ファシリティマネジメント_ブックリスト

2018.8.17 photo by ユノ

“まち”は、家屋や会社・レストランなどといった施設とそこで生活する人々、更には農林業の用途で用いられる土地などで構成されている。

ファシリティ(施設とその環境)を総合的に企画管理・活用する経営活動であるファシリティマネジメント(Facility Management、FM)は、パッチ・ワーク地域のみならず、日本に点在する多種多様な地域の現状分析や今後の方向性を考えるうえで学ぶ価値のある分野だと考える。

そこで、ファシリティマネジメントを取り扱う書籍のリストを作成する。読んだ順に関わらず、本の内容に応じてグルーピングをして示す。新しく本を読み次第、随時更新していく。

◆総論提示系
『総解説 ファシリティマネジメント』FM推進連絡協議会, 日本経済新聞社, 2003年
読解難易度:★★★★☆
「ファシリティマネジメントとは」に始まり、現状の社会問題解決にFMがどう活かされるのかを包括的に論じる。各種FM関連書籍の参考文献に挙げられているケースが多い。大判書籍かつ文章は難解で、手に取るハードルが高い。
https://www.nikkeibook.com/item-detail/13243

『ファシリティマネジメントが変える経営戦略』鵜澤昌和, NTT出版, 2007年
読解難易度:★★★☆☆
ビルメンテナンスや清掃、警備などの日常業務(現場業務)主体で語られがちなFMだが、実際には組織経営や組織管理にも活用可能である。本著はそうした「経営層のマネジメント業務に活かせるFM」を中心に紹介する。FMの成立背景や「なぜ、今FMが必要なのか」について噛み砕いて説明されており、現場業務の役割も含め理解しやすい。
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001748.html

『公式ガイド ファシリティマネジメント』FM推進連絡協議会(編),2018年
読解難易度:★★★★☆
2022年現在で、認定ファシリティマネジャーの試験範囲とされているテキスト。『総解説 ファシリティマネジメント』の後継版ともいえる。『そう解説~』よりも日本語としての読みやすさは各段に向上しているが、やはり経営戦略から建築基準法まで扱う範囲が広いため、網羅的に自習するのはかなり大変という印象。本格的に資格取得を目指すのであれば、セミナーの受講や苦手分野に特化したテキストでの勉強等が追加で必要になりそうだ。
http://www.jfma.or.jp/books/page1-new.html

◆事例集
『公共施設が劇的に変わるファシリティマネジメント』小島卓弥(編), 学陽書房, 2012年
読解難易度:★★☆☆☆
タイトルの通り、公共施設に特化したFMの事例集。庁舎遊休スペースの活用方法や、会社紙文章の削減方法などイメージがつきやすい内容が多い。
http://www.gakuyo.co.jp/book/b172810.html

『ここまでできる 実践公共ファシリティマネジメント』小島卓弥(編), 学陽書房, 2012年
読解難易度:★★☆☆☆
『公共施設が~』の続編。公共施設白書の作成や小中学校の統廃合など、前著よりも大規模な事例の紹介が多い印象。より実務担当者向けと思われる。
http://www.gakuyo.co.jp/book/b185210.html

◆今後読みたい本
『ファシリティマネジメント : 空間・経営戦略の新手法 』 ジェフリー・ハマー著;沖塩荘一郎, 山口重之監訳,1990年

『ファシリティマネジメントハンドブック』デビッド G.コッツ著 ;「ザ・ファシリティマネジメントハンドブック」翻訳・編集委員会編,2010年

◆検索ソース
国立国会図書館サーチ:https://iss.ndl.go.jp/
日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)書籍ページ:http://www.jfma.or.jp/books/index.html

ユノ
What is the city, region and town?

文章を書いたり、写真を撮ったりすることが好きです。