Googleオプティマイズで多数のページをリダイレクトテストする
「リダイレクトテスト」機能では不可能。どうする?
2020年5月に「高度なリダイレクト」機能が追加され、多数のページのA/Bテストがリダイレクトテスト機能でできるようになりました。本記事のタイトルおよび本文は、2020年3月時点の情報であり、古くなっています。ご注意ください。
ベルトラのイワモトです。「人生は選択の連続である」と誰かが言ったそうですが、確かに、A定食にすべきかB定食にすべきかなど、難しい選択を迫られる場面はよくあります。
さて、Googleオプティマイズは、ウェブサイトのA/Bテストが簡単にできる便利なツールです。「リダイレクトテスト」機能を使うと、新デザインページへのリダイレクトによるA/Bテストが実現できます。
しかし、2020年3月現在のリダイレクトテスト機能では、リダイレクト先が静的URLでしか指定できず、1ページしかテストできません。たとえば「商品0001の新ページ」はテストできますが「商品0001~商品9999の新ページ」はテストできないのです(※)。
※リダイレクトを /products/0001 → /products2/0001 のようには指定できるのですが、/products/{product_id} → /products2/{product_id} のようには指定できないためです。
それでも、Googleオプティマイズで多数のページをリダイレクトテストする方法があります。以下、詳しくご紹介します。
1. エクスペリエンスの作成
まず、エクスペリエンスを作成します。Googleオプティマイズでは、各種テストやパーソナライゼーションを総称して「エクスペリエンス」と呼んでいます。
作成する際は、下記の2点に気をつけます。
- 「エディタページ」には新デザインページのURLを指定します。ビジュアルエディタの操作対象として使われるだけなので、どの商品でも構いません。現行デザインのURLにすると、ビジュアルエディタ上でリダイレクトが効いてしまい、操作しづらくなります。
- 「テストのタイプ」は「A/Bテスト」を選択します。「リダイレクトテスト」を選択しないのがポイントです。
2. パターンの追加
次に、パターンを追加します。現行デザインは「オリジナル」パターンとしてデフォルトで登録されているので、新デザイン用のパターンだけを追加すればOKです。実際には、パターン名を決めるだけです。
3. パターンの編集
続いて、手順2で追加したパターンを編集します。ここでビジュアルエディタが使われます。
3–1. 要素の選択
ビジュアルエディタが開いたら、head要素を選択します。
3–2. 要素の編集
「要素を編集」ボタンを押し、「JavaScriptを実行」を選択します。
コード入力欄が開いたら、リダイレクト用のコードを入力します。
適切なコードの内容はサイトやページによって異なります。ここでは下記のようにします。
if (location.href.includes('/a/')) {
// Hide body
var css = 'body {display:none}';
var style = document.createElement('style');
style.appendChild(document.createTextNode(css));
element.appendChild(style); // Redirect
location.href = location.href.replace('/a/', '/a2/');
}
- URLに「/a/」が含まれる場合だけリダイレクトする
- 現行デザインがちらっと表示されるのを避けるため、bodyを非表示にする
- リダイレクト先は、現行デザインページの「/a/」を「/a2/」に変えたもの
プルダウンは「開始タグの後」を選択するのがよいと思います。「終了タグの後」より若干早く処理されるためです。
3–3. 編集内容の保存
「適用」ボタン、「保存」ボタン、「完了」ボタンを順に押し、編集内容を保存します。これでビジュアルエディタが終了します。
4. ターゲティングURLの編集
次に、ターゲティングURLを編集します。現段階では、手順1で選んだ新デザインページが仮設定されています。
これを、正しいターゲットである「リダイレクトテストを実施したい現行ページすべて」に変更しなければなりません。
変更するには、鉛筆アイコンを押して編集画面を開き、下記のように編集します。
- 「URL」「次の正規表現に一致」を選ぶ
- 現行ページにマッチする正規表現を入力する
編集したら「ルールの確認」欄で、現行ページのURLが正しくマッチするかどうか確認します。問題なければ保存しましょう。
保存すると「 エディタページが URL ターゲティング ルールと一致しません。」と警告されます。が、気にしなくて大丈夫です。
5. その他の設定
あとは必要に応じて、新デザインの表示確率、ターゲティングユーザー、テスト目標などの項目を設定します。このあたりはGoogleオプティマイズの通常の使い方なので省略します。
6. テストの開始
設定が完了したら「開始」ボタンを押します。いよいよテスト開始です。
現行ページのURLにアクセスすると、手順5で指定した確率で、新デザインページにリダイレクトされます。されなかった場合は、Cookieを削除し、再度アクセスしてみてください。
Cookieを削除するのが面倒なら、ブラウザのシークレットウィンドウでアクセスするのが簡単です。ウィンドウを閉じるとCookieが自動的に削除されます。
おわりに
今回は、Googleオプティマイズの「A/Bテスト」機能を使って多数のページをリダイレクトテストする方法をご紹介しました。将来的に「リダイレクトテスト」機能で可能になることを期待しますが、それまでは今回の方法で実施するのがよいと思います。
なお、この方法は下記ページの内容と原理的には同じです。下記ページでは、ビジュアルエディタに指定するJavaScriptコードが「フラグ変数を設定するだけ」になっています。フラグが立っていたらページ側のスクリプトでリダイレクトする寸法です。この辺は好みの問題でしょう。
Happy A/B testing!