結果を出すためには準備が必要

UeShun
UeSaku Diary
Published in
5 min readDec 21, 2015
学生実験で出来上がった怪しげな液体

僕は東大の理科2類から理学部化学科(通称りばけ)に進学しました。そのりばけの学生実験とそこから学んだことを振り返ってみます。

結論から述べると「良い結果を出すためにはしっかり準備することが必要」という当たり前の話です。もしこのことを普段あまり意識していないのであれば、これを機会に自分の普段を振り返ってみる価値はあると思います。

1.りばけ学生実験の特徴

初めに、りばけの学生実験について紹介します。

  • 週に5日実験
    他の化学系の学科では週に4日程度しか学生実験をしないところもあるようですが、りばけの3年生は平日の午後は毎日実験をします。
  • 長期休暇も実験
    僕の頃は(確か)8、9月が夏休みで、その9月にも合計2週間ほどは実験がありました。また、9月には期末試験もありました。午前は試験、午後は実験という充実した夏休みでした……。
  • 多種多様な実験内容
    無機分析化学実験、有機化学実験、物理化学実験の3種類について様々な実験をします。放射性同位体を用いた実験や、C言語を使った計算機課題もあります。実験に使うガラス器具(T字管など)を自分で作る練習も。火傷に注意しながらガラス細工をした覚えがあります。
  • ドラフトは一人一台あり
    なんと、りばけでは学生実験室において一人一台ドラフトを使うことができます。
学祭の展示において撮った画像

一年の間、自分専用のドラフトになります。聞くところによると工学部の化学系学科では複数の学科で共用の学生実験室とのことなので、この点に関してはりばけの環境は恵まれていると思います。自分の居場所があるという点が僕は特に好きでした。

  • 時間制限あり
    毎日実験をせねばなりませんが、基本的に16時半になったら帰らなくてはなりません。そのため、テキパキ取り組まないと実験が終わらないという悲惨なことになります。だらだらと夜遅くまで実験をするのではなく、そこそこの時間内でしっかりと集中して取り組むことが重視されています。
  • 英語
    僕の頃はほとんどの実験もレポートも日本語でしたが、今では授業が英語化されたことに伴って英語で実験をしているらしいです。3年生にしてみればかなりたいへんなことだと思います。一方できちんと取り組めば身につくものも大きいはず(たぶん)。

2.学生実験で学んだこと

上記の通り、平日は毎日実験をしました。しかし時間に制限があることと、実験内容が多いことからきちんと予習した上で取り組まないと時間がすぐに足らなくなりました。(僕の要領の悪さも関係しているとは思いますが)

一方で、実験をする前に少なくとも以下の点に取り組んでおけば実験をイメージすることができ、いざ実験を始めてからもそれなりにスムーズに進めることができます。

  1. 予習しながら実験の一つひとつの操作の意味を考える
  2. 予習の段階でそれぞれのステップで予想される結果を考える
  3. 実験テーマ(目的)について理解する
  4. 試薬の毒性や危険を伴う操作について確認する

また、予習しておくことで途中で変な結果が出てきた時にすぐに気づくことが出来ます。気付かず進めてしまうと、取り返しがつかないことになったり、せっかく作ったモノを無駄にしてしまったり、やり直すために大幅に時間をロスすることになります。学生実験ではあまり意識しないかもしれませんが、これはお金のロスにもなります。

そして実験をイメージした上で実験操作をすることで、実験の腕の鍛錬度も上がりやすくなるのではないかと僕は思います。よくわからないまま実験しても器具の使い方はあまり上手になりません。極端な話、試薬を溶液と混ぜて加熱するくらいなら小中学生でもできるので。しかし操作の意味を予習して理解していれば、器具の使用法やコツを学ぶ速さは経験的に変わってきます。

3.まとめ

化学系でなくても、実験系の人たち(生物、物理、etc…)にとっては上記の内容が少なからず当てはまるのではないでしょうか。

そして何より、実験だけではなく受験でも仕事でも種々のプレゼンでも、よりよい結果を出すためにはしっかりと準備をせなばならないなと、ここまでの本文を書きつつ自分の今までを振り返って強く思いました。これは当たり前の話だとは思うのですが、僕みたいな凡人には意識しないとなかなかできないことであったり……。

「一流と二流の差はしっかり準備するかどうかだ」ということを時々耳にします。これは本当にその通りで、良い結果を出すためにはしっかり準備することが必要なのだと思います。

周りの優秀な、結果を出している友人や先輩を見ても、やはり準備することが大事なのだと気付かされます。しっかり準備することは、しっかり学ぶことに繋がり、その結果として身につくことも多く、良い成果を得やすくなるのではないかと、たいへんな自戒の意を込めてここに書いておきます。

一方で、準備し学ぶために費やすことのできる時間は限られています。そのため、生産効率といったことも当然結果を出すためには大事になってくるはずです。これについてはもう少し自分の中で考えがまとまったら記事にします。

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UeShun
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東京大学大学院生。研究分野は化学及び生物学。研究以外ではEdTechや温泉、外国人向け観光案内に興味があります。