
動画にする意味があるのか
料理動画に始まり、メイクやファッション、テクノロジーにエンタメなど、様々な動画メディアが誕生していますが、ジャンルによっては「わざわざ動画にする意味があるのか」と思うものもあります。
ソーシャルメディアでコンテンツを発信する際に、動画はインパクトがあり、印象に残りやすく、またタイムライン上でそのまま閲覧できるというメリットもある。
しかし、テキストコンテンツより遥かにコストがかかるのも事実で、よほど相性がいいものでなければわざわざ動画にする必要はないかもしれません。
そこで、動画の強みとはなんなのか、どんなコンテンツなら相性がいいのか、を考えてみました。
【動画の強み1】タイムライン上でそのまま閲覧できる
これはジャンル問わずどんなコンテンツでも同様に得られるメリットですね。
タイムラインに流れてきたコンテンツを、リンクを踏んで別のサイトに遷移する必要なく、その場で閲覧できる。
また、1つのコンテンツを複数のプラットフォームで拡散できるのも魅力的です。
【動画の強み2】状況が伝わりやすい、イメージが湧きやすい
百聞は一見に如かずというように、文章で説明されるよりも映像を見るほうがイメージが湧きやすいのは確実です。
この点で相性がいいのが、ハウツーとECですね。
料理のやり方やメイクの仕方など、文章で説明されるよりも実際にやっているところを見るほうが圧倒的わかりやすい。
なので、基本的にハウツー系はだいたい動画との相性はいい。
また、実際にその商品を使っている映像を見ることで魅力が伝わり、購買につながりやすくなるので、ECとの相性も良いでしょう。
【動画の強み3】熱意・思いが伝わりやすい
強み2と近い内容になってしまいますが、文章よりも映像のほうが見ている人に訴えかける力、感情を揺さぶる力は強い。
この点で相性がいいのがインタビューですね。
顔の表情や身振り手振り、声の大きさや話し方など、様々な要素が含まれることでその人の熱意・思いがより伝わりやすくなる。
2と3に共通して言えるのは、動画のほうがテキストよりも情報量が多いということです。
もちろん同じかそれ以上のものを文章で表現することも不可能ではないですが、それにはかなりの文章力が必要になります。
【動画の強み4】受け身で情報を取得できる
最後になりますが、恐らくこれが動画の最大の強みではないかと。
我々がメディアから情報を取得する際に必要な動作は、主に「見る」「聞く」「読む」ですが、このうち「見る」と「聞く」は受動的で、「読む」は主体的です。
人間はできる限り楽をしたい生き物ですから、受け身でダラダラ見れるものを自然と選んでしまうものです。
つまり、動画の最大の強みは、情報を取得する際に「見る」「聞く」だけで済むということ。
逆に、文章は自ら主体的に「読もう」と思って読まないと情報が入ってきません。
これは多様な動画コンテンツがあふれている今の時代にはなかなかハードルが高い。
動画のほうがわかりやすいという点に目が行きがちですが、一番のポイントは「受け身」で情報を得ることができるということです。
WHITE MEDIAはなぜ4万5000いいねしかないのか
この点で失敗しているなと思うのが、WHITE MEDIAです。
WHITE MEDIAはホワイトメディア株式会社の運営する分散型ニュース動画メディア。
ニュースやカルチャー、ミレニアル世代の好奇心を刺激する動画を毎日配信。ビジュアル&ストーリーで体験する、全く新しいニュースがここに。
コンテンツのクオリティは高く、デザインもかっこいいので、個人的にはかなり好きなメディアなのですが、その割にはいいねが少ない。
2017年7月24日17時の時点で、Facebookのいいね数は45,862いいね。ちなみにKurashiruは1,193,969いいね。bouncyは406,472いいねです。
Kurashiruに劣っているのは仕方ないとしても、ある程度ジャンルの近いbouncyと比較しても桁一つ違うというのはさすがに少ない。
この原因が、WHITE MEDIAは「読む動画メディア」になってしまっているからではないかと。
WHITE MEDIAの動画コンテンツは、画像と文章を組みわせた以下のスタイルのものが中心ですが、これでは動画なのに読まないといけません。
つまり、わざわざコストをかけて動画にしているのに、文章の悪い部分である「読み手が主体的じゃないと入ってこないコンテンツ」になってしまっている。
これでは動画と文章の悪いとこ取りです。
じゃあどういう動画にすればいいのかというと、スクリプトをつけずにナレーションをつけるのがいいんじゃないかと。
海外メディアのニュース動画を見ていると、文章はほとんどなく、ナレーションを”聞き”ながら、映像や画像のアニメーションを”見る”スタイルのものが増えている印象があります。
以前はSNSでは無音で動画を再生させることが主流だったため、動画にはスクリプトをつけるのが基本でした。
ですが、これだけタイムラインに動画が多くなってくると、音を出すかイヤホンを付けて見るのも自然になってくるでしょう。
そうであれば、無音でも理解できるコンテンツにするよりも、受け身で見られるコンテンツにするほうが遥かに重要です。
【まとめ】料理動画は最強
動画の強みを4つ紹介しましたが、最も重要なのは「受け身」で情報を得られることです。
まずこのポイントを抑えていないと、動画の一番の良さが出ません。
その上でさらに動画の良さが出るコンテンツであればなおよいでしょう。
また、今回紹介したポイント以外にも、どのくらいのコストがかかるのか、動画の賞味期限はどのくらいなのかも重要です。
動画制作に係るコストは、編集をテンプレ化できるかどうか、ロケなのかスタジオで撮影できるのかによって大きく変わってきます。
また、せっかくコストをかけて制作しても、賞味期限が短いニュース速報のようなコンテンツだと非常にもったいない。
逆に言えば、何年も継続して見られるようなコンテンツであれば、ある程度コストをかけても回収できるかもしれません。
このように、あらゆる要素から総合的に考えて、料理動画が流行ったのは必然だったなと思います。
料理動画メディアの登場によって、それまでレシピ本を主体的に読んでいた人たちが受け身で楽にレシピを理解できるようになりました。
また、ハウツーは文章よりも実際に作っているところ、やっているところを見るほうがわかりやすいので、動画と相性がいい。
さらに、料理動画はスタジオで撮影でき、決まったフォーマットで制作できるのでコストが低いうえに、何年も前のコンテンツでも価値は変わらないので賞味期限がかなり長い。
つまり、安く大量生産したものが、長く価値を持ち続けるということです。
世界中で似たような料理動画メディアが生まれているのも納得ですね。
とまあ、こんなことを考えたのも自分がインフォグラフィック動画を制作しているからです。
自分で作ったものがどうもわかりにくいのはなぜなのか、考えた結果、動画なのに「読む」要素が多すぎるからだと気付きました。
とはいえ、個人メディアですし、VisualFeedでは撮影やナレーションを入れる予定はないので、現状のスタイルでどれだけわかりやすく作れるかに挑戦してみようと思っています。
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