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3 min readNov 15, 2019

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美術館での生体展示日記:ミノムシ_1

美術館で生体展示をするという事はどういうことでしょうか。

生きものの視点で見た世界をユーモラスに表現し、人間や社会の本質を問いかけてくる AKI INOMATA。十和田市現代美術館での彼女の個展に作品の一部としてやってきた生きものたちの観察を通して、INOMATAの見せようとする世界の、ある側面を考察します。

展示するにあたり、生きものにとって適切な環境にするために、専門家の指導・助言のもと、気温調整、給餌、清掃等を毎日行っています。生きものは展示終了後、作家が継続して飼育を行います。

日々変化していく、生きものの様子を日記で紹介していきます。

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7月6日

ミノムシは、2mm-3mmの大きさで十和田市現代美術館にやってきました。十和田市の松本茶舗さん宅で、裏庭にある柿の葉をいただき、展示開始の9月までの2ヶ月間、大事に育てていただきました。

ミノムシは、最初に食べた葉っぱと同じ種類のものを食べ続ける習性があります。生まれたての小さいミノムシは、約20cmの透明なプラスチックの水槽で育てられました。

7月22日

葉っぱの裏側にくっついている黒い細長いものがミノムシで、全長9mmくらいに成長しました。

小さいケースで全頭を育てるには狭くなってきた為、大きいケースを2台に分けて飼育し始めます。柿の葉っぱが枯れないように水を入れた瓶に入れ、瓶の中にミノムシが落ちてしまわないようにスポンジでフタをしています。

ミノムシは、日に日に食欲が増し大きくなり、体のまわりには小さい葉っぱをまといはじめました。

執筆者:十和田市現代美術館 学芸スタッフ 見留さやか

AKI INOMATA: Significant Otherness 生きものと私が出会うとき

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