マレーシアのスタートアップ近況update(2016/8)
こんにちは。今月の８月４日に、アジアでも最大規模のアクセラレータープログラムMaGICのdemo dayがマレーシアのクアラルンプールで開催され、今回のbatchに入っている４２チームによりピッチが行われました。私はdemo day当日は参加できなかったのですが、６月にマレーシアを訪問した際に、今回のbatchに入っているいくつかのチームメンバーとお会いしました。アジアを中心に２０代の若いメンバーが多く、非常に活気がありました。
さて、MaGICとは、 Malaysian Global Innovation & Creativity Centerの略で、マレーシア政府による起業育成活動です。数十億円単位の政府の予算で活動が行われており、投資は行わずCyberjayaにおいてオフィスを提供したりアクセラレータプログラムを提供しています。MaGIC含むマレーシアのスタートアップの概要については、以前mediumでも紹介しましたので以下ご参考まで。
最近の現地のスタートアップで勢いのあるのは、複数のフィットネスジムに通うことができるサブスクリプションサービスのK FITです。今年６月にはそのK FIT社がインドネシアのグルーポンを買収のニュースがあり、地域・領域を拡大して成長中です。K FITのファウンダー達は元々groupon malaysia出身ということもあり、今回のディールにつながったのでしょうか。このように、アジアではgrouponのような全世界展開しているサービスの責任者がスピンアウトして別の事業を立ち上げるケースがあり、その経験とネットワークを生かして順調にスタートアップを進めている例をよく目にします。
さて、今月のMaGICのdemo dayの様子がtech in asiaで以下カバーされています。５チームがピックアップされています。オンデマンドのデリバリーがふたつ入っていますね。
・マレーシアにて誕生日ケーキの即日配達サービスを行うeat cake today。
・マレーシアにてHRテック領域でのサービスを提供するkakitangan。従業員の管理に加え、給与計算などの機能もリリースされています。
・部屋のインテリアのアレンジ・家具購入などをウェブサイトから簡単に行えるマレーシア出身のサービスbuild easy。
・花束を個別にアレンジし約10 USDで即日配送するマレーシア出身のサービスhappy brunch。
・いくつものebookや雑誌をサブスクリプションで購読できるプラットフォームpubu。台湾出身のチームで２５０万人の登録ユーザーがいるようです。
そんなマレーシアを含む東南アジアのスタートアップのトレンドについてのイベントを企画しましたので、最後にお知らせです。
「株式会社アドライトは、世界で活躍する起業家や投資家の方々をお招きし、アメリカやアジアの最先端ベンチャーのトレンド・ビジネスモデルなどを学ぶことを目的とした勉強会シリーズ、Trend Note Campを開催しています。２０１６年9月5日に開催する第2回の今回は、東南アジアで積極的にシード投資を行っているSEGNEL VENTURESの藤田氏をお招きし、東南アジアのランドスケープや市場トレンド、そこでの現地スタートアップのエコシステムについて対談形式でお届けします。シンガポールに移住し、1年間で13社の現地スタートアップへの投資及びその後の育成支援を行った経験から、東南アジアの投資先のサービスや戦略の具体例をふまえたケーススタディを行います。」
藤田さんは、マレーシア含むアジアで最も積極的にシード投資を行っている投資家の一人で、１年間で１３社への投資実績があります。現地の起業家達と話していても話に上がることが多いです。私との関係では、前々職のジャフコ社にいらっしゃった時から仕事上でお付き合いさせて頂き、その後アジアに渡られた後も、アメリカでYCのdemo dayで偶然遭遇したり（藤田さんが投資するアジアのスタートアップがその後YCのbatchに選出されたそうです）、MaGICを訪問した際に偶然遭遇したり（藤田さんはMaGICのメンターにも就任されています）、ただならぬご縁を感じております。藤田さんは今回のMaGICのdemo dayにも参加されたそうで、今回イベントでお話をお伺いできるのが今から楽しみです。イベントの参加者を募集しておりますので、よかったらお越しくださいませ。
