にしている。ホストとしてイベント全体の流れとテンポのコントロールが、挑戦であり興味深い重要な要素だと考えている。個々のセッションの時間管理も大事だが、スピーカーが用意した内容全てが伝わることの方がより大切でもある。全体で10〜20分超過してしまったので、検討を続けようと思う。

参加者の様子
プロ意識が高まりすぎて… 時にしてカメラマンの安全性が…

最後に忘れていたが、今回の会場について説明しよう。台北市の北部、內湖區大直にあるCLBC Soapbox (肥皂箱)で開催した。なかなか入り口にたどり着けないのだが、Wi-Fi完備/綺麗なプロジェクターがあり、50〜100名が集まるにはちょうど良いスペース。スタッフもフレンドリーでしっかりサポートしてくれるので、台北でこの規模のイベント開催にオススメな場所だ。

スピーカーとホストが一堂に

私個人としては、岳里さん、広峰さん、酒井さんに台北で会えたことにとても驚いている。全ては今回Nealが紹介したDemuxedから始まった。2月のTokyo Video Tech #2にて10分間のライトニングトーク『# How do we start Taipei Video Technology』、そしてその次は彼らが台北にやって来た。そう、

何が起こるか?わからない。

スピーカーにとって最後の数分間がスライド仕上げにどれだけ大事か

最後に、素敵な会場と美味しい料理を用意できた感謝を、今回のイベントのスポンサーAWS网宿科技に伝えたい。もし、あなたやあなたの会社が今後のTaipei Video Technologyのスポンサーに興味あるようでしたら、 Shuen-Huei (Drake) Guanにメッセージを残していただけると嬉しい。

Drakeと語らう、MichelleさんとMichelleさん
AWSありがとう!
CLBCは楽しく学ぶことができ、思考を刺激する素晴らしいスペース

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