DXは短距離走じゃない、マラソンだ。

ustwo Tokyo team
Mar 26, 2021 · 6 min read

こちらはustwo Londonの英文記事を翻訳したものです。

2019年1月、英国の国民保険サービス(NHS)は長期計画を発表し、患者の情報やサービスへのアクセスのしやすさを改善する方法として、デジタルツールを使い、データマネジメントを改善することを挙げました。

明るい話題ですが、これまでNHSが近代化する取組みに苦戦してきたことをみんな知っています。例えばまだ連絡にFAXを多用しています。こういったところから変われるのか?変化したい気持ちがあり、労力と投資で後押しされたとしても、実際の変化へ進むとは限りません。

従来のサイロ化したモデルを作り替え、コラボレーション、透明性、学びを優先させることが必要だとustwoは信じています。真のトランスフォメーションを活性化させる環境を作る為に必要な時間と投資の量を過少にみている企業がまだたくさんあります。ですが、小さくても始められる事があります。

チームの重要性

Google Deepmind, Three, Samsung, Sky, Co-opなどさまざまな企業と仕事をして学んだのは、真のトランスフォメーションにはチームがそこに向かって進んで行ける明確な目的と環境が必要だということです。自分の同僚、顧客をこの変革の旅に巻き込まなければなりません。道中では彼らおよび自分に対して、うまく行ったこと、失敗したこと、その理由についてオープンで正直である必要があります。トランスフォメーションが成功した組織では常に人、チームを中心に考えてきました。この事を最初に提起してGDS (Government Digital Service, イギリス政府のデジタル推進組織)の言葉をを借りましょう。「デリバリーの構成ユニットは(サイロ化した部署ではなく)、チームである」

小さく始める

私たちは大抵、サービスの小さなアイディアが芽生えたところから始めます。最初からプロダクトチームを作りましょう。仕事の進め方についての考え方を合わせる事ができます。仕事を段階的に進め、常にユーザーからのフィードバックをもらうようにします。うまくいかない部分は躊躇せず捨ててしまいましょう。各チームメンバーには決断する自由を与えます。自身の能力をフルに生かせるようになります。迅速でアジャイルな働き方により、次第に、関わる人々のエンゲージメントは高まっていく様子、実際にユーザーが触る事のできるプロダクトが形作られていく様子が見えてくると思います。

このようなプロセスを辿るすべてのチームにとって、コーチというポジションの存在は重要です。コーチは、チームがプロセスを自分のものとし、運営し、前に進むよう促します。プロジェクト参加者全員が進みつつ学び、チームとして進化していけるよう導きます。コーチはクライアントチームが解決すべき問題にフォーカスするだけでなく、段階的なユーザー中心のプロセスがどのように機能するかを学び、自分たちでその実践に適応するのを助けます。小さな、部門を越境した、かつ自走できるチームに力を与えるのにコーチは不可欠です。

セクターを越えたコラボレーション

こういったアプローチがうまくいくことに気づいたのは私たちだけではありません。世界保健機関(WHO)が英国医師会雑誌に発表した最近の研究「いつもと違うやり方: セクター間のコラボレーションがトランスフォメーションチェンジを促す」では意味のあるインパクトを生み出す仕事をするための習慣をいくつか述べています。協業しポジティブな変革を起こしたい全てのチームにとって参考になる内容です。

英国医師会雑誌の複数のケーススタディは、地理的、経済的、社会的、文化的、歴史的において多様なバックグラウンドを持つ人たちを対象としたのにもかかわらず、セクター間のコラボレーションの始め方、維持の仕方、スケールアップの仕方について共通点がみられました。「定義する」「デザインする」「気づく」「自分ごとにする」「成功を認識する」といったキーワードが並んでいます。

この研究は、ゴールと戦略を常に見直し、調整し、段階的に学ぶことの重要性を指摘しています。ステークホルダー同士が会話を重ね、関係を築くこともコラボレーションがうまくいく秘訣です。オープンで透明性のあるコミュニケーションが不可欠なのは、それにより相互理解、信頼を育み、一つのゴールを共有する事ができるからです。

Harvard Business Reviewでは「注目を集めるデジタル・トランスフォメーションが失敗することが多いのは何故か」について触れられています。Lego、Nike、Procter&Gamble、Burberry、GEなど世界的に有名な大企業が何百万ドルも使ってデジタルプロダクトやインフラストラクチャーを開発しても、うまくいかなかったのはなぜか?例えメディアや投資家の注目を集めたとしても、トランスフォメーションがつまづくのは、チームが力を思うように発揮できなかったり、ステークホルダーがスピードを止めてしまった時なのです。

トランスフォメーションはあせらずに

「デジタルとはどこかで買ってきて組織にプラグインできるようなものではありません。」デジタルエコノミーについてMIT Initiativeで研究している著者二人はずばり言います。「デジタルは多面的で拡散するものであり、技術だけの問題ではありません。デジタルトランスフォメーションはビジネスの方向性が変わる継続的なプロセスです。スキル、プロジェクト、インフラストラクチャーには基本的な投資が不可欠であり、しばしばITシステムを整理することも必要です。更には、人、マシン、ビジネスプロセス、その他諸々引っ付いてくる事もうまく混ぜ合わせてあげる過程も避けられません。デジタルなリーダーも、デジタルでないリーダーも協力し、トランスフォメーションへの投資が良い結果を生み出せるよう、継続してモニターしつつ関わる必要があります。」

理性的なビジネスリーダーでさえも新しいテクノロジーに惑わされることがあります。あせって前進するのではなく、少しずつしっかりと段階的に進めば、高くつく失敗をせずに、大きなものを得られるでしょう。なによりその方が関わる人たちの気持ちも楽です。テクノロジーとプロセスにフォーカスしがちですが、本当のトランスフォメーションは文化的なものです。これを頭に置いておけば、時間がかかるということはそんなに変な話ではありません。長期的な成功とは、マラソンであり短距離走ではないのです。

✨ わたしたちはustwoです。人々の暮らしに明確な変化を起こすデジタルプロダクト、サービスのデザイン・開発をしています。

👏 また、クライアントご自身の組織・デジタル文化が発展するよう、ワークショップやコーチングなども行っています。 プロジェクトのご相談やご質問など、お気軽にお問い合わせください。— hello.tokyo@ustwo.com

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