プロダクト開発を成功に導く、エンジニア向けのナレッジベース・サイト ‘GROW’ を作ってみた

ハイパフォーマンスな組織に成長するために vol.2

Yasuko NAITO
WingArc1st Inc.
7 min readJun 10, 2020

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Stay Homeを充実させるために始めた家庭菜園。きゅうりが大きくなりました photo by Yasuko NAITO

少し前にHiroyuki TAKAHASHIのブログでもふれたGROWを先月社内にリリースすることができました。

GROWはウイングアークのエンジニアがプロダクト開発に必要な知識を体系的に可視化したナレッジベース・サイトで、Genuine Reinventing Organization in Wingarc1st(ウイングアークにおける真の組織改革)の略です。また、GROWには成長する、育つ、大きくなるといった意味があります。エンジニア、プロダクト、組織の成長を加速させる存在になるようにとの思いを込めてGROWと名付けました。

(GROWは社内限定の公開です…。ごめんなさい。)

GROW

今日は、なぜGROWを作ろうとおもったか、GROWがどうやってエンジニア、プロダクト、組織の成長に貢献していくのかということをお話します。

プロダクト開発のPlaybook(定石集)を作る

ウイングアークのプロダクトマネージャー、プロジェクトリーダーは独学でマネジメントを学び実践していますが、それらのノウハウは個人に蓄積されており他のメンバーがプロダクトマネージャー、プロジェクトリーダーになったときには何から始めればよいかわからない….。といった状態でした。

また、ウイングアークはもともとはプロダクト毎に別の会社だったこともあり開発チームのプロセスも文化もそれぞれ異なっています。

それ自体は悪いことではありませんが、各プロダクトのノウハウはプロダクトの中で共有されており、知っていれば探すことができるが知らなければたどりつかない…つまり、プロダクト外の人にはあまり認知されていないことが多く、この状況はもったいないと感じていました。私自身もプロダクトのメンバーと話したり、業務で関わりを持った際にそんな素晴らしい取り組みをしていたのか!と気付くことが多く、裏返すと直接話す機会の少ないメンバーたちの素晴らしい取り組みには気づいていないことになります。

そこで、

  • プロダクトマネージャー、プロジェクトリーダーに必要な体系だった知識を可視化・公開することでプロダクト開発の成功に役立ちたい。
  • エンジニアがプロダクトの垣根なく有用な情報を入手して、新たな試みができるような文化を醸成したい。

と思い、プロダクト開発を成功させるためのPlaybook(定石集)を作ることにしました。

Playbookとはマイケル・サホタ氏のトレーニングを受講した際に使われていたキーワードで、「ハイパフォーマンスな組織を作るためのカルチャーを作って広げる道筋」です。GROWをプロダクト開発のPlaybookにするぞという私の意気込みを込めてます。

学習して新たな知識を創造する

GROWに体系的な知識やノウハウ、プロダクトの経験を蓄積し、エンジニアが悩んだり困ったときに「そうだGROWみてみよう!」と思ってもらえるような存在にしていきたいと思います。

そしてGROWを通じてSECIモデルがぐるぐるまわるような組織にしていきたいと思っています。

SECIモデルとは、ナレッジ・マネジメントのベースとなるフレームワークで、共 同 化(Socialization)、 表 出 化(Externalization)、連結 化 (Combination)、内面化(Internalization)という4つのフェーズがあります。

個人の経験から得られた暗黙知は、他者に語られ、表現されることで形式 知へと変換され、形式知は、学習・実践・利 用などを通じて個々人のなかに取り込まれ、それらを体得し自分のものにすることで新たな暗黙知へと変換されます。

暗黙知と形式知が4つのフェーズをぐるぐると循環するのがSECIモデルで、個人の知識が組織の知識に発展していくプロセス を概念化したモデルでもあります。

GROWから課題解決のための手法やテンプレートを探して自分たちのプロダクトで試すことで、知識を体得し自分たちに合うように進化させ、新たな知識(暗黙知)を創造し、更に蓄積される…。といった形でウイングアークでもSECIモデルがぐるぐる回る、学習して成長する組織文化を形成したいです。

知識創造プロセス(SECIモデル)

マインドセット

新しいことを試したり、チャレンジするのはワクワクする反面、最初の一歩を踏み出すときはこれで失敗したらどうしよう。失敗してメンバーや上司に迷惑かけたくない…と思う方もいらっしゃるでしょう。一方で失敗しないように周到な準備をしていると時間がかかりタイミングを逃しますので失敗も学習のチャンスと捉え、「まずはやってみよう。やってみてうまくいかなかったら次もっとうまくやるようにみんなで考えよう」という考え方にシフトしていくことでSECIモデルが加速します。

このような学習して成長する組織ではメンバーが「これいいね、やってみよう」と他者(他プロダクト)のよいところをうけれいる多様性を備え、新しいことを気軽に試せる環境になっているということです。

さいごに

ウイングアークはテレワークになり3ヶ月以上が経過し、これからもテレワーク主体の働き方になっていきますが、GROWはこういった環境では更に重要になってくると確信しています。テレワークになり、チーム外の方々との関わりが減ったように感じています。オフィスだったらすれ違ったり、なにか面白そうなことをしている様子がわかり声かけて参加させてもらうといったことができましたが、そういった機会が少なくなり、必然的にチーム外からの学びが減っているように感じていますので、他のチームの様子がわかるようにもしていきたいと思っています。

チームの成功事例やグッドプラクティスをインタビューをして皆さんにお届けしたいと思っています。

これからもKentaro ArakawaHiroyuki TAKAHASHIと3人でコンテンツ充実させていきますので引き続きGROWに注目いただけるとうれしいです。

(そのためにみなさんからのフィードバックやこんな情報ほしい!といった要望も歓迎です。チャット、MLなどお待ちしてます。)

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