吽(あうん)の呼吸と気功

臨終の瞬間は呼気か吸気か?

人は息を吸って”お亡くなり”になるようです。“息をお吐きになりました”・・と言わず、”息をお引き取りになりました”・・と。生まれた瞬間から死ぬまで 絶え間なく繰り返す呼吸は、 あまりに当たり前の行為として、 意識することも滅多にないようだ。人間が行っている行為のなかで呼吸ほど意識せず、おろそかにされているものはないと言えるかも。 食事には材料、栄養などうるさいくらいに気を使うのに、 呼吸を意識して行うことはほとんどない。普段、呼吸は無意識の内に行われている。しかし、「無理やり呼吸を5~6分も止めれば簡単に死んでしまうかな?」と思っても、無理やり止めることは出来そうにない。その苦しさを乗り越える試みは無謀か?
生理解剖学で呼吸調整の仕組みは”へーリング・ブロイエル反射”と教えられる。呼吸は迷走神経を介して延髄に伝えられ・・とかを“ヘー”とツブヤキながら覚えたような。

生まれる瞬間は“おぎゃあ”・・と、息を吐く

生まれたばかりの赤ちゃんはみんな腹式呼吸です。鼻や口先で浅い呼吸をしている赤ちゃんは多分いない。赤ちゃんが無意識にできること、それが生まれた時の自然な姿か? 赤ちゃんは呼吸法の名人か?

阿は口を開いて最初に出す音、吽は口を閉じて出す最後の音。阿吽は宇宙の始まりと終わりを表す言葉。人もオギャーと口を開いて生まれ、 吽で口を閉じ、息を引きとる。一方、呼吸を調整することも・健康を保つことも、こころ(意識の持ち方)で左右され、大きく影響される。

自律神経について

人の体(心身)は自律神経によって調整されている。自律神経の働きで、体内には様々な化学物質が分泌され、心身を正常に維持するように出来ている。その自律神経と呼吸は密接な関係がある。自律神経には戦いの交感神経とリラックスの副交感神経があるが、吐く息は交換神経を刺激し、吸う息は副交感神経に作用する。呼吸は寝ている間でも無意識に行われている。しかし、意識的に調整することもできる。したがって、吐く息と吸う息の長さや強さで、交感神経(戦い)と副交感神経(リラックス)の調整ができるのです。

気功は自律神経調整の手段。

「健康体を維持するための基本は、食・息・想・動のバランスを保つことだ。」と、説いたのは仙台で活躍した橋本敬三医師です。橋本医師は西洋医学で治療の限界を感じ、東洋医学を取り入れ独自の整体理論を伝え、後世に残した。気功では「息・想・動」即ち、呼吸と意識と動作の三点セットで心身を調整します。「あ — — ~と、長く吐ききることが出来る人は長生き出来ますよ」とか言いながら、声を出す気功も伝えています。

呼吸は生きるリズムそのもの。深い、浅い。長い、短い。荒い、穏やか等、人は呼吸を深くしたり浅くしたり、早くしたり遅くしたり、少しの間なら止めることも可能だ。

激しい運動の時は呼吸も荒々しく、静かに休むときは穏やかな呼吸になる。良好な環境に置かれているなら、意識しなくても、成り行き任せで心身は調整される。
 一方、 意識的に呼吸をすることは精神や 体内ホルモンをコントロールする手段にもなる。呼吸と精神状態も密接な関係にある。過大なストレスの時はどんな呼吸か? その時分泌される体内化学物質は? その時、体はどんな状態か? そんな状態が蓄積されるときの心身の状態は?

バランスを調整することが鍼灸や気功、中医学の理論。

バランス(中庸)という観点で、心理や行動を自己コントロールすれば、人と自然・人と社会環境との間に調和と統一が保たれる。「中庸」を目指すことが養生の道であり、処生哲学とされている。人が生きるためには、ある程度の緊張と労働が必要であり、仕事への情熱や緊張感を失えば、生命力も消えてしまう。しかし、過度の労働や緊張は健康を深刻なまでに害することもあります。ガンやその他多くの疾病や難病もその多くは人体が「バランス」をとる過程と思えます。
気功は呼吸と意識と動作の3点セットで心身を調整し、潜在能力を開発する手段。気功は各自に備わっている本来の力に目覚める手段。自然との調和が生命力の原点であり、気功は健康作り健康増進への道。
リンク先で紹介の→ ミニ気功の集い」は西宮保健所管轄の”健康づくり推進員”活動の中で提案されたものです。毎月欠かさず9年間開催した「気功の集い」を受け継ぐ、地域に密着し た活動です。「気功の集い」の延長として2013年5にスタートし、毎週木曜日に場所を変えて開催しています。「生き生きと元気に過ごす為の情報や手段を共 に考え・実践する輪が広がれば」・・という思いで続けています。