意味論的転回 #7

Maho Hisatsugu
UXKYOTO STUDY
Published in
8 min readFeb 9, 2015

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P171-P204までをまとめました

技術と人間の間のインターフェースという関わりでの人工物の使用は、人工物の生の一部にすぎない。

ほとんどの人工物は使われる以前に言語の中に起こり、使われなくなった後まで言語の中に生き続ける。

  • 私たちは新しい人工物について専門家や信頼できる仲間から聞いたり、出版物、広告、消費者調査から知識を得たりする。
  • 使われなくなったものは博物館へ。歴史書や文学、エンターテイメントの中で生き続ける。

技術(Tecnology)は言葉(-logy)

この章では、言葉がどのように人工物の概念や応用や性質に関係しているのか。言葉がどのように技術を理解することに関係しているのかについて見ていく。

ブルース・アースチャーのいう傍観者とは?

  • 判断を下す人。
  • 助言を行い、使う人とユーザーについて他者に語る。

市場調査と消費者需要調査の進歩(1.3節)であったように、調査者と消費者の間には言葉によるコミュニケーションに全面的に依存している。言葉で表現できないものは質問できない。

  • 2.3節の意味の定義、3.2節の混乱
  • UCMとシナリオは、ユーザーを観察し構成される。
  • エラーや内発的動機づけも言葉無しではユーザーの理解に近づけない。

すべての人工物の運命は、言葉の中で決定される。

人工物の意味に関する言語的理論は、自己再帰的でなければならない。

これらは独り言の意味の理論ではなく、対話の意味の理論である。

4.1言語

言語を概念化する4つのアプローチ

  • 言語とは記号と象徴のシステムである。
  • 言語とは、個人の表現を媒介するものである。
  • 言語とは、解釈を媒介するものである。
  • 言語とは、話者の近くと活動を調整する過程(簡単に言うと言語かすること)である。

調整の過程として言語を考える立場のいつくかの顕著な特徴

  • 言語の使用は、注意を向ける
  • 言語の使用は、知覚を枠づける
  • 言語の使用は、事実を作り出す
  • 言語の使用は、関係的である:語られたすべてのことは他の誰かによって理解されるという期待の下で、誰かによって語られたことである。
  • 言語の使用は、身体化された現象である。

4.2 カテゴリー

名詞は、カテゴリーの理想的なタイプとなる。

ex : 「椅子」

エレノア・ロッシュは、カテゴリーの先駆的な研究で、カテゴリを3つにわけた。

  • 上位カテゴリ … 概念的階層性
  • 基本カテゴリ … 単純で短い名前がつけられているものが多い
  • 下位カテゴリ … ユーザーの種類、場所、向き不向きなど様々な属性が基本カテゴリに付加されている

要点は、カテゴリーに縛られるのではなく、カテゴリーを意味的に使用する所にある。

4.3 特徴

形容詞構文

ex:クールな文房具

重い … 重くないものが比較対象としてある → 数値化できる。

クール … 数値や基準が無い。色や形にも法則性は無い。

意思決定は合理的に行われるわけではない。

ex.「安っぽい」と言わず「高くない」。「90%で成功した」というのと、「10%で失敗した」というのとでは、ユーザの意思決定に大きな差がうまれる。

デザイナーは、自分のデザインのステークホルダーが何を見、何に触れ、何を感じ何を信じるようになり、何について語るかについて、第一に関心をもつべきである。

感性工学 —- HCDの基礎。日本人のNagamachiさんがつくった。感性を扱っているにも関わらず、感性工学は言語使用の恩恵を受けている。

意味微分尺度(SD法)

オズグッド < 文化を超えた一般化に興味がある!

自分たちの世界を表現するために使う形容詞構文の大半の基礎を作った。

意味的な

図4.3

http://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/rd/ikurin/70mj3.html

3つの因子 =情緒的意味

評価性/活動性 /力動性

自由連想

フォーカスグループインタビューを行い、新しいものにたいしてどういう風に

内容分析

製品特性を引き出す対照

4.4 アイデンティティー

アービンゴフマン < 日常生活における自己の掲示について分析したよ

  • 個人のアイデンティティー
  • 制度的アイデンティティー
  • 集団アイデンティティー
  • ブランドおよび企業アイデンティティー

Q:言語とアイデンティティーはどのように関係しているのか?

4.5 言語的メタファー

Q:知覚的メタファーってなんでしたっけ?

人間中心主義のデザイナーにとって、メタファーは重要である。人工物を理解可能なものにするからである。(新しくて複雑な人工物をつくるときに特に)

アリストテレス < メタファー、曖昧なので使うな!

人間中心主義でのメタファーの定義では、メタファーの概念的、近く的、そして究極的には行動的基礎を含まなければならない

ex: 私たちの間には化学反応がある。

  • 資源領域と対象領域が、構造的類似性を持っていると、メタファーは効果的に使える。
  • メタファーは含意をはこぶ。
  • メタファーによって、伝えられた人(そのユーザーの)知覚を組織化する。メタファーは、まさにその現実を作り出す。
  • メタファーは繰り返し使われることで死を迎える。

ex: 刷毛はポンプの一種だ

4.6 ナラティブ

この節では、話し言葉と書き言葉における言語より大きな単位、すなわちナラティブと物語について考える。

Q: ナラティブって?

  • ナラティブは、人間の創造物であり、デザインも然り。
  • ナラティブは本質的に協同的な構築物である
  • ナラティブは、理解されるという期待のもとに語られる。
  • ナラティブは、語り手と聞き手の世界に意味付けを行い、これにはその世界の中に現れる対象の意味付けが含まれる

コクラン < 人は物語の中に行きている。物語は、人生のメタファーである。

ex: 祖父伝来の家具

誰がつくったか、あるいはどうやって自分のものになったかという言葉抜きでも、椅子は座ることをアフォードするが、それ以外何の意味も無い。人々が、意味を付与して自分対tの周りに置いている人工物は、それが生じる物語のなかでまさにその役割を果たしている。

人間は物語を通して説明する。

人は物語を通して自らの世界を探求する。

人は物語として、自らの世界をデザインする。

技術的な人工物と同じように、どのような物語もより小さな部分へと分解できる。

ナラティブを5つの部分に分ける

  • 要約
  • 方向付け
  • ナラティブの連鎖構造
  • 評価
  • 終結部

ex: 取り扱い説明書

ナラティブのすべての要素がデザインの仕事に必要な訳ではないが、ナラティブとデザインの大きな類似性は明らかにされるべきであり、言語はこの過程において運転席に座っている。

デザイナーが考えるべき4つの概念

  • ナラティブの平滑化

インターフェースは常に、ユーザーが理解したい以上に、そしてナラティブが記述できる以上にはるかに詳細。間を埋めることで一貫した物語を作り出すことは、ナラティブの平滑化と呼ばれる。

どれだけの情報をだすか、どの情報を隠してユーザーの想像に委ねるべきなのか、デザイナーは知る必要がある。

  • ナラティブの連鎖構造

ズ3.16にあるように、インターフェースを概念化するためのシナリオは、ナラティブの連鎖構造のルールに従って構成される。

目は、近接性の中から連続性を作り出すが、観察者による現在の視野について知られているナラティブを含む概念化の活動に導かれて視野を連鎖する

  • ナラティブの埋め込み

ナラティブではまた、文の中に節が埋め込まれているように、他の物語のなかに物語が埋め込まれている。

どの埋め込まれたナラティブとも同じように、意味的層構造も、ひらかれた上位の層に戻って、そこで働くことができる必要がある。

  • ナラティブのスキーマあるいは意味的機能

ナラティブには相補的な役割がある。— 英雄と敵役、売り手と買い手

人工物のデザインの相補的役割— スイッチのオンオフ、ドアの開閉

一方について述べることが、他方の有用性を意味するのである。

一般的なナラティブのスキーマを破ることが、重大なユ−ザーのエラーを起こすことは明らかである。

人工物は、そのインターフェースがナラティブを語るように、デザインされなければならない

4.7 文化

考古学者や形質人類学者は、文化とは「その時代の人工物の集合と同じもの」であると考えている。

しかし、人間中心のデザイナーは、ユーザーやステークホルダー、人工物の働く制度(?)が欠けていることに気づく.

文化人類学者は、言語は文化を概念化する担い手と考える。

言語は、多くの人による共同達成であり、文化を構成し、文化の中で構成されるものである。

文化の中で生きることを理解するのは大きすぎて難しい。デザイナーは「話題の種」を生み出す所から始めよう。

ex:

デザインには、文化がそこにあり、文化がそこで伝達され、保持され挑戦される会話を変化させる可能性がある。

デザイナーたちは、自分たちのデザインを作り出すことを可能にし、自分たちの仕事を終えたあとも、最終的には文化に衝撃を与える様々な会話を認識するようになることが可能であるし、そうするべき。

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