急成長を遂げるRIZAPグループの業績を分析

Hironobu Takahashi
Feb 24, 2017 · 6 min read

By Hironobu Takahashi@1992takahashi


パーソナルトレーニングジム「RIZAP」を運営するRIZAPグループ株式会社の業績を分析した。

なおRIZAPは、以前は健康コーポレーション株式会社の子会社であったが、健康コーポレーション株式会社は2016年7月にRIZAPグループ株式会社に社名変更している。

知名度の高い「RIZAP」をグループ名につけることで、ブランド力を高める狙いだろう。


売上高・営業利益率

まずは過去5年間の売上高と営業利益率。

この5年間で、売上は急激に伸びていることがわかる。

2012年に134億円だった売上は、2016年には554億円と、5年で400億円以上増えている。

それに対して営業利益率は、2016年こそ9.1%だが、2013・2014・2015年は5%前後と、平均的な数値となっている。

しかしRIZAPは、そのビジネスモデルを考えると、もう少し利益率は高くてもおかしくない。

RIZAPのビジネスモデルは、完全予約制で一人ひとりの顧客に専属のトレーナーがつくというもの。

そのため従来のトレーニングジムに比べて遥かに単価が高く、また予約制のため客の人数をコントロールできる。

ゆえに無駄に広い店舗スペースや、たくさんのマシン、大勢の従業員が必要ないため、大幅なコスト削減になるはずだが、その割には営業利益が伸びていない。

これはおそらく、広告宣伝費にかなりのお金を使ってきたからだろう。


販管費・広告宣伝費

営業利益を押し下げている要因は何かと思ってPLを見てみると、原価よりも販管費の割合が大きいことがわかった。

そしてその販管費の中で、最も大きな割合を占めているのが広告宣伝費だ。

RIZAPはテレビCMをかなり積極的に打っていた印象があるし、多くの芸能人を起用していたので、おそらくあのCMが主な要因だろう。

ただ、あれだけCMを流した効果は絶大で、RIZAPの知名度は今では相当なものだと思う。

となれば、今後はある程度広告宣伝費にかけるお金を抑えていけば、営業利益率は自然と高くなっていくはずだ。


営業活動によるキャッシュフロー

ここまで一見なんの問題もなさそうなRIZAPの業績だが、少しだけ気になる点を上げるとすれば、営業活動によるキャッシュフローが少ないことである。

以下のグラフは、黄色が親会社に帰属する純利益、グレーが営業活動によるキャッシュフロー。

2012、2014、2016年は純利益に比べてキャッシュがかなり少ない。

これはつまり、利益としてPLには計上しているものの、まだお金は入ってきていないものが多いということ。

キャッシュフロー計算書を見ると、その主な原因が売上債権の増加であるとわかる。

売上債権(売掛金+受取手形)は年々増加しており、それに伴って売上債権回転期間(月数)も少しずつ伸びている。

売上債権回転期間は、商品を販売してから売上債権を回収するまでにかかる期間を表すもので、これが長くなると、やがて資金繰りに支障をきたすようになる。

まあ伸びているとはいえ、2016年3月期で約3ヶ月、これはまだまだ平均的な数字なので、現時点では問題ない。

RIZAPは普通のトレーニングジムに比べて高額なので、料金を分割払いする人も多いだろう。

そう考えると、現金回収までにこのくらいの時間がかかるのは、むしろ正常なのかもしれない。


セグメント別売上高・利益

最後にセグメント別の売上高と利益。

RIZAPグループのセグメント情報は以下の4つに分けられており、「美容・健康関連」が主にトレーニングジムのRIZAPである。

まずはセグメント別の売上高。

RIZAPを含む「美容・健康関連」が、2015年〜2016年で最も伸びていることがわかる。

続いて、セグメント別の利益。

利益に関しては、ほぼ全て「美容・健康関連」となっている。

つまり、現状は完全にRIZAP一本足打法であるが、RIZAPグループは近年M&Aに力を入れていて、ジム意外の分野にも積極的に投資している。

以下の記事によると、2013年度以降で14社買収しており、その内6社がジーンズメイトなどのアパレル関連だ。

今後はRIZAPブランドのもと、トレーニングだけでなく、鍛えた体に合う衣服を提供するといった方向にも注力していくのだろう。


まとめ

斬新かつ絶妙なビジネスモデルで急成長を遂げたRIZAPグループの業績は好調だ。

現状グループの収益のほとんどをRIZAPが担っている状態だが、今後はそれ以外のビジネスにも上手く展開していけるかが鍵になるだろう。


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