会社よりも家族が大事

育児休暇の重要性を苦労の末に学ぶ

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My name is Mills. I am Mills.

みなさん、こんにちは!ustwoのMayuです。日本語版ポストの第一弾は、弊社ファウンダーの片割れ、ミルズのストーリーです。なぜ最初の話題が育児休暇?(そしてこんなタイトル)と思われるかも知れませんが、彼の人柄と、家族への愛、またustwo社員たちへの愛が伝わってくる正直な言葉を綴った文章です。私たちの文化の源となっているミルズのメッセージをぜひお楽しみください。

リトルGとルイ・ピーター

起きてすぐに慌ててスタジオに駆け込まなくていい日がある。水曜日の朝はそのひとつだ。普段は、午前7時に家を出るので、6歳と8歳の子供が服を着るのをいやがったり、チェリオを食べたくない、なぜって今朝はチョコクリスピーを食べたいから(チョコクリスピーなんて買ったことさえないのに!)とか、頭がおかしくなるようなことから逃れることができる。玄関のドアをしめた瞬間に、自分で「パッション」モードと呼んでいるものに切り替える — 仕事に無関係なものをすべて遮断する。

でも水曜日は、リトルGと散歩をする(8歳であることを除けば彼女は僕にそっくりだ)。娘とばかげたことを話すのが大好きだ。最近街で流行っている言葉を娘に教えたいなと思うんだけど、僕が話すことは全部無視される。僕がしゃべった言葉は彼女の頭の中では、Barry Bongoになってるんだ。

リトルG(Gracie)

水曜日の20分は (これこそ本当にBarry Bongoだと言えるかもしれない)、週末を除けばリトル・Gと一緒に充実した時間を過ごすことができるまさに唯一の時間だ。

リスは僕のベストフレンドだ。20年も一緒にいるし、6月9日に結婚してから10年が過ぎた (自分へのメモ : このマイルストーンを達成するために努力すること)。この年月のあいだ、リスとの間には暗黙の了解があった。僕は自分のパッション(仕事)にいそしみ、彼女は自分のパッション(リトルGとルイ・ピーター)に集中する。当時は、ありったけの時間とスペースを、ほとんど100%仕事にそそぎこまないと、自分の目指したい方向へustwoを推進できないと思っていた。

アイ ❤️️ リス

でもここにねじれがある。しかも一つじゃない。8年前シンクスと僕は(今よりも)若くて、会社を立ち上げ、その灯をともしながら、自分の大好きなことに邁進していた。当時僕はビジネスに集中しており、ustwoの灯は点滅していた。自分の場所は仕事であって、かなりの部分、リスが家族の面倒を見てくれるのが当然だと思っていた。さらに、育児休暇の法定期間に関して政府が我々に言っていたことは、僕の古臭くて傲慢な考え方を確かに後押ししていた。設けられた標準が存在し、僕らは何の疑問も抱かずにそれに従っていたんだ。

僕の場合、グレイシーが生まれた時、1週間休みを取った。あとで2週目の休みをとるって約束したんだけど、結局取らなかった。そのときは、赤ん坊がねむってるって、なんて都合がいいんだろうって思ってたのを覚えている。夜は「studio of dreams*」でその日何が起きたかを読むのにうってつけの時間だった。

*ustwoのこと

その頃のことを振り返ると、申し訳なくてはずかしくなる。リトルGは帝王切開で生まれてきた。11月13日午前11時だ。そのときは、リスが出産による傷にどれほどの影響を受けたかについて考えもしなかった。リス、もしこれを読んでいたら、僕は君に本当に伝えたいことがある。僕が君を誇りに思うって言ったことは一度もないって君に言われたとき、死んでしまうほど心が傷んだ。

僕はわがままだったし、たぶん今もそうだ。文字通り何もかもを当たり前だと考えていた。1週間の休みの後、急いで仕事に戻った。オフィスにいない不便はおわり。さぁ、仕事だ。

もうひとりのベストフレンド、共同創業者のシンクスと楽しい週末を過ごした。

僕のこの態度によって、できたばかりの小さな家族と僕の関係は壊れてしまった。このときは、リスが母親という新しい役割をどう感じているかを本当に理解するための時間をとらなかったので、3人の絆を作るチャンスを逃してしまった。僕の心はいつもスタジオのことを考えていたし、僕のやることは仕事で、それで自分を誇りに思っていた。それから僕は男で、1週間休むのが普通で仕事に戻るべきだし、それが自分の役目だと思っていた。若くてうぶな考え方だった。特に会社の基盤を作るためには。

そんなわけでこの文章を書いている。僕は気が付いたんだ、育児休暇という問題に対して十分注意を払ってこなかった理由は、自分自身が育児休暇を延長しなかったという事実からきている。家族の絆を早い時期に作ることがどれだけ大事かを直接理解して、感謝するチャンスがなかった。それだけでなく、ustwoの同僚であり若い親でもある人々や私自身の家族など、周囲にいる人々の経験に耳を傾けたり、そうした経験を十分に受け入れなかったことも問題だった。

去年僕は5週間の休みを取り、リス、グレイシー、ルイと過ごした。その間僕はスマホを使わないって約束した。仕事を忘れて家族に向き合い、父親、夫としてスタートを切る頃合いだった。こうしたことは5週間では足りないと分かっているが、これが僕自身の最初のステップだ。でもその旅で僕はぶっ飛んだ。ほんとうに正しい父親になった気がした。子どもの面倒をきちんとみるという挑戦に面白さを見出し始め、また、家族であることの現実を理解し始めた。

そのときのことを思い出すためにリスのインスタグラムでアメリカ旅行のことをしょっちゅう見ているのがお気に入りだ。(リスは携帯を禁止されなかった。彼女はバランスよく携帯を使えるだけのしっかりとした大人なのだ)。

us four! ユタ、2016年
どうしてもこのちっちゃいのを入れずにいられなかった!(ヴェガスにて)

僕はこの地球になにか変化を生み出すために生まれてきたんだと思う(みんなそうだよね) — ustwoは大きな変化を作るための乗り物だ。

そして、昨日は僕の仕事人生で一番誇りに思える日だった。ustwoロンドンは、これから母親、父親になる人に、同じだけの育児休暇期間を与えると約束したのだ。給与全額支給の六ヶ月間だ。

この決定は、ひとりで生まれたわけじゃない。ustwo fampany全体の活動のおかげでこれが現実になった。だが、僕の個人的な考え方に実際に変化をもたらしたのは、家族との車での旅だった。ニューヨークスタジオではすでに「育児休暇の誓い」(Pledge Parental Leave)に取り組んでいるのはわかっていたし、マルメスタジオには、フォーカスを再設定したすばらしい基準がある。そしてもっと個人的なレベルでは、スタジオ中のママやパパがもっと子供と時間を過ごせるように、そして育児休暇からの復帰を助けようという緊急性がもちあがっていた。なので、ロンドンのリーダーシップチームが方針の変更を提案した時、それは考えるまでもないことだった。

現在、男性も女性も育児の最初の年は六ヶ月の休暇がとれて給与は全額支給される。ustwoで起きていることにかまけないで、自分のパートナーを助け、愛するという選択肢が与えられる。僕にはできなかったことだ。職場を離れ、小さな家族になるんだ。楽しい時間を過ごしなさい。すぐ時間は過ぎちゃうよ。ちゃんと絆を作るんだ。

育児休暇に対する今回の変更がとても重要で、そしておそらくはより大きな理由がもうひとつある。僕はこれに気づくのに時間がかかった。企業が男性と女性、平等に家族を面倒見る機会を与えずには、社会的変化は起こせない。根深い不平等な育児休暇ポリシー、時代遅れの性的役割が続いていくだろう。

企業が男性の育児休暇を促進して平等な親にならなければ、女性が望むキャリア、僕たち全員が望むバランスを支援できない。男女平等な育児休暇によって、僕らfampany自身の中にあるアンバランスに取り組む一歩をすすめたい。

この記事はマット・ミラー(ミルズ @millsustwo)によって書かれました。元の記事はこちらです。

翻訳にあたりサポートしてくれた、名もなきgengoの翻訳者さん、また私たちの素敵な友人Asaokaさんに感謝します。

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