「APIエコノミーセミナー」に参加してきました!

Ayako
VELTRA Engineering
Published in
6 min readMay 9, 2018

先日、JATA(日本旅行業協会) が主催する「 拡大加速するAPIエコノミーを理解する最新セミナー」というものに参加してきました。

内容としては、世の中にはAPIを使ってこんなサービスが作られているのですよ、という事例紹介がメインでした。実際にどのようなデータを公開・接続してサービスが作り出されているのか?というところまで知りたい人にはちょっと物足りない気はしましたが、世に出ているサービスを知り、自分達はどんなサービスが作れるのかというイメージを得るヒントになったのではないかなと思います。

APIがあると何が良いの?

セミナーでの説明を要約すると「連携することで今までにない新しいUser Experienceを生み出せる」ということでしょうか。

事例として複数の口座アカウントが管理できる「マネーフォワード」などが紹介されました。これまでは各銀行やクレジットカード会社毎にアプリやWEBサービスにログインし個別に情報管理していたのが、1つのアプリでまとめて管理できるというもの。これは実際に使ってる人も多いと思います。

ユーザーとしてはいちいち個別の銀行口座アカウントにログインしなくて済むという利便性に加え、複合的に管理できるという今までにない体験を手に入れることができました。数年前(十数年前?)はせっせとレシートから家計簿を付けていたことを考えると、クレジットカード履歴から収支を出してくれ利用傾向の分析、改善課題などまで出してくれるのですからユーザーの時間効率と体験を変える画期的なサービスです。

さらにPFM(Personal Financial Management)の進化系として、PFMドリブン・マーケティングツールが誕生しているようです。

貯蓄の目的と目標額を設定し進捗確認ができる、という銀行の預金管理サービスにグルメサイト、旅行会社がコネクトしユーザーの趣味嗜好に合わせた提案をしていきます。

  1. 貯金の目的を設定する
    「ハワイ旅行に行くために30万貯金!毎月2万円 x 15ヶ月貯金する」
  2. 進捗状況に応じた案内やキャンペーンが届く
    「ベル子さん、貯金頑張ってますね!順調です!予定額を上回ってますので今月はご褒美ディナーはいかがでしょうか?」(→グルメサイトからクーポンオファーが届く)
  3. 目的に応じた案内やキャンペーンが届く
    「ベル子さん、目標金額まであと少しです!設定額まであと2万円足りませんが、今ならベル子さんへキャンペーンで2万円割引します!是非この機会に申込みください」(→旅行会社からディスカウントキャンペーンオファーが届く)

…と言った具合の、個々にカスタマイズしたサービスが届けられるという新しい体験が生まれてくるそうです。案内されるサービスやクーポンもユーザーの嗜好に合わせたもののため、より精度の高いオファーができ結果的に成約率も高くなるのだとか。

複数企業のサービスを連結したアプリが誕生することでユーザーに対し新しいサービス、顧客体験が生まれ、企業としてはAPIを公開することで間接的に送客が増えるというのがメリットになります。

実際にあるAPIを使ったサービス例

上記の他に幾つかの事例が紹介されましたが、個人的に面白いと思ったもの、特に旅行に関連したサービスがあったのでご紹介します。

Qkly(Queue+Quickly)

ヨーロッパで生まれたサービスで、長い行列を回避するためのアプリ。 クレジットカードの取引データから分析して混雑状況を予測することで、混雑時間帯を避けて利用する旅行計画を促すサービスです。

少額でもクレジットカード決済が主流のヨーロッパならではですが、混雑状況の予測元データが「どこでカード決済が増えているか」をキーにしたのが面白いですね!

minikura tebura TRAVEL

個人の荷物を段ボール単位で預けておくことができる寺田倉庫社の ”Minikura” というレンタル倉庫サービスを利用したものになりますが、旅行に行く際に預けていた荷物の中からアイテムを選択すると、レンタルスーツケースに詰めて旅先に送ってくれるというサービス。そして返却時はそのまま倉庫に送り返すだけでクリーニングをして再度倉庫に保管してくれます。まさに手ぶらで旅行に出られる!という旅前体験を変えるサービスです。

SitOrSquat

米国発祥の公衆トイレ検索アプリで、ユーザーが公衆トイレやパブなどで利用したトイレを評価し投稿・共有するというもの。

日本では駅やデパートのトイレも利用が自由でしかも綺麗なのでなかなか気付かないですが、海外旅行するときには確かに欲しい情報。なるほど!と思えるユニークなサービスです。

さらにはP&Gがこのアプリに目をつけ、スポンサーとなりYellow flag(汚いよ評価)が付いたお店に自社製品を販売することで顧客拡大に繋げたのだとか。

まさにAPIがあることでサービスの実現・進化速度が早まり、痒いところに手が届くサービスがどんどん生まれているのだなということを改めて実感する良い機会となりました。

VELTRAでも現在アプリ開発に力を入れており、GPSを利用した近くのアクティビティ検索や現地の天気情報、通貨換算などが搭載されています。当アプリは参加サポートを主な目的としているので、スケジュール管理はもちろん、ホテルや現在地から目的地までの行き方検索、現地タクシーやUberなどの連携によるストレスレスな移動手段の提供など...旅ナカ体験をさらに便利で豊かにするために出来ることはまだまだたくさんありますし、そのようなサービスをもっと充実させていきたいなと思います。

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