STAND GINZA / 80 がもたらした都市の課題解決と新たなつながりの創出

江口晋太朗 | SHINTARO Eguchi
TOKYObeta Journal
Published in
3 min readOct 10, 2018

企画プロデュースに携わったSTAND GINZA / 80が、9月2日をもって閉店いたしました。

もともと約1年という短い期間をどのように活用するか、という課題から生まれたこの場所。11月のオープンからこれまで、多くの方々にご利用いただき、各種メディアでも取り上げていただき、大変感謝しています。

銀座という土地柄をいかに活かすかというところから、銀座が持っていた歴史や文化を踏襲しながら、現代的な形として再構築することを一つの方向性としてコンセプトを練りました。

そこから、1平米/1日から利用できる「マイクロスペース」という仕組みに再編集したスペースとして作ることができました。

同時に、都市部における短期間でのこうした空きスペースは他にも数多くあります。都市部においてはジェントリフィケーションによって新規参入者のテナント利用が難しくなり、それがきっかけで都市の均一性をもたらすという都市のジレンマがあります。そうした問題に対して、STAND GINZA / 80のような、短期間でのテナント活用をもとに、新規参入のハードルを低くすることによって、新しい価値観や文化をその土地にもたらすことができ、都市のジレンマを少しでも解消する一手になると考えて提案をさせていただきました。

もちろん、不動産としての収益性はもちろんですが、多種多様な人たちが集い、普段では出会わないような様々なジャンルの人たちとブースを隣に合わせることでの、新たな関係性やつながりを構築する場所としても機能することもみえてきました。

人と人とのつながりこそが現代における価値であるからこそ、フィルターバブルから脱却した、新たなつながりをいかに作り出すか。不動産という場所の活用、都市部のジェントリフィケーションの解消と合わせた、いくつかの課題に対してヒントを見出すことができました。

STAND GINZA / 80はこれで終了ですが、今後は「STAND◯◯」という形で、違った場所でもプロデュースしていきたいと考えています。そのときには、1平米単位や1日単位ではないかもしれません。

その土地、その場所ならではの場所性と文化と課題に応じて、自由自在に組み換えをしつつも、軸には、マイクロスペースをもとに参入障壁をできるだけ下げ、多様なネットワークを構築することを軸に提案をしていきたいと考えています。

ぜひ、ご興味のある企業、空いたスペースをお持ちの方は、ご連絡いただければ幸いです。

改めてですが、これまでSTAND GINZA /80をご利用いただいた皆様、ご関心を持っていただいたみなさんに感謝いたします。

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