個人ではなくチームで磨く、IQONのリブランディングと新ロゴについて

Mie Kwon
8 min readFeb 27, 2017

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2017年2月末、IQONのロゴやアイコンが新しく生まれ変わりました。
ただ単に見ためやイメージを変えたいという目的ではなく、新機能リリースとともにコンセプトから見直したリブランディングを行い、それを元にチームで磨き上げて完成させています。
これからもユーザーに愛されるサービスへと進化させていくために、私たちがどのような想いを込め、どんなプロセスを経てIQONのリブランディングを行ったのか、そして新しくなったロゴについてもご紹介いたします。

リブランディングの経緯

IQONはサービス開始から約5年の間、ロゴのリニューアルを1度行っています。
当時もサービスの方向性や規模に合わせての変更でしたが、時が経つにつれ、時代にフィットしつつ今のIQONの価値や思想が表現できているロゴとは言い難くなっていました。

IQONロゴの変遷

これからも愛されるサービスで居続けるには、サービスの方向性や価値を見直し、ブランド認知しやすいロゴを掲げることが不可欠なため、昨年の6月のキックオフを皮切りに社内デザインチーム主導でリブランディングプロジェクトがスタートしました。

チームでリブランディングを行うためのポイント3つ

1. スケジュールはマイルストーンで細かく設定する

リブランディングプロジェクトは約2ヶ月に渡って、アプリやwebの改善など他案件もこなしながら進めていかなければなりませんでした。

そのため私たちは、期限やゴールを決めるだけではなく、リブランディングの方向性や範囲、マイルストーンを細かく設定しチーム内で毎週確認し進めるようにしました。

IQONのリブランディングプロセス

そうすることで、産みの苦しみに途中で苛まれたとしても着々とゴールへ近づいている実感や希望を持つことができます。また、一人で悩み続けることなく、定期的にチームに共有して解決していけるので、健全な心でクリエイティブの質を担保していくこともできます。

細かいスケジューリングは、リブランディングをチームで行う上で、リスケさせることなくプロジェクト成功へと導くためにも重要なポイントとなりました。

2. 調査や制作は個人で、共有や決定事項のディスカッションはチームで行う

調査は個人で、決定事項はチームでまとめた例 ①

チームでプロジェクトを進めていくと言っても、実質作業するのは個人です。当然のことながら、最高の制作物として完成させるには質の高い個人作業なしでは成り立ちません。
そのためにも私たちは、アイディア共有や決定事項のディスカッションはチームで行い持ち帰った後、それぞれが制作に打ち込むことで個人作業の効率やクオリティを上げていきました。

調査は個人で、決定事項はチームでまとめた例 ②

調査やアイディア出しを全て個人でこなしてしまうと、全員が同じような内容の調査をして時間の無駄が生じたり、そもそもコンセプトがずれている制作物が上がって来ることもあり非効率的でクオリティも下がるでしょう。
他社事例などの情報収集は代表者が調査して共有すること、制作前にチーム全員が方向性を理解することなど、個人作業とチームでの作業を意識して振り分けることが大事です。

3. アイディアはチームで計470案。数があるからこそ質が上がる

ロゴ案の一部。MTG時壁に貼りレビューし合う

ロゴやシンボルを決める際、例えばコンペ形式で募ることがあります。
個人がコンセプトから考えて制作したロゴを期限内に持ち寄り、その中で一番良しとされるものを採用する方法は、参加者5人であれば10パターン案を出したとしても50案しか産まれません。
しかし私たちは、調査やアイディアの時点でチームで持ち寄りアイディアをふくらませていくことができたため、チームで約470案作成したものからブラッシュアップし、最終案までたどり着きました。

アイディア発散時のラフの一部

初めはこのようないびつな形からスタートしたロゴ案ですが、それぞれが持ち寄った案を咀嚼し合い新たなインスピレーションを得て、1人では考えつかなかったアイディアの種が生まれます。スタートから何度も人目に晒されて磨きあげたロゴは、個人が満を持して発表する10案よりもはるかに説得力のあるクオリティで仕上がります。

では、このようなプロセスや手法を用いてチームで磨き上げていった新しいロゴはどのようなものに仕上がったのか、以下にてご説明いたします。

リニューアルされたロゴについて

1. タグラインの刷新

ユーザーが投稿したコーデやアイテムからファッションのインスピレーションを得て「発見」ができるIQONは、ビッグデータや機械学習によるアイテム発見の最適化、好きなものを整理できる新機能「コレクション」のリリースでさらに進化し、もっと便利になりました。

それにより、今までのブランド資産や世界観を崩さずも、進化したIQONを表すワーディングとして、“わたしの「好き」がここにある”というタグラインに刷新しました。

2. シンボルマークの採用

IQONのロゴは今までロゴタイプのみでしたが、アプリアイコンでの使用やサービス認知のためにも初めてシンボルマークを採用しました。
このシンボルマークにより、様々なメディアや言葉の壁をも超えて、IQONを世界の女性たちに愛されるサービスとして広めていきたいと考えています。

  • シンボルマークの意味
    IQONの“I”、わたしの“I”、そして、運命の赤い糸のように「わたし」と「好きなもの」をつなぐ存在をモチーフにして表現しています。
    そして、笑った横顔のような愛嬌のある形は、多くの女性が好きなアイテムやコーディネートに囲まれて笑顔になって欲しいという願いも込めています。
    フォルムも、感覚だけでの作成ではなく、黄金比を取り入れた設計で斬新ながらも安定した形に仕上げました。
  • 色の意味
    IQONは女性に楽しんでもらうサービスとしてのスタンスは変わりません。鮮やかなピンクとレッドのグラデーションは、ファッションの多様性、女性の可愛らしさと強さを表現し、常にトレンドをキャッチアップする時代性も兼ね備えています。

3. アップデートされたロゴタイプ

これまでIQONは“i”のみが小文字。一昔前のインターネットを意識させるような表記であり、時代にフィットしづらくなっていました。
今回からすべて大文字にすることにより、シンプルですっきりと、誰もが読みやすいロゴタイプに生まれ変わり、普遍的でありながらも、飽きのこないフォルムに仕上げました。
大文字だとかたい印象になりがちですが、少しの角丸を用いることで、スタイリッシュな中に柔らかさも感じられるようにし、いつまでも女性たちに愛される存在でありたいとの願いも込められています。

ロゴ展開例

新ロゴは、IQONの新しい顔としてこのような形で皆さんにお届けしていきます。

さいごに

以上、IQONのリブランディング手法と新ロゴについてご紹介させていただきました。
今回のリブランディングによって私自身、個人よりもチームで望む方がメリットも多く、クオリティも高く仕上がり、そしてプロジェクトとしても成功しやすいということを身をもって実感できました。
デザイナーが1人しかいないと言う状況ももちろんありますが、その場合は意思決定者や別部署のメンバーでも構いません、多くの人の協力を得て作品を磨きあげることが質の高いクリエイティブへの近道になることでしょう。

IQONの新しく生まれ変わったロゴやシンボルたちが、ユーザーやみなさまに愛され親しまれますよう願いながら、これからもより良いサービスを作っていきたいと思います。

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