Satoru Mikami
Voicy Engineering
Published in
6 min readDec 1, 2020

--

これからエンジニアリングマネージャーになる人へのおすすめ本のご紹介です。

この記事は、Engineering Manager Advent Calendar 2020の2日目に参加した記事です。

こんにちは。株式会社Voicyで開発責任者とエンジニアリングマネージャーをしている、みっきーです。Voicyに入社する前は、2社のB2Bスタートアップでプロダクトの開発責任者やエンジニアリングマネージャーをしていました。今年の1月にVoicyに入社してからも引き続きエンジニアリングマネージャーをしています。元々は、Web系のバックエンドエンジニアとして働いていました。

エンジニアリングマネージャーとしての入社タイミングは20人から40人にグロースするタイミングが多く、マネージメントしている人数は8人程度でしたが、現在は十数人の内製チームでWeb/iOS/Android/Backendのエンジニアを見ています。

弊社の開発組織は、各専門チーム(iOS/Android/Web/Backend)別に分けており、人数も2人〜4人くらいのチームです。人数に合わせてスクラムも取り入れいることもあれば、1人で機能開発するプロジェクトまであり、同時にさまざまな機能開発プロジェクトが複数走っています。人数が多くなってくると、どこまでの仕事を人にまかせ、どこからを自分が見るのか判断が難しい事が多々あります。そんな時に助けとなってくれた本をご紹介したいと思います。最初にご紹介するのは今年発売したけれど、あまりまだ読まれてなさそうな本のご紹介、次にみんな読んでいるよねという本の紹介、そして人におすすめされているけどまだ読んでないけど気になっている本という流れでご紹介します。

1.Scaling Teams 開発チーム 組織と人の成長戦略

2020年5月29日発売。この本は、開発組織を大きくしても耐えられるようにスケーリングする方法について書かれた本です。また、エンジニアの採用について書かれた本としては珍しいかなと思います。まず最初はエンジニアの面接、採用プロセス、オファー、研修など、今まで人事におまかせしてあまり見ていなかった採用プロセスについての解説ありとても参考になりました。特にエンジニア組織を作る上で後半の章が読み応えがあります。これから開発組織をどうグロースさせていくか日々悩んでいるポイントだったこともあり、3つの組織、文化、コミュニケーションのスケーリング手法はとても参考なります。 専門性の異なPdM/PjM/iOS/Android/Backend/SRE/QA/Designer/DataAnalysitが集まったチームで構成されており、会社の組織全体してはフラットに目標設定をおこないつつも、機能開発ごとでは短期的にプロジェクトチームを作るほうが効率化良く運用できることもあり、最適な形は常に変わるためどういったパターンが考えられるか網羅的に見れる本として役に立ちました。

2.More Effective Agile ~“ソフトウェアリーダー”になるための28の道標

2020年6月11日に発売。この本は、アジャイルな開発手法を組織にインプットして開発プロジェクトをマネージメントするための実践本です。アジャイルとはそもそも何かという話から始まり、スクラムの実践方法、組織化、チーム文化の原則、プロジェクトの運用方法などについて教えてくれます。なんちゃってスクラムが導入されるところが多い現場では、この本に書かれている失敗モードから成功要因に変えるための指針を読むと、なかなかプロジェクトが上手く行かない現場によく当てはまる項目で、これはやっぱり上手くいかないですよねーって思いました。

3.エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方

2017年5月13日発売。この本は、私が尊敬する「データマネジメントが30分でわかる本」の著者のゆずたそさんが投稿したツイート「エンジニアリングマネージャーは我流マネジメントをやめろ。」に煽られて最近、買った本です。この本の面白いところは、チームを3つのフェーズ、サバイバル、学習、自己組織化に分類して、それぞれのフェーズでどういったリーダーシップのスタイルを取るとよいのかを教えてくれる本です。サバイバルは、チームが学ぶ時間がなくゆとりがない状態で、ゆとり時間を作ってサバイバルから抜け出します。サバイバルを抜けた先にある学習フェーズでは、その時間を使って学習や検証を行えるチームにし、自分たちで問題を自力で解決できるように教え、チームを自己組織化チームへと育ていきます。マネージャーがチームを自己組織化することができればマネージメントにかかる時間も減ります。経営視点で見た時は、マネージャーチームも自己組織化できれば、経営者も余裕ができ、短期思考の戦略から長期思考の戦略を考える時間のゆとりも生まれてくるのだと読んでいて思いました。

4.エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

2018年9月26日発売。発売当時、私がCTOなのかテックリードなのが役割がよくわかっていなかった時に参考にした本です。今の職場での活用は、採用をする時に新しくジョブディスクリプション作る必要があり、経営幹部としての役割が求められるCTO、技術で開発組織をひっぱるテックリード、開発組織を作っていくエンジニアリングマネージャー/VPoEに分けて役割の違いを言語化して経営者に説明するときに参考にしました。

5.エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

2018年2月22日発売。ITエンジニア本大賞2019を受賞したので、皆さん読んでいる思うくらい定番本になりましたね。この本は、不確実性の扱い方どうするよって本です。一度読んだら終わりという本ではなく、たくさんの情報をインプットして思考を整理するときに参照する本として読んでいます。大風呂敷を広げるのが得意な人が現れた時に、畳む技術本としても使えます。特に好きな図は不確実性コーンです。スタートアップにいるとまだ誰も成功事例がない分野に飛び込むことが多々あるので、作るものに対して正確な見積 できないわけで、ざっくな計画を作るときに「学習するチームと不確実性マネージメント」の章をたびたび読み返しています。

6. GIANT KILLING

日本のサッカー漫画で、知り合いのエンジニアリングマネージャーにおすすめされた本です。「GIANT KILLING チームを変えるリーダーの掟」という解説本が出るくらいビジネス書としても読める漫画で、リーダーシップやチームワークについて学べるそうな本です。まだ、未読ですが読んでみようと思います!

この他にも、コミュニケーションに向けのファシリテーション、コーチング、1on1の本などいくつか参考にした本はあるのですが、これらはまた次回に機会にご紹介したいと思います。

--

--