AKB48という場の力

ネットは個人の力を拡張したけど、それだけでは面白くなくない?

Yutaka Shiiya
Traveloco
5 min readJul 26, 2017

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https://ja.wikipedia.org/

最近、カリスマブロガーユーチューバー、ネットアイドルなど、今までなら出てこなかったような個人が活躍できる場所が広がって来ている。

インターネットの普及とそれに伴うツールやインフラが整ってきたことが理由だが、最近だと「個人の力を拡張する」ツールとして、様々なサービスが登場している。

例えば、人間株式市場のVALUや最近話題の時間売買のTimebank。ちょっと前だと、クラウドワークスなどクラウドソーシング、個人でファンクラブができる有料サロン、食通がお店を紹介するグルメアプリなど。

それぞれ大変興味深いし、今までならありえなかった人が出てきたり、新しい職業が生まれるのをみると、凄い時代になったなと思う。

ただ、活躍している人を見ると皆一癖も二癖もあって、活躍する理由は何となくわかる人ばかり。一昔前だったらHIKAKINが今のように活躍できたかというと、難しかったとは思うのだが、皆他とは違う才能や自己プロデュース力を持っている。

すべての人がそうだとは言わないけれど、活躍の場は違え、そんな人は何かで自分の事をアピールして力を発揮する事が出来るのではと思うわけです。

そう考えると、本当にネットは「個人の力を拡張する」しているのか?

ただ能力が高く、自己プロデュース力がある人が、今まで以上の名声や価値を出す事が出来るだけで、その他大勢の人は「活躍した個人」との差を広げられて、凡人に成り下がり、相対的に「個人の力が縮小」するのがネットなのではと思ってしまう。

AKB48の場の価値

ネットではないですが、私が「個人の力を拡張」したと考えているのがAKB48

今や国民的アイドルグループですが、AKB48の価値は所属している彼女たちが輝ける場所を提供し続けている事ではないかと思います。

ツールと場の違い

「個人の力を拡張」するという意味では同じですが、VALUやTimebankがツールだとすると、AKB48は「場」。
ツールは使いこなしたもん勝ち!ツール系サービスを見ると既に活躍している人がかぶるのは、ツールの使い方をわかっている人(Hack能力が高い)だからだ。

http://valu.userlocal.jp/

一方、「場」であれば、ツールも含めてもっと広く「個人が活躍する」ことが出来る。

AKB48に所属する子達は様々な経歴や能力、特徴を持っているが、アイドル、芸能という枠の中でみると、同じ能力をもった子は大勢いて、よほど秀でたモノがない限り活躍することは難しい。

しかし、AKB48はエリアやプロジェクトによって色々なグループが存在することで、そのグループに所属していることが価値を生み出す仕掛けになっている。
例えば、「走るのが好き」な子がいて、マラソンアイドルとして売り出すとする。でも、マラソン業界、アイドル業界を見渡すと既に自分より可愛くて、もっと走ることが得意な子が大勢いる。
そこで、「AKB48×走るのが好き×秋葉原」というポジションをつくることで、他と差別化し、更にAKB48という場の安心感を与えることができます。
そして、以下のように、次々と展開することが出来る。
「AKB48×走るのが好き×名古屋」→東海地方のRUNイベントに呼ばる
「AKB48×音大生×福岡」→芸能人音楽対決に出場
「AKB48×インスタ×バンコク」→タイ人向け訪日大使に
「AKB48×巨乳×下北沢」→下北沢グラドル
etc

ツールは使いこなしたもん勝ちで、特定の能力の高い人に偏ったかたちで「個人の力を拡張」してしまうが、「場」であればもっと幅広く、様々な個人が活躍することができる。AKB48はそういう「場」を提供しているという意味で凄く価値があると思う。

ネットでも、AKB48のような「場」が増えることで、もっと「個人が活躍」することで出来る。そのほうが面白くないですか。

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