大学院入試で苦労しないために

Hidemasa Oda
UeSaku Diary
Published in
4 min readNov 25, 2015

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目次
1.「自分のしたい勉強」と「そのために必要な勉強」を分けて考える
2. 解ける問題を確実に解く
3. 他人を巻き込む

1.「自分のしたい勉強」と「そのために必要な勉強」を分けて考える

「自分の勉強したい事」と「そのために必要な勉強」とは分けて考える必要があると思います。
東京大学ほどの総合大学にもなると、「自分の勉強したい事」に対して複数の研究所や研究室が対応することはよくあります。
しかし、大学院入試で求められる技能は研究所・研究室によって違ってくるでしょう。
確かに、東京大学の学生をしていると、大学院名で差別される経験をする事が多いです。
したがって、なるべく名声の高い大学院・研究所に籍を置きたいという気持ちは分かります。
しかし、敢えてブランドにはこだわらず、「自分の勉強したい事」と「自分が持っている能力」のバランスで進学先を決めることも大事だと思います。

私は Kavli IPMU という研究所で研究していましたが、この研究所は大学院ではないので、
[1]東京大学 大学院 理学系研究科 物理学専攻
[2]東京大学 大学院 理学系研究科 天文学専攻
[3]東京大学 大学院 数理科学研究科 数理科学専攻
のいずれかに籍を置いておく必要がありました。
私の経歴からして、数理科学研究科の大学院入試が最も簡単であろうということで、数理科学研究科を受験して合格しました。
ゴールは同じでも、そこへの辿り着き方は3つあったということです。
(余談ですが、[3]の方法でIPMUへ来ると、研究テーマはどうしても数学になってしまうので注意してください。IPMUで物理を研究したい方は[1]か[2]の方法でお願いします。)

2. 解ける問題を確実に解く

大学院入試においては、解ける問題を確実に解く事が大事です。
合格に最低限必要な問題を解いて合格すれば良いです。
1. で述べたように、「自分が大学院へ進学して勉強すること」と「大学院へ進学するために必要な勉強」は少しズレがあります。
したがって、必要以上に大学院入試対策に時間をかける必要はなく、確実に合格するために必要な事柄だけを勉強すれば良いのです。

数理科学研究科の試験問題は20問から成るのですが、20問全てを解く必要はありません。
実は20問の中から3問を選んで解きます。
この3問を制限時間4時間で解くのですが、1問を完全に解答できれば合格と言われています。
私の場合は、3問とも解けませんでしたが、ちゃんと合格しています。
「自分はここまで理解できている」という事をちゃんと伝えるということが大事なんですね。
解ける問題を確実に解く事が大事というのは、こういった事も含んでいます。

3. 他人を巻き込む

何かを達成する時は他人を巻き込む必要がある。
自分の成功のためには他人の犠牲が必要ということです。
ただし、犠牲だけを払わせるのでは誰も協力してくれないので、色々と工夫する必要があります。

まずは研究所の先輩に頭を下げに行きましょう。
大学院入試への取り組み方から、添削に至るまで、「こいつマジめんどくせぇ」って思われるまで粘着してください。
あなたの熱意が伝われば、手伝ってもらえることもあると思います。
私の場合は、位相幾何を専攻する研究員の方にチューターになってもらい、毎日1問くらい問題を解いて持って行って添削してもらっていました。
更に、幸いなことに、勉強部屋と勉強机とコンピューターを頂き、その環境で大学院入試に専念することができました。
先輩の方々にとっても、受験生は将来の後輩になるかもしれず、無下には扱えないものなのです。

次は同期の人間も巻き込んでいきます。
同期との切磋琢磨は、相手にとってもメリットがあり、協力してもらいやすいです。
「大学院入試対策セミナー」と銘打って、部屋を貸し切り参加者に解答を発表してもらうと良いです。
「自分の中では解けていたつもり」でも、発表してみて初めて自分の間違いに気づくという事もあります。
それだけでもセミナーを企画する価値がありますね。
大学院入試においては、一人で部屋にこもって勉強していてもダメです。
情報戦ですよ。こんなの。
毎年出される問題があって、その毎年出される問題を解けば合格なんて事も珍しくないです。
その事に気づく最良の方法は他人を巻き込む事です。
自分で気づくよりも、他人に教えてもらう方が早いことも世の中にはありますから。
もう人から教わることはねぇって気づいてから部屋にこもっても遅くはないのです。

どうですか。皆さんのお役に立てたでしょうか。

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