学級崩壊が起きてるんです

はしだ くみこ
W.L.S. MOMO
Published in
4 min readNov 11, 2016
牛のお乳の絞り方は優しくね

6年生のお母さんから聞いたお話です。

その生徒さんの小学校は、静かな郊外にあるごく普通の小学校です。
環境もよくて教育にも熱心なご家庭の多い地域です。

6年は3クラス、その中の1クラスで担任は学年主任のベテラン男性教師だそうです。

クラスの中にどうしても授業中に騒いだり勝手に抜け出す子が数人いて、その子達が騒ぎを起こすたびに授業が中断、ほとんど授業が成り立たず、他のクラスに比べ授業がどんどん遅れているのだそうです。

間もなく学習発表会が行われるのですが、そのクラスは発表会の計画も立てられず着手できなかった様子で、他の保護者からのクレームもあるそうですが、担任に何を言っても暖簾に腕押しなのだそうです。

以前にもこの担任は個人懇談で子どもの良くない点を書き連ねたものをお母さんに見せたそうで、お母さんから泣きながら相談がありました。

その子は不器用には違いないのですが、一生懸命前向きに努力を怠らないお子さんです。周りへの気遣いもできるしお友達も大好きでとても大切にしています。そんな子が担任から励まされるのではなくとんでもないレッテルを貼られたのです。

お母さんには、お子さんは大丈夫だから信じてあげてと強く励ましたのは1学期のことでした。

学級崩壊の件については一方的な情報なので、これ以上詳しいことはわかりません。
でもこの話を聞いていて、数年前のうちの子ども達の小学校のことを思い出しました。

理由はそれぞれでしたが我が子3人のうち、2人の子のクラスが6年時に崩壊していたのです。

真ん中の子のクラスは、やはり手に負えない少数の生徒が授業に反発してクラスが荒れました。いじめもあったようです。担任も頑張ったのですが、力及ばずといったところ、最期は力尽きてとうとうノイローゼになってしまいました。

下の子の時はさらに異常でした。

5年時の担任(ベテラン男性教師)が家庭の事情とやらで1学期途中で学校を突然休職、その後担任不在のまま6年になりました。

6年のクラス編成を知り驚きました。その男性教師が息子の担任として復職していたのです。何の事前情報もないまま(学校からの説明もなく)だったので、今回は大丈夫なのかと直接校長に聞きに行くと、校長はベテランだから大丈夫、私が太鼓判を押します、またそのようなことがあったら私が責任を取りますとまで言われました。が、案の定1学期半ばで休職し、また担任不在が続きました。

その時は責任を取ると豪語した校長も病気のため都合良く休養中、教頭や教育委員会にもかけあったのですが、何の対策も取られず、担任不在のまま修学旅行を済ませ卒業を迎えました。

これ以上書きませんが、3人の子ども達が6年間を過ごす中で他にも多くの問題が起こりました。

公立の小学校が全く機能していないことを目の当たりにしていました。
地域の中学もここまで酷くないまでも同じような状況でした。

ひとりの親として思うことは、なぜうちの子がこんな目に合わないといけないのか、ととても悔しい思いでした。

現場の教師個人ではどうにもならない問題が起きた時、学校はどのような体制を取ろうとしているのでしょうか。学級崩壊はいつでもどこでも起こりうるのです。教師個人がクラスの責任を負うことは困難な現状になっているのに、学校制度は何の手も打たないまま存続しています。

波風をたてず静かに定年を迎えたい事なかれ主義の教師や教育機関。
教育者としてとは問いません。この人達は仕事をするおとなとして、子ども達に何を示そうとしているのでしょうか。

私は、子ども達が安心して学習できる場であるべきはずの学校はすでに存在しないのだと考えています。

未だに止まない子ども達の悲惨な事件を目にするたびに、今の学校の存在意義さえ否定せざるを得ません。

小学校卒業を間近に控え、毎日を友達と楽しく過ごしたいだろう子ども達や親御さんの無念な気持ちを思うと、また悔しい気持ちがこみ上げてくるのでした。

子ども達のピカピカの笑顔!

--

--

はしだ くみこ
W.L.S. MOMO

ラーニング・ファシリテーター、コーチ。子どもの頃のコンプレックスから「なぜ人の能力には差があるのか」を追求して来ました。本当に必要なのはメソッドやノウハウではなく”学びが起きる場”そして人と人との有機的なつながり。理想のコミュニティ、ムーミン谷を目指しています。ワンダフル・ラーニング・スペース・モモ代表。