真似することは学ぶこと

UeShun
UeSaku Diary
Published in
5 min readDec 11, 2015

私「コーヒープリーズ」
売り子「ハン?」(と聞こえた)
私「コーヒープリーズ」
売り子「ハン?」
私「コーヒープリーズ」
売り子「ハン」
私???

通じないのである。おかしいなと思いながら粘っていると、黒人の売り子はニヤニヤして「オー、カアフイ」と言う。そして、やっとコーヒーをくれた。その店はコーヒーしか売ってないのだが。

上記の内容にはとても共感できます。なぜならば2ヶ月前に大学構内の店で初めて注文した時、「クドゥアイハブ チャイラテ?」と言ったらアイスコーヒーが出てきましたから……今となってはいい思い出です。

引用元の記事のように、思い切ってそれっぽい発音をするようにしたらまあまあ通じるようになりました。スタバだとさらに通じやすいです。

ちなみにスタバでの注文において、カフェラテは「ラテ」「ラティ」「ラテェィ」などの latte 一言で通じます。むしろ「カフェ」はつけない方がたぶん良いです。チャイラテは「チャイラテ」でOKです(なぜ最初に大学の売店で通じなかったのかよくわかりません)。カプチーノは「キャップ↓チーノ↑」と言えば大丈夫です。これらは周りの人の注文の様子を観察して導き出しました。

※追記
カプチーノは「カプ」の発音が弱いと tea に間違われることもあります(経験済

また、日本のスタバと違うと感じるのは、よりカジュアルな雰囲気であることです。電話している人もスカイプしている人もいくらでもいます。日本のスタバだともう少し落ち着いている店が多いので長時間のスカイプ等は少しやりづらいかと思いますが、こちらでは全くそんなことないです。そして警官が普通にコーヒーを買いに来ます。銃が目立ちます。見まわりご苦労さまです。

以下、話を戻します。

ますます複雑さを増すこの世の中で、何もかも一から自分ですべて考え出すことはできない。新規なアイデアを出すためには、先人がどこまで到達したかを正確に知らねばならない。先人の残した結果だけをいくら習っても、その思考過程や苦労が分からなければ、先人を超えられない。マネをすることによってそれがよく分かるようになる。だから先人をも超える独創が生まれるのである。

筆者は26歳で専門分野を変え、このような結論に至っています。僕も化学専攻出身で、物理や数学が好きな人間だったこともあり物理化学を嗜んでいましたが、数カ月前から生物学という未知の世界に突っ込みました。境遇が似ています。

というわけでまだ本当に初学者ではありますが、そんな僕がこれまでに生物学の研究について学んだことを引用元の話に沿って少し書き記しておきます。

1.先人のプロセス(思考過程や苦労)を知る

生物学の研究をする上ではほとんどの場合、実験が非常に重要になります。その実験では分子生物学の基本的な内容とそれを応用した基礎的な実験操作をマスターすることが最初のステップとなります。重要なのは実験操作の一つ一つに意味があることです。その意味を理解しておくことで実験操作を最適化できるため、良い結果が出やすくなります。また、最適化しておくことで時間を無駄にしにくくなる(=時間を節約できる)ことも大きいです。

例えば、生物や化学系の東大生なら学生実験でやるので知っているであろう、PCRの各段階の温度と時間の意味がそうです。これらのパラメータのことをきちんと理解して最適な値に設定しておかないと、目的のDNA等をうまく増幅することはできません。何も出てこないか、あるいは変なものができます。

そのPCRについても歴史を辿ってみると、先人の思考過程や苦労がよくわかります。大学生向けの教科書にはそのあたりの経緯も載っているので読んでいるだけでも勉強になります。高校で生物をあまり勉強しなかった僕みたいな人にとっては、高校生物の参考書もさらっと一読する価値は十分にありました。高校生向けとはいえ、意識して読めば案外先人の作り上げた歴史をそれなりに辿ることができます。

2.先人の真似をする

現在お世話になっている研究室には、世界から集まった非常に優秀なメンバーが揃っています。人数自体は10人もおらず、少数精鋭です。彼ら彼女らは僕とは比べ物にならないほど生物学や医学に関する知識があるのはもちろんのこと、なんといっても実験の腕が違います。手際も良ければ結果もきれいなのです。

そしてありがたいことに、そんな実験のコツを惜しみもなく時間をかけて教えてくれます。よくわからないことがあったら僕にもわかるレベルの知識と英語で熱心に解説してくれます。

このような恵まれた環境において今の僕がすべきことの1つは、教えてくれる彼ら彼女ら以上に僕が本気になって周りのメンバーの真似をすることだと思います。実験操作の意味を理解し、的確に真似をし、それらを自分のものにする。こうして自分の血となり肉となった技術で、今後自分のテーマにおいて結果を出していかなければなりません。同時に、いずれ新しいメンバーがラボに入ってきた時には今度は僕が教えられるようになっておかなければならないとも強く思います。

それでは今回はこのくらいで。
また研究において新たな学びがあれば記事にまとめます。

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UeShun
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東京大学大学院生。研究分野は化学及び生物学。研究以外ではEdTechや温泉、外国人向け観光案内に興味があります。