4Cフレームワークを使ったワークショップの作り方

企業で研修をすると、人事の方などから「こういう研修ができる社内講師を増やしたい!」という声をいただきます。社内講師を育てる立場にあるわけではないので、そんなこと言われても「はーそうですか」という答えになってしまうんですけど……いちおう私が参考にしている方法がありまして、あまり知られてないみたいなので紹介しておきますね。

それは、「4C」というフレームワークです。アジャイルコーチ界隈では有名な手法みたいです(私も数年前に『メタプログラミングRuby』の著者であるPaolo Perrottaから教えてもらいました)。

元ネタはこの本です。詳しく知りたい方はこちらを読んでください。

「4C」というのは、

  • Connections
  • Concepts
  • Concrete Practice
  • Conclusions

の頭文字をとったもので、それぞれ「前提知識と学習内容の接続」「新しい知識の学習」「アクティビティ」「まとめとふりかえり」を意味します。インストラクショナルデザインをうまくフレームワークにしている感じですかね。著者は「脳にやさしいトレーニング」と呼んでます。

それぞれを簡単に説明しましょう。

Connections

研修やワークショップは、受講者が部屋に入った時点からはじまっています。BGMを流しておく手もありますが、いっそのことアクティビティをしかけてみるのはどうでしょうか? というのがこのパート。期待することや疑問点を表明してもらい、周囲の人たちと意見交換できるようなアクティビティを設定するといいでしょう。書籍にはいくつか例が載ってます。

Concepts

このパートは講義です。受講者は10〜20分で集中力が切れるので、最低限のことだけ伝えます。また、絵を使って説明するのもいいでしょう。

ここで大事なのは、講師があまり前に出ないということです。「Training From the Back of the Room」というタイトルが示すように、講師は部屋の後ろに立って、全体を見渡すようなイメージです。受講者同士で教え合う「アクティブラーニング」を形成するわけですね。たとえば「ジグソー法」を使えば、講師はほとんど不要になります。

Concrete Practice

ワークショップの本体です。書籍では「Teach-Back(受講生に学習内容を説明してもらう)」が推奨されてますが、個人的には「シミュレーションゲーム」が効果的だと思います。http://tastycupcakes.org/ にはさまざまなゲームが紹介されていますので、ここから選ぶといいでしょう。

Conclusions

最後はまとめとふりかえり。まあ、普通ですね。いろいろ手法もありますけど、ひとつの手法に固定せずに「いろいろやる」ことが重要かなあと思います。詳しくは『アジャイルレトロスペクティブズ』を参照してください。


こんな感じで、4Cの構造を使いながら、1つのモジュールを60〜90分として、トピックごとにシラバスを作っていきます。1日7〜8時間の研修であれば、5モジュールくらいになるでしょうか。最初にバックログを作っておいて、受講者に優先順位を付けてもらうという方法もありますね。

余談ですが、勤務先の東工大ではIDEOと共同でデザイン思考のカリキュラムを作っているんですけども、こちらも4つのモジュール(Lecture, Activity, Debrief, Design Challenge)で構成されるフレームワークを使っています。どちらでも構いませんので、使いやすい方法を選んでください。

というわけで、みなさんも独自のワークショップを作ってみてください。

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