Tadaaki Kimura
trend note
Published in
7 min readMay 26, 2015

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ハードウェア特化シードアクセラレータHAXとHighway1

こんにちは。本日は、ハードウェアに特化したシードアクセラレータとその最近の動きを紹介していきます。

まずご紹介したいのが、中国深圳市とサンフランシスコに拠点を置き、最近名前をHaxlr8rから変更したHAX

今年初めにハードウェアスタートアップのトレンドをまとめたスライドをHAXのblogで発表して話題になりました。領域としては、 Lifestyle / Personal Health / 3D Printing / Smart Home / AR/VR / Drones / Roboticsなどと分類しており、分かりやすくまとめられています。下にスライドシェアのリンクを張っておきます。この内容は日本のTechCrunchでも日本語でカバーされていますのでご参考まで。

さて、そのHAXの前回batchのdemo dayが5月11日にサンフランシスコで開催されました。ご招待頂いたのですがちょうど直前に帰国してしまい参加できず。その様子はHAXの下記blogで紹介されています。

demo dayに参加したチームの紹介は上のブログから見てもらえればと思いますが、ここではkickstarterのプログラムが始まっている2チームを紹介させてもらいます。

ひとつめが、8bitカード型ゲームのArduboy。色々なレトロなゲームに加え、C++のプログラミング学習に使えたり、ドローンのコントローラになったりする機能もあります。現時点で329K USDがpledgeされており、ひとつ$39から購入可能です。

もうひとつが、Kokoonという次世代ヘッドフォン。耳当てがジェル状になっていてそのまま眠ることができ、OKKYOともコラボレーションして高品質の音質やノイズキャンセリング機能も実装。また、睡眠状態をapp経由で分析したり、その脳波を分析して最適な音を流してくれたりすることもできます。現時点で432K USDがpledgeされており、ひとつ$139から購入可能です。

ところで、HAXのアクセラレータプログラムは下記のような内容のようです。基本的にはbatchの参加チームは中国の深圳市で4日間を過ごすことになります。

  • 111 days in Shenzhen
  • Office space, workshop, staff resources
  • $25K for 6% equity or $100k for 9% equity
  • up to $200K in matching funds
  • Shenzhen: strategy, prototyping, sourcing, supply chain management
  • San Francisco: crowdfunding, fundraising, demo day with media and investors

また、このアクセラレータプログラムと合わせて、HAXはBoostと呼ばれる、製品が出来上がったスタートアップのマーケティングと流通販売を短期間で支援するプログラムを最近リリースしました。問題意識としては、多くのハードウェアスタートアップの中でも課題になっている、製品化後の拡販があります。そこでは、アーリーアダプターを対象にするクラウドファンディングのフェーズとは別の方法論が必要になるからです。

そのBoostプログラム内容は下記のようになっています。

  • 42 intense days of selling
  • Office space, staff resources
  • 2% equity
  • San Francisco: channel optimization, online sales, offline sales, logistics

このBoostプログラムの最初のbatchを7月11日まで募集中とのことです。応募はこちらからどうぞ。

ベイエリアで他にハードウェアに特化したアクセラレータとして有名なのが、Highway1です。

以前韓国のfuture playでお会いしたカメラガジェットPodoや、前回のYCのdemo dayで肉を振舞って人気を博したCinder、同じくYC W15のbatchで、 子供の夜驚症を防止する睡眠センサー端末を提供するLullyもここHighway1の出身ですね。CinderはHighway1の後にYCに参加していますが、LullyはHighway1のcurrent batch(spring 2015)となっています。

ここで、LullyのHighway1参加の前後関係を少しみてみましょう。

こちらの記事にLully含むHighway1のSpring 2015のチーム紹介が出ています。曰く、spring 2015のbatchは2月からスタートの4か月間のbatchとあります。Highway1は選考に2か月ほどかけているので、年末ごろにapplyしたと考えられ、YCのYC W15のbatchが2015年の1月-3月(合格発表はその開始の1か月ほど前?)と考えると、少なくともYCにjoinが決まっている状態でHighway1への参加を決めた形と考えるのが自然でしょう。

個人的にはこれは興味深いケースです。なぜなら、500startupsなど他のアクセラレータを経てtopのYCに参加するケースは何度もありましたが、逆のYCを経て他のアクセラレータへ参加することは珍しいからです。これは、YCがアクセラレータからseed fundに方向転換していることとも関係あるのでしょうか。または、特にハードウェア系のアクセラレータのサポートは特別であるため、YC後に敢えてハードウェアに特化しているHighway1に入りなおしたということでしょうか。ちなみに、前回のYCのdemo dayにおいて、参加した投資家の間でもLullyは学術的なバックグラウンドがしっかりしているということで割と人気のあるチームでした。このあたりは何か分かればまた追記などしていきたいと思います。

さて、話をHighway1に戻しましょう。このアクセラレータプログラムは下記のような内容のようです。

Seed Capital :: $50,000 in exchange for 4% — 7% equity.

Engineering Know-how :: On-site and visiting manufacturing engineers.

Power-ups :: Prototyping lab and facilities.

China De-mystified :: 10-day factory-facing visit to Shenzhen.

Pitch Like a pro :: Speak the language of press, investors and influencers.

Highway1のFall 2015への応募は5月29日まで、batchは8月3日よりスタートのようです。応募はこちらからどうぞ。

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