いまさら聞けない、分散型メディアとは

「分散型メディアって最近よく聞くけど、どういうメディアなのかいまいちよくわからない」という方向けに、「分散型メディア」について、図を用いてわかりやすくまとめました。


分散型メディアとは

従来のWebメディアは、自社のWebサイトを持ち、そこにすべてのコンテンツを集約させます。

なので、ユーザーがコンテンツにたどり着くためには、Googleで検索するか、ソーシャルメディアで流れてきた記事のリンクからサイトへ飛ぶ必要がある。

対して分散型メディアは、自社サイトではなく、他のプラットフォーム(主にソーシャルメディア)に直接コンテンツを配信します。

ゆえに、ユーザーはリンク先のWebサイトに飛ぶ必要なく、各ソーシャルメディア上でそのまま記事や動画を見ることができます。


なぜメディアは分散していくのか

この「分散型メディア」というのはまだまだ実験的なものですが、今後間違いなく主流になってくる考え方です。

ではなぜ、このような考え方・構想が生まれたのか。

次の図は分散型メディアが生まれるまでの流れをおおまかにまとめたものです。


初めはソーシャルメディアなどない時代で、Webメディアの成功法則は検索エンジンに最適化させることでした。

続いて、Facebook・Twitterなどのソーシャルメディアが登場したことで、検索エンジンが至高の集客手段ではなくなります。

「バイラルメディア」と呼ばれる、ソーシャルでバズらせることを目的としたメディアが流行り、他のメディアでもソーシャルからの流入を増やすことは重要なKPIとなりました。

ただこの時点では、ソーシャルメディアはまだGoogleに次ぐ集客手段の1つでしかありません。

現在は、このバイラルメディア時代が終わりに差し掛かっているところですね。

すでにそうなってきていますが、今後はますますソーシャルメディアが力を増し、メディアとして独立した存在になっていきます。

ソーシャルメディア上に拡散させたコンテンツからサイトへと遷移する数字よりも、ソーシャルメディア内で閲覧され完結する数字のほうがはるかに大きいと言われていて、BuzzFeedのCEOであるJonah Peretti氏は「ソーシャルメディアには、情報へのリンクではなくコンテンツそのものを流すべきなのです」と明言しています。

つまり、ソーシャルメディアという巨大なプラットフォームがあるのに、自社サイトにわざわざ来てくれるユーザーはもういないということ。

そこで登場したのが、「分散型メディア」という考え方。


どうやってマネタイズするのか

自社サイトに広告を貼り、そこに人を集めるというのがWebメディアのビジネスの基本でしたが、Webサイトを持たず、各ソーシャルメディアに直接コンテンツを配信するのであれば、どうやってマネタイズするのでしょうか。

現時点で考えられる最も有力な方法はネイティブアドを配信することです。

ネイティブアドについての説明はここでは省略しますが、この方法で上手く収益化することができれば、記事を配信することだけで利益を生み出せるので、いくつかのメリットがあります。

例えば、Webサイトに集客し、PVを稼ぐ必要もないので、無駄なページ遷移はなくなり、悪質な釣りタイトルもなくなります。

PV稼ぎのために生まれた、ユーザーを無視した仕組みはほとんどなくなるでしょう。

またWebサイトを運営する費用もなくなります。

デメリットとして考えられるのは、プラットフォームに完全に依存してしまうこと。

以下は、簡単にまとめた、従来のメディアとの比較図です。


分散型メディアの現状と今後

分散型メディアはまだまだ実験段階で、CEOが「リンクのシェアは時代遅れ」と公言するBuzzFeedでさえ、まだ自社サイトを運営しています。

そんな中、数十秒から1分程度の短い動画を発信する新興メディア「NowThis」は、2015年2月に自社サイトの運用を止め、すべてのコンテンツを直接ソーシャルメディアに供給しています。

大手メディアではなかなかNowThisのようなことはできないでしょうが、自社のWebサイトよりも、FacebookやSnapchatのほうがはるかに多くの読者にリーチできるという現実は変わりません。

その上、ソーシャルメディア側もその状況に合わせて、FacebookのInstantArticlesや、SnapChatのDiscoverのような仕組みを整えています。

InstantArticlesやDiscoverは、ソーシャルメディア上にリンクを貼るのではなく、各メディアが直接ソーシャルメディアにコンテンツを配信できる仕組み。

これらを一度経験すれば、その場でコンテンツを見れるサクサク感から、わざわざリンク先に遷移するのは非常に億劫になるでしょう。

特に、SnapchatのDiscoverは、縦型動画のようなスマホファーストなコンテンツが多く、スマホならではの没入感がある。

大手メディアも自社サイトの運用を止めはしなくとも、今後、各ソーシャルメディアに最適なコンテンツの制作に注力していくことは間違いない。

また、ソーシャルメディアだけでなく、「Messenger」「WhatsApp」「LINE」「WeChat」などのメッセージアプリもメディアの主戦場となっていくはずです。(Snapchatもメッセージアプリ)

このように、これからのWebメディアは、徐々に中心を失い、分散化していくことが予想されます。



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