Google I/O Special Edition 参加報告

Goro Yanagi
VELTRA Engineering
Published in
8 min readJun 14, 2017

5/29 に六本木ヒルズ森タワーで開催された Google I/O Special Edition に参加してきました。

先だってサンフランシスコで行われたGoogle I/O 2017の紹介から、実際に現地で登壇された方による発表まで、要所が凝縮されていました。

なんと会場に入ったときにアルコール飲料の提供も!

技術とお酒という私の大好物がそろって、幸せな時間を過ごしました。

技術的な話はWeb、Android/VR、Firebase、Machine Learningの4つ。

手元の走り書きを元に内容をまとめたいと思います。

・Opening

主にサンフランシスコで行われたGoogle I/Oの報告でした。印象に残った話をいくつかピックアップします。

・オフィスアワー

エンジニアが常時待機し、来訪者の技術的な質問に答えるというもの。Elastic社のイベントでも同様のスペースがあったようです。流行りですかね。どの様な質問が来るか分からないので、待機しているエンジニアは緊張しますね。

時間帯によってテーマが絞られていたようです。

・Machine Learning/AI

OpeningでもMachine Learning/AIに触れる事が多かったです。Machine Learning/AIそのものを提供するより、Googleのすべてのサービスのインフラとしての重要度が上がっているようです。

事例としては、「金網越しにとった写真の、金網部分を消去する」という機能や、「カメラをかざしただけで被写体の情報を表示する」といった機能が紹介されました。

今までGoogleの主戦場はエンドユーザーの目に触れやすい部分ですが、今後はエンドユーザーの目には直接触れない部分になっていくとの見通しが紹介されていました。

・25%

グローバルな企業では何処も同じですが、Googleも「ダイバーシティー(多様性)」も重要視しています。

Google I/Oは技術的な要素の強いイベントですので、どうしても男性の参加者が多くなります。そのような中、今年の来訪者中、女性の割合は25%だったそうです。去年よりも増えました。

セッションでも「Women Techmakers」という物が用意されましたGoogleで、一線で活躍する女性のみのトークです。

当社は全体では女性の方が多い職場です。ですが開発チームに絞ると20%に届きません。

・Web

Googleは Gmail(2004年)、Google Maps(2005年)、Google Calendar(2006年)をリリースしました。当時のWeb2.0の流行とも重なり、着実にユーザー数を増やしていきました。

それからGoogleは、Web Applicationだけでは自分たちのやりたいことはできないと、自らブラウザの開発に着手、Chrome(2008年)を世に出しました。

自社ブラウザの利用者が増えることにより、業界標準の策定についても発言力が増していきました。今では積極的にプロトコルの策定にも参加しています。

今回のセッションでは以下の3つが主なトピックでした。すべてがモバイルサイトと関連があります。

・Accelerated Mobile Pages(AMP)

モバイルを使ってGoogleで検索したときに、検索結果ページからの遷移を高速にするための技術です。

Webページの作成に使える技術は限定的になりますが、通常の2倍以上の速度で表示されると言われいます。

今年の Google I/O で、AMPに対応したページが20億ページなったことが発表されました。

・Progressive Web Apps

Googleが提唱するモバイルサイト構築の基準です。モバイルサイトでアプリと同等な機能が実現できます。

前出のAMPと組み合わせて使うと効果的とのことです。

・Payment Request API

モバイルをつかってショッピングサイトで行う決済フローを構築するためのAPIです。

ショッピングサイトの開発者はこのAPIを利用することにより、決済フローを簡単に実現できます。

PCユーザーよりもモバイルユーザーが増えたが、ショッピングサイトの CVRを比較すると、モバイルサイトはPCサイトの1/3だそうです。

Payment Request APIはこのような状況を打破するために開発されました。

まだモバイル版Chromeでしか使えないようですが、デスクトップ版Chromeもサポート予定です。

・Android/VR

この時間、ウェルカムドリンクが効いて、若干寝落ちしていたようです。メモがあまり残ってい無かったので、内容が薄いです。

・Android O

次期OSのリリースが間近みたいですね。「不具合報告は~~までにお願いします」と協力を仰いでいました。

・Android Instant Apps

Androidアプリをインストールしないで実行できる仕組みです。

・Daydream

Googleが提供する、スマフォVRプラットフォーム。最近サポートするスマフォが増えたようです。デモも体験させてもらいました。

・Firebase

FirebaseはmBaaSの一つです。2014年に買収され、Googleのサービスの一部になりました。

Firebase + Fabirc

FablicはTwitterが開発したモバイルプラットフォームです。今年Googleに買収されました。

今後Firebaseのチームと連携して開発を進めていくそうです。

・Machine Learning

・Tensorflow

機械学習ライブラリです。個人のPCでも、Cloud上の分散環境でも利用できるスケーラビリティが特徴です。

2015年にオープンソース化されました。

紹介された事例はキュウリの形を認識し等級を自動判別する、という物でした。精度はまだ農家のお母さんに及ばなかったようです。

Tensorflowとは無関係なのですが、判別するための機械にキュウリを載せるのは人間だったそうです。なんともほんわかした事例でした。

・Tensor Processing Unit

TensorFlow用に開発されたCPUで、通常のCPUやGPUの10倍の性能が出るそうです。

Google Cloud Platformで利用可能になるようです。現在はAlpha版としてサイトに紹介されています。

・AutoDraw

ユーザーが書いた落書きをリアルタイムに認識し、プロのイラストレータが書いてくれている画像に置き換えてくれます。

完全なドローイングツールでは無いのかもしれませんが、自分好みの簡単なイラストを作りたいときには便利ですね。

・Smart Replay

Gmailのクライアント「Inbox」に標準装備されている機能です。

受信した内容を認識し、返信する文面を自動的に3つ作成してくれます。ユーザーは候補を選択するだけで返信できます。

モバイルでの入力のしにくさを解消する手段として期待できます。

試してみたのですが、今のところ日本語のメールには対応できていないようですね。

・Optimizing Tensorflow for Android(Tensorflow Lite)

TensorflowをAndroid上で動作させるようにしましたものです。

サンフランシスコでのデモの映像が紹介されました。

壇上で Google Japan のエンジニアがAndroidを片手に、ラジオ体操をします。手の動きをAndroidで動いているTensorflowがリアルタイムに解析し、良いラジオ体操かどうか判定する、という物でした。

Android上で動作させるためにかなりのチューニングをしていること、現在のところ他環境よりも若干精度が落ちる事などにも言及されていました。

最近技術的なトピックに対すアンテナが低くなっていました。聞き覚えの無い言葉が結構有り、後でググってなんとか内容を理解しました。反省ですね。

参考

Payment Request API で簡単・高速な決済を実現する

Android O Developer Preview

Google の Tensor Processing Unit (TPU) で機械学習が 30 倍速くなるメカニズム

InboxのSmart Replyはユーザーに代わって着信Gmailに返信する―Googleの機械学習は進歩中

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