リモートワークでの相互理解を深める(共通点探しゲーム)

楽しいワークでチームのコミュニケーションを活性化!

吉田千鶴
WingArc1st Inc.
Dec 23, 2020

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これはウイングアーク Agile and DevOps Stories のAdvent Calendar 2020、第17弾(2020年12月23日)の投稿です。

リモートワーク前に撮影した東京本社前。photo by Chizuru Yoshida

プロローグ

今年度からリモートワークを導入された方も多いのではないでしょうか。弊社も2020年2月28日から一斉在宅勤務を導入し、現在で約9か月目となります。

在宅勤務制度やIT環境がすでに整備されていたため、リモートワーク導入にあたり大きな支障は起きていないものの、同じグループでも仕事が違うだけで話し合う機会が減ったことで、コミュニケーションの取りずらさを感じることも出てきました。

とりわけ私が所属するグループは昨年11月に再編成があり、改めて関係性を深めていこう!という段階でしたので、自席周辺に皆で集まって何となく話す機会がなくなったことは多少の痛手でもありました。

しかしこれからの時代、オンサイト・リモートワークに関わらず、メンバー同士が協調してチームの問題と向き合い、相互にサポートしあえる「強い」チーム作りを目指す必要があります。

この9か月、グループリーダーやメンバーと共に試行錯誤しながら、グループ内コミュニケーションを活性化させるための様々な取り組みを行っています。

Happy Time

例えばグループ定例では、今年度から社員であれば誰でもゲスト参加できる公開形式とし、進捗報告よりも双方向コミュニケーションを重視したスタイルへと切り替えました。

メンバーがローテーションでファシリテータとタイムキーパーを担当し、5分1枠で自由に議題設定できるアジェンダ形式とすることで、一部の人が一方的に意見を言うのではなく、全員が自由に同じくらい発言できる会議を目指しました。

1週間の振り返りとして「良かったこと・感謝していること」にフォーカスした”Happy Time”という場を設け、メンバー同士で相互に肯定し合う取り組みも行っています。これはメンバー同士がお互いの良い所を見つけ合うことで、多様性を認め合い、意見を言いやすくする効果を目指しています。

また、普段取り組んでいることや発信したいことを”Lightning Talks” 形式で発表できる場も含めました。各自が主体的に発表を行い、グループ定例という枠での小さな成功体験を積み重ねることで、オンラインでの発表・発言に慣れることも一つの目的としています。

他にも定例とは別にグループ内ワークショップを行い、 共通認識を持って目標 (ゴール) に当たれることを期待した「目標決定ワークショップ」や、価値観を共有し合うことでコミュニケーションの質を高めるための「相互理解ワークショップ」等も行っています。

今回はそれらの取り組みのうち、楽しく実施できるゲーム形式のグループワークで、かつコミュニケーションを取る上でも効果が高いと考えられる「リモートワーク向け共通点探しゲーム」を紹介したいと思います。

共通点探しゲーム

「共通点探しゲーム」とは、その名の通り、制限時間内に対話を通してグループの仲間と共通点を見つけるゲームです。またコミュニケーション能力で重要な共通点を探す力を養うことができるグループワークでもあります。ゲームの目的は共通点を知ることではなく、内容を伝え合うことで、一体感を感じて相手の特徴をより知ることを目的としています。結果としてチームの協力(コラボレーション)を生まれやすくし、相互に助け合える環境を築くことを目標とした、チームビルディングのための一つの手段でもあります。

<まとめ>

  • 共通点探しゲームの目的は、相手の特徴をより知ること
  • 相手の特徴を知り、共通点を探すことで、理解と共感を得ること
  • 効果は、メンバーの親密度や、結束力の向上を得られること
  • チームのコミュニケーションの量を増やし、関係の質を高めること
  • ポイントは、楽しくオンラインでも実施できるワークであること

利用ツール

オンラインでの共通点探しゲームでは、以下のツールを利用します。ツール自体は必要に応じて代替え可能です。
オンライン会議 : Zoom
ホワイトボード : Metro Retro
リアルタイム投票 : Mentimeter
グループ分け : 第一学習社様のWebアプリをお借りしました。
アンケート : Microsoft Forms

タイムテーブル

以下のタイムテーブルで進行します。

9人で実施して合計75分程度の想定です。

  1. 共通点探しゲームのルールと目的説明、チーム分け (10分)
  2. 各グループでリーダー、タイムキーパ、チーム名を決定 (1分)
  3. 各グループで全員の共通項目を出来るだけ多く発見 (10分)
  4. 各グループで「発表する共通点を1つ」決定する (4分)
  5. 各グループリーダが共通点を発表 (1グループ3分、計9分 )
  6. 全員で、最も良いと思ったグループの共通点に投票 (1分)
  7. 再実施の場合、新たにチームを分け2~6を繰り返す(25分)
  8. 投票結果の発表 (5分)
  9. 全員での振り返り(最初の目的が達成できたか) (10分)

進行方法

  1. 共通点探しゲームのルールと目的説明、チーム分け

共通探しゲームを行う前に、事前に目的(関係の質を高めること)を伝えます。このゲームは2名から実施できるゲームですが、人数が多いと共通点を探すのがより難しくなるため、2~5名以下のグループ分けをするのがやりやすいかと思います。今回は9名で実施しましたので、3名×3グループに分けました。

またメンバーの目の前でランダム確定したグループ分けを発表できるよう、以下ツールを利用しました。※ありがとうございます!

http://www.daiichi-g.co.jp/osusume/forfun/10_group/10.html

オンライン会議中にグループワークを行う方法としては、Zoomの場合はブレイクアウトルームが便利です。例えばホストの方が「20分間、各チームで集まって共通点を探してください!」と参加者に伝えてブレイクアウトルームを割り当てることで、グループ単位でまとまった参加者がグループミーティングを行えるようになります。

2~4.共通する項目を出来るだけ多く発見、発表内容を決める

探し出す共通点は自由形式とすることもありますが、今回は題材を決めて実施しました。1回目は「最も重要だと思う共通点」をテーマに、2回目は「最もユニークだと思う共通点」をテーマとし、各グループごとに共通点を探しました。今回は実施しませんでしたが、逆に「共通しないもの」を探すのもアリだと思います。

共通点を書きだすには、Metro Retro というホワイトボードアプリを使いました。1つのホワイトボード上にグループごとの枠を作り、その枠内にグループの参加者が書き込み、話し合いながら共通点を探し出すスタイルで進めました。

5~6,8.各グループリーダが共通点を発表し、参加者が投票・結果発表

各グループでの話し合い完了後(Zoomのアウトブレイクルーム終了)、それぞれのグループリーダが「グループ内で検出された共通点の件数」と「最も〇〇だと思った共通点を1つ」、参加者全員へ発表します。〇〇はテーマに応じて変わるため、ここでは、1回目は最も重要だと思った共通点を発表、2回目はユニークだと思った共通点を理由を含めて発表を行いました。

参加者は、もっとも良いと思ったグループの共通点に投票を行います。ここでの投票は、リアルタイムで投票やアンケートを実施し、結果を共有できるMentimeterを利用しました。リアルタイムで結果を集計でき、結果を即座にメンバーへ共有できるので、グループワークでのアンケートやクイズ、投票などを行う際に、便利だと思います。

9.全員での振り返り(最初の目的が達成できたかどうか)

最後に、グループワークの時間内で、全員で振り返りを行いました。振り返りでは「仲間の意外な一面を知ることができましたか?」といった設問や「良かったこと・感想」をお願いした結果、”共通点を見つけるプロセス自体が面白かった”という意見や、”自分自身を見つめる機会となった”などの感想もありました。

終わりに

終了後にMicrosoft Formを利用して取得したアンケート(他のワークショップを含めてます)では「相互理解が深まった」と全員が回答をくれました。総じて、実施してよかったと思います!

オンラインでもグループワークが実施でき、アンケートも取ることも出来ますので、是非興味があればやってみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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