ジェスチャーベースの体験の可能性を探る
こちらはustwo Londonの英文記事を翻訳したものです。
全く新しいものにふれるとき、遊びながら学ぶのがベストです。私たちが遊びのパワーを思いついたのは、Googleにいる友達がPixel4スマートフォンのプロトタイプに入っている新しい技術を見せてくれた時でした。彼らは、タッチするだけでなく空中でジェスチャーをしてスマートフォンを操作する新しいやり方を見せてくれました。携帯とのインタラクションに新しいパラダイムを作ることができるチャンスです。遊び心とUXデザインを取り合わせて、このブレイクスルー技術を楽しく役に立つことに使えることにワクワクしました。
ジェスチャー操作に対応するSoliレーダーは、スマートフォンに搭載され、人間と携帯との新しい関係を提供しています。ゲーミング体験について、人々が新しいインタラクションになじむかを探るようGoogleから私たちへ依頼がありました。新しいフォーマットを目にして、私たちは遊び心のある新鮮なソリューションを懸命に探りました。
この記事では、私たちが魔法の旅・Headed Southをどう考えついたかを説明します。そこではあなたは旅全体の一部であり、森林や火山など新しい風景を探します。ユーザーは鮮やかな色のキャラクターや場面にひきこまれ、謎めいた風景を進む新しい方法として画面タッチやジェスチャーを使います。
最初の実験
デザイナーとデベロッパーが、オープンなプロセスで協力しながらユーザーからインサイトを得ることが、唯一のやり方だと初めからわかっていました。
このデバイスを動かすには2つの方法があります。スマートフォン上の空中で①「ある方向へスワイプ」もしくは②「方向を問わずにスワイプ」するとレーダーが読み取ります。これは魔法をかける仕草にとても似ているので、この魔法のような気持ちをゲーミング体験の中でとらえる方法について考えました。
いろいろなゲームのしくみを調べて27のプロトタイプを作りました。この初期のプロトタイプでは、ジャンプする、撃つ、たたく、飛ぶ、時間を止める、パズルを解く、キャラクターを動かす、ものを選ぶ、オブジェクトを動かす、オブジェクトを押す、引く、回転させる方法に取り組みました。動作がたくさんあるので、遊ぶ可能性もたくさんあります。
スマートフォンの上でジェスチャーするのは、これまでの画面タップよりも「大きな」インタラクションです。全体をまとめるコンセプトを探る前に、コアとなるゲームの完璧な動きを見つけねばなりませんでした。そこで以下の3つのアイディアに的を絞りました。
- いろんなジェスチャーでデジタルペットのようなデジタルキャラクターとやりとりする。
- 時間をスローにするなど、ある強い力を支配するジェスチャーでパズルを解く。
- 風とオープンな風景の中を飛ぶ凧をあやつるジェスチャー。
美しい景色の中を飛ぶ
プレイテストでもっともユーザーを引き込んだのは、凧が動く仕組みでした。Googleが既に作っていたものともなじみ、空気のようなスムーズなジェスチャーを作ることができました。視覚、音声、触覚フィードバック全部を一度に使ってジェスチャーベースのインタラクションを自然な感じにしました。そこから、いかにユーザーが体験に圧倒されすぎずに、逆に万能感を得られるか、という課題に取り組みました。
この仕組みとともに、動く感覚のためのデザインコンセプトも考えました。世界の中を飛んでいく時の進む感覚を作るため、さまざまな風景のデザインを作りはじめました。森の中を飛んだり、滝の急流を追いかけたり、洞穴のある渓谷の中や、火山のある熱帯のジャングルの中を飛ぶことができるのです。リアルと抽象的なものの中間のスタイルを作りたかったので、自然の中にいても空想的な演出がなければなりません。リアルな自然の写真とアートで描かれた自然の両方からインスピレーションを得ました。アートの大きな影響は画家のようなブラシでテクスチャーを描くと自分の周りの風景の中を飛ぶ時に動く感覚が作れるということでした。
ここから、渡り鳥が南へ向かう旅のデザインコンセプトにたどり着きました。この飛ぶ感覚は幅広いオーディエンス向けの普遍的な体験だと思いました。自然をベースとしたテーマは、ゲームプレイとナビゲーションについてゲームの意味を定義するなにかインクルーシブなものとしてしっくりきました。このようにしてHeaded Southが生まれたのです。
ゲームの中でプレーヤーは、さまざまな鳥の群れと飛んでトリックや新しいジェスチャーを学べます。プレイを通じて本当の満足感を得ることができます。際限なく画面をタップするよりも空中でバレルロールをやるジェスチャーを学ぶ方がもっと身体的につながっていると感じます。
自由に舞い上がるのと飛行の表現は新しいやり方で行います。画面のタッチとジェスチャーを明るい色の画面と組み合わせるのです。デザインとエンジニアリングが協力して、プロセスの各ステップで魅力的でインクルーシブなものを、作ります。
Headed Southを作りながら、ゲームデザインを探究し、新しい技術の可能性を学びました。技術にとらわれずにスマートフォンとの新しい関わり方へ人々を導きました。この新技術が可能にする、身体をつかった遊びとデジタルゲーミングが確かにあるのです。画面をタップする代わりに、ジェスチャーでデバイスとつながる体験を作ることができます。この分野を調べたおかげで、身体とデジタルの間に、直接的でスムーズな関係を築くことができました。