サービスデザインで取り入れたい、デザイン思考ツール

Sakamoto Kyon
4 min readJul 28, 2016

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ペルソナやカスタマージャーニーマップ、アジャイル開発などなど。

UXやUI開発に携わる人なら知っている、有名なデザイン思考ツールはいろいろあります。

今回は、こういった良く使われているデザイン思考ツールにプラスして取り入れたい、サービスの課題をより深くより広く分析できるようなデザイン思考ツールをご紹介したいと思います。

なぜなぜ分析

ユーザーに連続的に質問を重ねることで、UXの表面に現れた現象の背後にある理由を掘り下げていき、ユーザーが抱える問題の本質を分析する手法です。

例えば、飲食店を想定した次のやり取りを見てみましょう。

参考:Marc Stickdorn, Jakob Schneider『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.』(ビー・エヌ・エヌ新社)p.167

ランチタイムの接客効率化という問題の裏に、別の問題があったということが良く分かります。同じくサービス改善の場合でも、ユーザーが訴える課題の裏に実は別の問題が隠れているということは、往々にしてあるのではないでしょうか。

実際にユーザーへインタビューする以外にも、UIをデザインするとき「なぜこうしたほうが良いのか」と自分自身に問いかけると、実は効果的です。

自身のデザインに「なぜなぜ」と問いかけることで、漠然と「良いな・悪いな」と考えていたことがよりシャープになり、デザインの解像度がぐんと上がると思います。

What if 分析

What if分析は、「世の中の大きな状況変化へどう対応するか」に着目し、より将来的なサービス改善・開発について考える手法です。

例えば、「もし人工知能が発達したら、ECサービスはどうなると思いますか?」という問い(What if)を設定したとします。

その問いに対し、「人工知能が発達すると、機械が自分の代わりに欲しいものを探してくれるかもしれない」というひとつの考えが導き出されるかもしれません。

チャット形式のUI例(出典:http://blog.sendbird.com/chatbots-and-conversational-ui-are-the-future-5-mobile-services-that-are-ahead-of-the-curve/

機械が代わりに探してくれるということは、今のECのようにカテゴリや色、値段をユーザーが設定して絞り込むような検索UIは不要になるな。チャット形式で要望を言ったら、探していたものを教えてくれるようなUIが便利かもしれない。

と、これからサービスが向かうべき大きな方向性を検討することができます。これから現実として起こりうる課題にどう対応するか考えることも、サービス開発においてはとても重要な視点です。

A Day In The Life(ある1日)

サービスを利用するユーザー層に「とある1日の行動」を書き出してもらい、そこからサービス改善をどう行うか全体的な視点で分析する手法です。

カスタマージャーニーマップは、ユーザーとサービスのタッチポイントを基点にひとつのストーリーをつくりUXを検証する方法ですが、それと比較すると、「A Day In The Life」はもっと広範な分析視点を持っているのが特徴です。

サービスとのタッチポイントにだけ注目すると、そこに至るユーザー行動の背景が見落とされてしまう場合があります。ユーザーの典型的な1日が俯瞰できれば、彼らの行動の動機や複合的な要因についても知ることができるので、より広い視点でサービスの改善方法について議論することができるようになります。

以上、サービスデザインで取り入れたいデザイン思考ツールのご紹介でした。

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Sakamoto Kyon

直近はリモートでベンチャーのデザインパートナーをやってます。得意ジャンルは女性向け💃 ファッション👗 社会課題を解決するサービスにも取り組み中です。ざっくりポートフォリオ → https://bit.ly/3UAgBuZ