「まつぼっくり」ができるまで

てんてんついてたんだっけ?

お子さんが、ひらがなが読めるよになると、次は当然書けるようになると
おとなの私たちはついつい思ってしまいます。

確かに、子どもたちも文字が読めるようになると、次は見よう見真似で
文字らしきものを書き始めたりします。

でもしっかりと書けるようになるまでには、
実はいくつものステップがあります。

・小さな っ の入る『促音』
・伸ばす音の『長音』
・点々がついてくる『濁音』
・丸がつくは行の『半濁音』
・小さなや、ゆ、よが入るねじれた音の『拗音』
・ん のはいる『撥音』
・そしてこれらが混じり合ったことば

この区別、わかりますか?

私たちおとなは、知らない間に使っていますが、
あなたはいつ出来るようになりましたか?

実はできていると思っていて、
おとなの私たちだって間違えて覚えてることあるかもしれません。

例えば『氷』

「こうり」と書きますか?
それとも「こおり」と書きますか?

そうですね、「こおり」が正解です。

当たり前に知らないうちに覚えて来た文字ですが、
文字を書けるようになるには相当な訓練をしてきたはずなんです。

ところがおとなの私たちはその大変な訓練をすっかり忘れていて
子どもたちが文字が読めるようになると、
書けるのが当たり前と勘違いして指導してしまいます。

せっかく頑張って書いたひらがなが間違っていると

「ここ、間違ってるから書き直し!」

そう言って、頑張って書いたもじを消しゴムでゴシゴシ消して
書けるまで書き直しさせたりしてしまいます。

ところで消しゴムって本当に必要なんでしょうか?

子どもたちは書いた絵や文字が気に入らなかったり
間違えたりするとすぐに
消しゴム使って消してしまいます。

消した跡はもちろんあまり綺麗ではないし、
机の上はあっという間に消しカスでいっぱいになります。

”すぺーす・もも”ではちょくちょく消しゴム禁止にしています。

消しカスでいっぱいになって汚れるから、ではありません。

だってせっかく頑張って書いた(描いた)作品を
消しゴムでゴシゴシ消してしまったらもったいないじゃないですか。

失敗したらその失敗をなかったことにして消してしまうと
失敗した経験が見えなくなってしまって、
何をどう失敗したのか、どうやって上手くなっていったのか
わからなくなってしまいます。

するとせっかく上手くなったことがわからなくなって
また同じ間違いを繰り返したりします。

”失敗はしてはいけない”?
”失敗は恥ずかしい”?

いえいえ、”失敗は成長のチャンス!”

だから練習した跡を消さないでください。

よーく見るとね、子ども達の書き損じって
とっても芸術的でユニークで、
私はそれを見るのが大好きなんです。

だから消してしまうのってもったいないって思うのです。

話が脱線してしまいましたが、
結局間違えるのが嫌な子ども、消してしまいたいおとな

その繰り返しをしているうちに
まだ手も未発達で力もない子ども達は
もじを書くのが嫌になってしまうことになるのです。

せっかく自分を表現する手段の第一歩から
子ども達に躓く経験をさせ兼ねないもじ書き練習。

もっと楽しくできないかな〜

少しもじを書けるようになってきた年長のゆうた君
まだまだひとつずつ書くのは時間がかかります。

「じどうしゃ、かける?」

「えーっと、ちっちゃなのがあったな」

「この前ひろったまつぼっくりはどうやったらいい?」

左の写真からわかるように、何気なく普段ことばにするもじが結構複雑なんです。

でも出来上がったのを見て、声に出して読んで、ふたりで大笑い。

「しとうしゃ?」

「ま・つ・ほ・ょ・くり」
「くりだ〜」
「ながいのちょうだい」
「まつぼーくり、ぎゃはは」

思っていたものとは別のものができてしまったけど、面白くってなんだか笑えてくるのです。

このあとも「じどうしゃ」「まつぼっくり」に近づくためにはどうしたらよいか、あれこれ話し合って予測を立てて、実際に点々や小さな っ や ゃ・ゅ・ょを使いながら近づけていきます。

でもマグネットボードなので何度間違えても取り替えっこするだけ。
手間もかからず飽きないので、楽しみながら学べます。

頭と一緒に指先も動かして、声にも出すので体感が出来ます。

「点々はここか〜」
「ちっちゃな っ ちょうだい」

いろいろな段階を経て「できた!」

こうしてゆうた君の、自動車は「じどうしゃ」に
松ぼっくりは「まつぼっくり」に
さまざまに変化しながら出来上がったのでした。

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