AWS Summit Tokyo 2017 - CTO Night

Takuo
VELTRA Engineering
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4 min readJun 5, 2017

AWS Summit Tokyo 2017のDeveloper向けのConferenceであるAWS Dev Day Tokyo 2017に参加してきました。私が参加したのは6/1 Thu。ひとつひとつのセッションのレポートは、別のブログなどでも多く報告されているので、ここではこの日最後のセッションについて、私の所感を交えて書きたいと思います。

セッション名は"Startup CTO Night with Amazon CTO"。AWSのサービスやその導入事例を紹介する他のセッションとは違い、このセッションではStartup企業3社のCTO(またはそれに準ずる方)とAmazon.comのCTOであるWerner Vogels氏とがディスカッションを行います。

各社のプレゼンテーションについてさらりと

  1. 株式会社チカク:桑田 健太氏
    お孫さんの写真や動画を、遠く離れたじいちゃん、ばあちゃんに届ける「まごチャンネル」というサービスを提供している会社です。システムの大部分にAWSのサービスを活用しているものの、動画変換についてのみ、サービスの特殊性から自前で実装しているとのことでした。
  2. 株式会社アクセルスペース:宮下 直己氏
    一日一回、小型衛星を用いて地球全土の写真を撮り、その画像データや解析データを提供する「AxelGlobe」というサービスを提供予定の会社です。サービスが稼働すると、年間で7petabyteのデータが生成されるため、そのデータストレージとしてAWSをうまく使いたいとのこと。
  3. Repro株式会社 :橋立 友宏氏
    顧客のWebサイトから各種データを吸い上げ、ユーザ行動を分析し、マーケティングのコンサルティングを行っている会社です。サービスの一つとしてユーザ向けに大量のPush通知を送信することがあり、Spot FleetやECS Cluster、Lambdaを組合せて、タイムラグを抑えているとのことです。

Werner Vogels氏の視点

AmazonのCTOとして「技術的な」レビューを行う、のだと思っていました。もちろん技術的な観点がなかったわけではないのですが、Werner Vogels氏の関心は主に、「他社との競争優位性はなにか」「どうやってお金を稼ぐのか」といった、ビジネスモデルに関する内容にありました。

特に繰り返し話があったのは、サービス提供の対価を受け取る方法が、サブスクリプション形式なのか、従量課金形式なのかということ。インフラに対して利用料に応じてコストが発生する一方で、サブスクリプション形式で利益を得る方法はリスクが存在する、とのこと。

そういえば、AWSだけでなく、GoogleのGCPもMicrosoftのAzureも、いずれも従量課金形式ですね。クラウドを用いてサービスを提供している以上、サブスクリプションで受け取っている金額を超えてサービスを利用されてしまうと、それはもうビジネスモデルとして成り立たないことになります。もしサブスクリプション形式を採用していても、利用限度枠を設けるといった工夫が必要とのことでした。

確かに、趣味でやってるわけじゃないのだから、まず最初にビジネスモデルを意識することは重要ですよね。特にサービス提供のためにシステムを利用している会社であればこそ、CTOがその専門性をもって、積極的にビジネスモデルに介入すべし、というのは納得できます。個人的にはこれまであまり意識できていなかったところなので、今回拝聴できたのはとても有意義でした。

とても有意義だったからこそ、それぞれプレゼンテーションが5分、ディスカッションが5分というのは、ちょっと短かったです。技術的な観点でも、もっと深く踏み込んだ話を聞きたかったなぁ。。

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Takuo
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