AR壁画でリアルな空間に命を吹き込む
こちらはustwo Londonの英文記事を翻訳したものです。
拡張現実(AR)を使えば現実と同時進行するもう一つの現実を作ることができ、複数の世界をシームレスに行ったり来たりすることができます。デジタルとリアル空間の境界がなくなり、私たちがいる3次元空間はますます豊かになるでしょう。
AR技術の進歩やFacebookプラットフォーム、Spark ARのようなツールが使えるようになったおかげでARでリアル空間に命を吹き込むのは以前より簡単になりました。
ustwoのシドニースタジオのデザインチームは、拡張現実の「ウェルカム壁画」を作り、街ゆく人を楽しませ、スタジオへ興味を持ってもらうことで、ローカルな存在感を示そうとしました。Facebookアカウントを持つ人はだれでもアクセスできるSpark ARを使いました。
ARでデザインする
ARでデザインする前に、見る人の体験がうまくいくように考える点がいくつかあります。
イメージの複雑さ
デザインを作る前に、ARアプリがアートワークをスキャン、認識する方法を考えねばなりませんでした。デバイスのカメラが読めるように、グラフィックスは色のコントラストがあり、ある程度の複雑さを持ったものでなければなりませんでした。
空間への配慮
AR体験が起こる物理的空間を考えることも大切です。私たちのスタジオのドアは道路に面しているので、3D要素がどれくらい飛び出るかに注意が必要でした。人々がつまづいたり、方向がわからなくなることのないようにしたかったのです。
シンプルで直感的なユーザー体験
そこで私たちは簡単なオンボーディングUIをデザインしました。ARを試してみるよう促すデザインやメッセージを最小限に留めました。
スタジオのドアが近くにあることを示す簡単な説明と、QRコードがあるパネルを設置しました。
私たちのブランドと価値を表す壁画
私たちはこの「ウェルカム壁画」でustwoらしさを出そうとしました。ustwoのブランドは元気があり、エネルギッシュですが、本質的にはブランドは社員や文化を通じて伝わるものです。私たちの企業価値を抽象的に伝えるためシンプルな形を使いました。
人間であれ: 目は共感と本当の自分を大事にすることを表します。
一緒に学ぼう: 中心点を結ぶ三角形がコラボレーションの性質を表します。
ジャーニーを楽しもう: ながれていく山々はジャーニーを象徴します。
自由を駆使する: 鳥は限りないモビリティと自由を表します。
ハードルを上げる: 金メダルは常にベストを追い求めることを表します。
シドニー: 有名なシドニーのオペラハウスを表しています。
それぞれのバリューをじっくり見ると、それらをシームレスにつなげるのが難しいことがわかりました。私たちは、これらバリューを縦に相互につなげて、一つのインパクトのあるアートワークを作りました。
The Experience: アートワークに生命をふきこむ
次のフェーズは「ウェルカム壁画」に生命をふきこむことでした。フラットなビジュアルでは表現できない深み、テクスチャー、モーションを加えるために、このアートワークをBlenderに読みこみました。各エレメントを固めて、押し出し、z軸に置いて、どのエレメントがユーザーから一番近く見えるかを検証しました。
これで私たちのオブジェクトを簡単に動かすことができるようになりました。Blenderには素晴らしいアニメーション機能が入っているので、1つのプログラムの中でほとんどの3D作業をすることができます。
これまでのところAR体験はエンターテインメントで使われていますが、これは急速に変わりつつあります。ARの壁画やサインはそれを見る人たちを巻き込んだり、情報を知らせる多種多様な機会を開きました。Spark ARのような新しいツールでこれがとても簡単になったので自分ですぐに作りはじめることができます。
ローカルアーティストLotte Smithが描きました。