シェアリングエコノミーに未来はあるのか?

Yutaka Shiiya
Feb 23, 2017 · 10 min read

Sharing Economy!シェアリングエコノミーという言葉を知っていますか?実は最近日本でも色々なところで登場してきています。

シェアリング市場(シェアリング・オンディマンドエコノミー)

◯シェアリングエコノミーとは?

この10年程度で広まってきたインターネットなどの『プラットフォーム』上で提供者が所有するモノやスペース、サービスを、利用者が共有することにより成り立つ市場経済の仕組み

◯オンデマンドエコノミーとは?

インターネットなどにより『必要なときに必要なだけ』商品やサービスが提供される経済活動。一般的に個人の空き時間や労働力、所有物などをそれを必要とする人や会社に一定期間提供するサービスのこと。

日本のシェアリングエコノミーの市場規模推移と予測

・2015年度に約285億円(前年度比22.4%増)
・2020年度には約600億円の市場に拡大予想

海外では2013年に約150億ドルの市場規模が2025年には約3,350億ドル規模の成長見込

総務省が発行する情報通信白書28年版によると世界の主要国の中でも日本のシェアリングエコノミーの認知度は、まだ低い状況です。

海外では、既に多くのシェアリングサービス、オンデマンドサービスが立ち上がり、成功事例も出ています。

しかし、シェアリングエコノミーの代表格、AirbnbUberしかり、各地で訴訟やデモ騒ぎになるなど、既存市場を破壊するようなインパクトを与えてはいる一方でその反動も大きく、本当にシェアリングエコノミーが世の中の為になっているのか、まだ最適解が見つかっていません。

特に既存市場をシェアリングの仕組みによってシェアを奪うというサービスは、本質的にシェアリングによって課題を解決しているのかを考える時期に来ていると言えます。日本でも海外の流れは注視する必要があります。


日本もこれからシェアリングエコノミーが普及して行くにあたり、ここでシェアリングエコノミーの分類を定義して、日本でのシェアリングエコノミーの最適解はあるのかを考えてみます。

[注]一般的な分類ではなく、あくまでも独自解釈による定義となります。

シェアリングエコノミーの分類

◆アイドルエコノミー Idle Economy ※現在主流のシェアリングサービス

<特徴>

  • 空いているモノ、時間、空間、スキルを利活用
  • 誰もが同じ空いているもの
  • 多数の空きから絞り込む=競争原理の最適化
  • 依頼者優位

<勝ちパターン>

  • 市場シェアNo1(ユーザー獲得)

<課題・問題>

  • 価格競争に陥いる
  • 既存業界とのシェアの取り合い

<代表サービス事例>

  • Uber:空いている車とユーザーのマッチング
  • Airbnb:空いている部屋とユーザーのマッチング
  • Anytime:空いている時間とユーザーのマッチング
  • Lancers:使われていないスキル&時間とユーザーのマッチング
  • スペースマーケット:空き空間とユーザーのマッチング
  • ラクスル:空いている印刷機とユーザーのマッチング

◆タレントエコノミー Talent Economy

<特徴>

  • 才能を利活用
  • その人にしかない才能や経験
  • オンリーワンを選ぶ=理想的な出会いの最適化
  • 両者理想の最大公約数

<勝ちパターン>

<課題・問題>

  • 市場が小さい、もしくは存在しない可能性(ユーザーの発見)
  • 一般認知や市場のスケールが遅い、もしくは無視される
  • どうやって才能をおさえておくか(提供者獲得)

<代表サービス事例>

  • おっさんレンタル:おじさんとユーザーのマッチング
  • Etsy:ハンドメイドのマーケットプレイス
  • AKB48:会いに行けるアイドルとファンのマッチング

◆グループエコノミー(共同シェアリング) Group Economy

<特徴>

  • 複数ユーザーによる共同利用
  • 個人の所有から集団の共有へ
  • 共同利用によるモノや時間、コストの最適化
  • レンタルビジネス2.0、協同組合2.0
  • レンタルからシェアリングの時代。※相互扶助からシェアリングの時代。

<勝ちパターン>

  • 市場シェアNo1(ユーザー獲得)

<課題・問題>

  • 一般的にBtoCビジネスのため、資金力が重要
  • 既製品の脅威になる(既存ビジネスがまわらなくなる)

<代表サービス事例>

◆リサイクルエコノミー(再流通プラットフォーム) Recycle Economy

<特徴>

  • モノやサービスの再利用(再流通)
  • 消費社会から持続可能社会へ(消費経済から循環型経済)
  • ライフサイクルの最大化
  • 共有、ライフサイクル参加による自己実現(生存欲求と自己実現欲求のシンクロ)

<勝ちパターン>

  • 再流通ネットワーク創りとその可視化
  • 既存市場との共存可能な仕組み(Win-Winの関係)

<課題・問題>

  • 既製品の脅威になる(既存ビジネスがまわらなくなる)
  • 既存のモノ、サービスが継続して入ってくる仕組み(提供者の獲得)

<代表サービス事例>


以上、シェアリングエコノミーの分類をしてみました。まだ新しいジャンルで決まった分け方は無く、分類の仕方も色々とあるので、他の事例などもみてみると参考になると思います。

シェアリングエコノミーの最適解はあるのか?

シェアリングエコノミーが経済全体にもたらす影響

◯供給力を向上させる
・今まで有効活用されていなかった資産の稼働率を高める
・モノや人といったリソースの稼働率を高めることで、潜在成長率の引き上げにつながる

◯新たな需要を作り出す
・既存産業が提供出来ていなかった、潜在需要を創造することが出来る

◯新たなビジネス(サービス)を作り出す
・今まで活用されることがなかった個人のアイデアがビジネスにつながる可能性がある
・個人の経験・知識・スキル×プラットフォーム=新しい価値とビジネス

参照:シェアリング・エコノミー ―Uber、Airbnbが変えた世界

「供給力を向上させ、新しい産業・市場を創出する」コトがシェアリングエコノミーの大きな特徴です。

シェアリングエコノミーの何が課題なのか?

現在起こっている問題の多くは「アイドルエコノミー」に属するサービスが関わっています。

「アイドルエコノミー」の多くは既存市場が存在し、ターゲットも明確なため参入しやすく、市場規模も大きいのでシェアリングエコノミーのジャンルとして普及が先に進んだと考えられます。例えば、Airbnbはホテル・宿泊市場、Uberはタクシー市場。

「アイドルエコノミー」の課題は『価格競争に陥いる』『既存市場でシェアの取り合い』をどう克服するかです。

上記でシェアリングエコノミーの特徴を説明しましたが、既にある市場をシェアリングという仕組みでユーザーのニーズを満たすことだけでは、「供給力を向上させ、新しい産業・市場を創出する」ことにはなりません。

アイドルエコノミーの存在意義が問われるのは、既存市場に無い新たな需要を生み出し、新しい市場を創る事が出来るかどうかです。


今回のタイトルは「シェアリングエコノミーに未来はあるのか?」ということですが、まずそれを必要としている人がいて、その人の課題を解決することが出来るビジネスであれば、シェアリングエコノミーにこだわる必要は無いという、当たり前のことに行き着きます。

私自身AirbnbもUber両方使った事がありますが、どちらも凄く使い易く、既存の業界には無い利便性やメリットを感じます。特に海外でUberを使うことは、言葉や支払い、目的地へのアクセスの煩わしさを解消してくれます。

シェアリングエコノミーが全てを解決してくれる!これからの時代はシェアリングエコノミー!というような幻想がありますが、改めて今何が必要なのかを考える事で、シェアリングエコノミーの未来を考えるキッカケになるのではないでしょうか。


最後に、私達が運営しているトラベロコというシェアリングサービスについてご紹介。

トラベロコは海外在住日本人(ロコ)が旅のお手伝いしてくれるサービスです。上記の分類だと、タレントエコノミーに属します。

トラベロコ:埋もれた海外の才能とユーザーのマッチング

世の中には様々なシェアリングサービスがありますが、トラベロコがシェアリングエコノミーの最適解の一つになれるよう、日々試行錯誤しています。

興味を持った方は是非使ってみていただけると嬉しいです。😂

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