若い人と一緒に未来を創りたい/株式会社CAN代表取締役 植村昭雄
「できる(CAN)」と思うことが最初の一歩
11月19日(日)に、北千住駅すぐ近くのビルで、「TOHOKU LOVERS FES 2017」が開催されました。東北の食や人を北千住に集め、盛り上げようと始まった本イベントですが、記念すべき第1弾は「秋田」でした。
そこで、東北の活性化のため、本イベントの企画・運営をしている株式会社CANの代表である植村さんを取材することにしました!
会社のオフィスがあるビルの1Fは、東北の「食」を振る舞う「東北うまいもの酒場 プエドバル」、同ビルにCwave(インターネット放送局)の東京×東北情報バラエティー「 みちまる情報局」のスタジオがあります。
これらは、全て株式会社CANが運営しているもので、飲食店とインターネット放送局とあわせて、人材研修および整骨院・デイサービスの4つの事業を多角的に展開しています。
そこで、会社設立の経緯や、東北の地域活性についてどのようなことを考えているのかを伺うことにしました。
― 会社の設立経緯を教えてください。
植村さん:もともと、私は「資格の大原」の簿記講座を担当していたこともあり、会社は教育事業を軸として2001年に設立されました。大学や企業の職業訓練の企画や運営などです。その後、自分で資格を取得し、2005年に整骨院を開業しました。現在首都圏に7院あり、独立支援も行っています。
2011年に東日本大震災が起き、ボランティアとして炊き出しや被災者のマッサージなどの支援をしていく中で、「まち」のあり方を改めて考える出会いが多くありました。
地元である北千住に帰ってきて、色々な視点でコミュニティを育成してみようと、ビジネス研究会や街飲み、音楽ライブ、足立経済新聞とのコラボ企画などを開催し、地域ネットワークを広げていきました。
植村さん:2012年に、音楽イベントを中心にした被災地支援ツアーを企画しました。その年に、ケアマネージャーの組織の立ち上げをきっかけに、介護事業に参入します。翌年の2013年、インターネット放送局Cwaveを始めます。
Cwaveは、サードプレイスとして、コミュニティの核となる「とびきり居心地よい場所」として、ヒトやコトを繋ぐメディア(場所)にしたいと思い始めました。月間80本ほどの番組があり、そのひとつが「みちまる情報局」です。
金子さん:私は、日中はサラリーマンとして働いて、土日に「みちまる情報局」の番組ディレクターとして関わっています。「人が喜ぶことをする」という植村さんの考え方にとても共感して、大学時代から東北のボランティアをしていたこともあり、2016年から関り始めました。
番組制作などをしていると、人脈が広がりますし、本業以外の時間もとても有意義に過ごせているなと実感します。
植村さん:復興支援を続けていくうちに、東北の地域の課題が見えてきました。人口減少、高齢化、過疎化といった喫緊の課題を解決する手段として、第一次産業としての「食」を通して関係人口(交流人口)を増やしていきたいと考えるようになりました。
そして、東北の「食」で人と人をつなげる場所として「東北うまいもの酒場 プエドバル」がスタートしたんです。
目的は3つあって、1.生産者の”物語”を届ける 2.生産者の”物語”と消費者の”思い”をつなげる 3.消費者の”言葉”を生産者に届ける です。
― そうした会社の”物語”を経て、これから何をしたいと考えていますか?
植村さん:ここまで、私自身の思いというよりかは、社会や必要とする人に求められて点と点がつながったような感覚があります。こうした物語を紡んでいく中で、東北が好きな若者たちと一緒に未来を創りたいと思うようになりました。
私は自分の目に見える範囲で物事を進めていくことが好きです。事業の軌跡を描いていく中で出逢った若者たちの熱い思いや未来を支援したいと、今は考えています。そのひとつのあり方として、若者の起業支援です。資源と責任を私が持つから、若者には自由に羽を広げて飛んでいってほしいと願っています。
― ありがとうございました!
(渡部みのり)