テスト設計コンテスト決勝までの道のり #テスコン

テスト設計コンテスト’20 に参加してみた! Vol.7

Imashiku Tomohito
WingArc1st Inc.
Oct 20, 2020

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NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER:Association of Software Test EngineeRing)が主催している、テスト設計コンテストに参加しました。

予選までについては、下記の記事をご覧ください。
今回は予選通過後から決勝までの道のりについて共有したいと思います。

テスト設計コンテストに参加しました #テスコン https://link.medium.com/FyjaiwJmzab

by Imashiku Tomohito

Furikaeri

我々ウイングアーク1stとして、初めてテスコンに参加して、無事に予選を突破しました!

メンバーは予選を突破したことで、自分たちのやり方やスキルについて、ある程度の自信が出てきました。そして、予選での内容についても「これならいける!」という自信からくる余裕もあったように思います。

予選では、発表にて聴講者の方々からのご質問や、審査委員の方々から総評をいただきました。まずそれらを対応していきました。聴講者の方々からのご質問に対応する内容を検討していきました。

— — ご質問内容 — —

  • テスト要求分析をスクラムで進めている場合、網羅的にやっているアジャイル的進め方ではどういったリスクがあるのか。またそれについての議論があったのか
  • 自動化について見えなかった、どう考えているのか
  • ユーザーストーリーマッピングからテスト要求分析へどのように結びつくのか、詳しく教えてほしい

また、審査委員の方々からの総評についてもメンバーに話し合い、あーだこーだと想像を膨らまし、足らなかった部分や見直しが必要な部分について分析をしていきました。

— — 審査委員の方々からの総評 — —

  • 成果物全体のバランスがよく、まとまっているが、網羅性のみに偏っている。どの品質特性に厚みを盛らせてテストをすべきか、また、それが分るようになっているのか
  • テスト観点からテストケースがどうやって作られるのかがわからなかった
  • テスト要求分析でユニーク(独自的)な洗い出しができていない可能性がある
  • 観点全体がどれだけあって、どこに着目しているのかがわかるように示してほしい。テストの厚みやテストの順序までわかるともっと良かった
  • テストアーキテクチャを説明してほしい

そして、予選までのふりかえりもメンバーで実施しました。短い期間で業務の合間に実施してきたプロジェクトですが、メンバーの思いはどんどん大きくなっていき、決勝に向かって士気が上がっていっている感じがありました。

予選までふりかえりの「よかったこと、うまくいったこと」

Action

発表の際にいただいたご質問内容と審査委員の方々からの総評をもとに、対応が必要なことについて検討していきました。

そして、「フェーズ毎にテスト計画を表現する」、「テストタイプの深堀」、「資料の関連図を作成」、「テストケースをちゃんと作成する」、「テストアーキテクチャーを表現する」これらの対応していきました。

ここでは、大きく3つの対応について説明していきます。

  • テストケースの作成
  • テストアーキテクチャー
  • フェーズテストプランとアクセプタンスクライテリア

[テストケースの作成]について

予選ではテスコンに必要な成果物について手探りの状態であったこともあり、テスト観点まで作成し、テストケースは作成していませんでした。

審査委員の方々からは「テスト観点からテストケースがどうやって作らているのかわからない」といったコメントをいただいていたので、やっぱり具体的にテストケースを作成する必要があるんだなあと、メンバーで意見は一致しました。

また、実際にテストケースを作成していく中で、テストのボリュームや重み付けができると考え、より重要と考えて進めていきました。

[テストアーキテクチャー]について

我々がこのテスコンで考えた、ユーザーストーリーマッピングを利用した要求分析からテスト実行までを図で表すことができれば、それがテストアーキテクチャーになると考えていました。そして、決勝に向けて以下の図を作成しました。

詳細は下記の記事をご覧ください。

Agile Testingを活用したテストアーキテクチャを作ってみた #テスコン by Jumpei Ito https://link.medium.com/1VuPQgzKxab

メンバー間でこの図を見て、内容や意味を共有しあったときには、アジャイルテストにおいてのやり方を、この図で表すことができている!これならいける!という自信と、テスコンの審査委員の方々に見せたい!という思いがありました。

[フェーズテストプランとアクセプタンスクライテリア]について

段階的にリリースしていき、品質を積み上げていく方法を提案したのですが、具体的にはどのように積み上げていくのかについて説明が必要だと考えました。

テストをフェーズとして分けて、フェーズ毎に段階的にリリースしていくことを戦略にしたのですが、アジャイルでのQAについてはウイングアークで取り組んでいる内容があります。

ウイングアーク1stが取り組んでいるアジャイル開発のQA by Jumpei Ito https://link.medium.com/pvHowz2hzab

今回のプロジェクトにもこの考え方を利用し、フェーズテストプランを作成してフェーズでのアクセプタンスクライテリア(受け入れ十分条件)を設定しました。そうしてフェーズ毎にリリースできる品質を確保していくことを考えました。

Presentation

決勝での成果物の提出は2020年9月7日まででした。資料を提出した後は、2020年9月26日が決勝の最終プレゼン大会だったので、発表者の決定と発表準備(発表練習)に取り組むことになりました。

社外のコンテストでオンラインプレゼンをやってみた! #テスコン by Yuki Ohara https://link.medium.com/YIdGJl1kzab

予選ではこの記事を書いている Yuki Oharaに担当してもらいました。では、決勝はどうするのかについてメンバー間で話し合っていたところ、やってみたいといっていた私に任せてもらうことになりました!

発表内容については、予選時の発表内容にプラス2枚で、テストアーキテクチャーの図と追加の指令に対する対応でした。

安易に考えていました!

テスコンは、全員で情報を共有して進めてきていたので、内容については十分に理解しているはずだと思っていたのですが、全くといっていいほど理解できていなかった自分に気づきました。しかし、練習してメンバーにフィードバックをもらうと、散々なものでした。

まずは、もう一度、提出した成果物の全体を理解するように読み込み、発表資料を自分の言葉で説明できるようにしていくことで、何とか説明内容を理解してもらうまでたどりつきました。

さらに、発表なので、「目線の位置」「声の大きさ」など視聴者がどう感じるのかを考える必要があったのです。これも、リハーサルに付き合ってくれたメンバーや有志の方々からのフィードバックからわかってきました。

決勝での結果については下記の記事をご覧ください。

利用時の品質を考慮したテスト設計 #テスコン by Yuki Ohara https://link.medium.com/jyxCbwHvJab

本当にいい経験になったので、このような機会を与えてくれたメンバーやテスコンの関係者の方々に感謝して終わりにしたいと思います!

それではまた記事を書くと思いますので、その時まで アディオス!

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Imashiku Tomohito
WingArc1st Inc.

ウイングアーク1st株式会社でBI製品のサポートを2年経験。その後、同社BI製品のQAを1年半、帳票のクラウドサービスのQAになり約7年経過