Zedd & Liam Payne「Get Low」:色気を生み出す音と声の中毒的なスパイラル

fujiokashinya
We Love EDM
Published in
3 min readSep 17, 2017

Zeddの新曲「Get Low」は、色気に満ちたダンサブルな曲です。One DirectionのLiam Payne(リアム・ペイン)をボーカルに迎えて、その歌声をエレクトロニック・サウンドと組み合わせると、鮮やかに輝く音楽が産み落とされます。Zeddは女性の声だけではなく、男性の声も上手に料理して素晴らしい曲に仕上げます。例えばAloe Blaccとともに制作した「Candyman」もまた色気のある格好良い曲であり、僕はとても好きです。

「Get Low」の魅力のひとつは、そのリズムですね。EDM的な盛り上げ方とは異なり、聴き手を徐々に侵食するようなループが特徴的です。ずしりと重みを感じるキックと、絡みつくベース。ハウス・ミュージック的というか、あるいはそのサブカテゴリーに属するのかもしれませんが、ぐるぐると螺旋を描くリズムにはこの上になる中毒性があります。音の渦に吸い込まれて、いつの間にか目の前の世界が変わっている。

Get Low (Infrared)

曲に漂う色気のもうひとつの要因はLiamの歌声です。その色気を構成するのは艶やかさと気怠さでしょう。さらに歌声の中に潜っていくと、切なさや哀愁といった、メランコリックな空気を感じます。その源泉は声か、メロディか、サウンドか。あるいは三者が混ざり合うからこそ生まれる空気なのか。

曲の進行とともに歌声は表情を変えます。言葉の運び方が変わるとでもいいましょうか。言葉が連なっては離れることでメロディは流動的になり、心地好い流れ、心地好い響きを生みます。言葉を突き刺すように放つのではなくて、手の触れる距離にいる相手に向かって届けるイメージです。腕の中、でもいいのですが。

Get Low (Official Tour Edit)

YouTubeには「Get Low」の音源がアップロードされています。片や “Infrared” と題し、もう片方は “Official Tour Edit” と題しています。ビデオ・アートのように楽しむ場合は前者、Zeddのライブ感を味わいながら聴く場合は後者を再生してみてください。

--

--

fujiokashinya
We Love EDM

I am just a music/book lover. 音楽体験NOTESとブック・レポート My Twitter page: https://twitter.com/fujiokashinya