hiroki murakami @hirokidmc
tsukuruba
Published in
4 min readNov 27, 2017

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2017年11月23日、あるプレスリリースが発信された。

株式会社アカツキは、株式会社ASOBIBA、株式会社アプトの全株式に関する譲受契約を締結したことをお知らせいたします。

https://aktsk.jp/press/7674/

このアプトという会社は、僕が3人の仲間と創業した会社だ。

アプトの創業は2010年、ツクルバを創業するよりも前の話。

最初は僕と社長が大株主、その後ツクルバの100%グループ会社にし、間に少し資本構成をいじったがその後アカツキの100%グループ会社となった。僕にとっては、創業から関わった会社を初めて外部資本にイグジット(嫁入り)した、とも言える出来事だ。

話を2010年に遡る。

当時の僕はネクスト(現LIFULL)というIT企業に所属し、同社が買収したSaaS企業に出向してwebサービスの開発などに携わっていた。

新規事業開発的なポジションで、バリバリのリクルートOB達に囲まれ、それが当たり前だと思って朝から晩までとにかくハードに働いていた。

しかしそれでも24時間活動していたい僕は、学生時代に自分で興した事業の稼ぎと前職の退職金を合わせて貯金が数百万あったので、これを何か有意義なものに使いたいと企んでいた。

当時24歳だったことを考えると数百万はある程度大金だ。しかしモノとか旅行などの消費に使う気になれず、何か事業に使いたかった。

そんな矢先、リクルートを辞めようとしていた大学の研究室同期である遠藤をつかまえて、「お金は出すからカフェやろうよ」と誘ってみたのだ。

遠藤もこれを快諾してくれ、僕が出資者、遠藤が社長という形で話が進んだ。

今思えば飲食経験もない23~24歳くらいの若造がたった数百万程度持ってドヤ顔してカフェやろうと盛り上がっているのだから、ひどいものである。今の僕らがこのプランを聞いたら間違いなく反対するだろう。

そして、大学生でよくありがちな「人が集まる場=カフェ」をつくりたい、と。ああ今思い返すと本当に恥ずかしい。

そう、若気の至りだったのだ。

この若気の至りに盛大に巻き込まれてくれたのが、先述した遠藤幸一郎、僕のダンス仲間だった工藤枝美、そして前職の同期で後にツクルバを共同創業するパートナーとなる中村真広、の3人だった。

ここからのドタバタはツクルバ中村との共著”場のデザインを仕事にする”に記したので割愛するが、笑いあり涙ありの6年間を過ごし、アプトの事業は順調に成長していった。

そして2016年末、アプト社長の遠藤と中期経営計画を検討した結果、ビジョン達成のためにはより積極的に事業に投資していく必要があるという結論に至った。

投資するためには当然資金が必要だが、ツクルバもまた拡大フェーズのベンチャーのため自社の事業にフルパワーで投資している。

だとするとツクルバの代わりにこの事業とチームをより高みに進化させるためのパートナーが必要=M&Aしてくれる先を探そう という案が出てきた。

さらっと書くと誤解を受けそうだが、決断までには時間を要した。

様々な関連当事者と相当な時間の話し合いの上、僕や中村のなかでは創業からの想いも混じり葛藤もあった上での決断だった。

そして検討を始めて数ヶ月、上場企業含めた複数社からコンタクトをいただいたが、結果は冒頭の通りである。

アプトは、ASOBIBAそしてアカツキと共に新たなステージに登って行くことになった。

ASOBIBAの共同代表である小林肇氏、小谷翔一氏は兼ねてからの友人であり信頼できる優秀な事業家だ。

そして今回アプト・ASOBIBAを束ねた新会社アカツキライブエンターテイメントの代表となる香田哲朗氏もまた、アカツキを共同創業し日本を代表するベンチャーとしてつくりあげた非凡なる人物であり、僕の人生に欠かせない友人でもある。

ここから先の未来は当事者の努力に寄るところもあるが、現時点では関係者全員に堂々と説明できる、非常に納得のいく結果になったと思っている。

僕らの青春の一ページであるアプト、今までありがとう。

そしてアカツキライブエンターテイメントの船出を心より祝福したいと思います。

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