4つの融合からイノベーションを起こして、共創のお手伝いをする「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」参加しました

Watanabe Daisuke
WingArc1st Inc.
Published in
Mar 29, 2022
NINNO 産産官学 Fest Vol.1

木山産業株式会社と株式会社イードアが共催する、ガバメントピッチ「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」参加してきました。

2022年3月24日にNINNOで開催された「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」の参加レポートです。

ガバメントピッチとは、 地方課題の解決や新規事業の開拓へ向けて、行政と民間企業とを結びつけるマッチングイベントです。

「地方」という言葉はもう古い。もう、イノベーションに中央も地方も関係ない。

「地方」という言葉はもう古い。もう、イノベーションに中央も地方も関係ない。

課題(social issues)を融合(co-creation)して、イノベーション(innovation)を起こします。

中央(例えば、東京)では、大きな企業とスタートアップが共創して、課題を解決のためにイノベーションを起こしています。

比べて、地方(例えば、新潟)は大きな企業は少なく、スタートアップと共創が難しいです。

しかし、地方には、行政・自治体があります。

そして、地方ならではの課題(social issues)を抱えています。

そのような課題を、地方の行政と、地方に限らないスタートアップを融合(co-creation)して、イノベーション(innovation)を起こすことで、解決に繋げます。

social issues -> co-creation -> innovation

地方の課題は、イノベーションを起こす近道です。

日本人は、起業して成功するなら上京する!という認識が大きいのではないでしょうか。

しかし、その認識は間違っていて、地方でも成功、イノベーションは起こせます。

確かに、企業数で比較すると地方は劣りますが、できない、ではありません

むしろ、地方の課題は認識しずらく、行政・自治体の課題を吸い上げて解決するほうが、近道ではないのか?を思います。

その吸い上げの場が、今回の「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」であります。

「産産官学」とは、NINNOが創り、発信する造語です。

産産官学は、以下の座組により、融合とイノベーションを起こすことです。

  1. 【1つ目の産:地域に根付いた企業】
  2. 【2つ目の産:地域になかった企業】
  3. 【官:地域課題を最も俯瞰的に把握している行政】
  4. 【学:上記の共創を強化・促進する教育・研究機関】

「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」は、以上の4つの融合からイノベーションを起こして、共創の活動へとつなげていくことを目的です。

1.~3. 企業と行政がプレゼンを行って、お互いに共創ができるのか?を投票してセッションをします。

【1つ目の産:地域に根付いた企業】のNINNOメンバーからのプレゼンです。

ここからは、私が気になったプレゼンをピックアップします。

まずは、以下のスタートアップ企業からのプレゼンです。

  • 新潟の企業
  • NINNOメンバー

4社からのプレゼンがあり、その中から「TOMPLA株式会社」をピックアップします。

TOMPLA株式会社

地方には、移動販売車は回っていますが、舗装がない、積雪が原因で車が通れないルートが存在します。

さらには、通るルートであっても、身体能力的にたどり着くことができない方もいます。

そのような方を救うべく、移動販売車が担保しきれないルートをドローンで拡張できると良いと思いました。

【1つ目の産:地域に根付いた企業】のNINNOメンバー以外からのプレゼンです。

次は、以下のスタートアップ企業からのプレゼンです。

  • 新潟の企業
  • NINNOメンバー以外

3社からのプレゼンがあり、その中から「株式会社パンタレイ」をピックアップします。

株式会社パンタレイ
  • 企業:株式会社パンタレイ( https://www.pantarhei-nagaoka.com/)
  • 地域:新潟県長岡市
  • コンセプト:安心・安全の小型風車
  • 事例:エアコンの室外機のようなコンパクトかつ、耐久性のある風力発電を可能に
  • 解決したい課題:新潟のエネルギー問題を解決する

SDGsではクリーンなエネルギーが求められています。

脱炭素の文脈で、風力はクリーンなエネルギー供給ができます。

日本は土地が狭いですが、コンパクトな小型風車は、日本の課題にマッチしていると感じました。

【2つ目の産:地域になかった企業】からのプレゼンです。

次は、以下のスタートアップ企業からのプレゼンです。

  • 新潟以外の企業

4社からのプレゼンがあり、その中から「株式会社ココロミル」をピックアップします。

株式会社ココロミル
  • 企業:株式会社ココロミル(https://kokoromil.com/)
  • 地域:東京都新宿区
  • コンセプト:病気で人々が後悔しない社会へ
  • 事例:淡島は週一でしか医者が来ないが、遠隔で本土の先生がリアルタイムで診察する
  • 解決したい課題:子どもの心のケア

地方では、医者の数が少なく、さらには、医院まで通うことが困難な方が居ます。

ココロミルのウェアラブル心電計「duranta」による遠隔診断は、医者と困難な方の懸け橋になると思いました。

【官:地域課題を最も俯瞰的に把握している行政】からのプレゼンです。

次からは、新潟の行政からのプレゼンです。

6つからのプレゼンがあり、その中から「南魚沼市」をピックアップします。

  • 行政:南魚沼市(https://www.city.minamiuonuma.niigata.jp/)
  • 地域:新潟県南魚沼市
  • コンセプト:スノーテック(除雪技術とAIによる人材不足を解消)
  • 事例:除雪技術はトップクラス
  • 解決したい課題:除雪業者の後継屋不足、除雪費(年15億円)の削減

新潟でも特に豪雪地帯である南魚沼市です。

それ故に、除雪技術は素晴らしく、その技術を全国展開できないか?とデメリットをメリットに変換していて、面白いと感じました。

スタートアップと行政のセッション

スタートアップと行政のセッション

以上で、1つ目の産、2つ目の産、官が、それぞれのプレゼンをお互いに聞き合いました。

そして、共創できそうなスタートアップ企業と行政のセッションが始まります。

共想希望内容と行政と企業のマッチング発表

共想希望内容と行政と企業のマッチング発表

セッションの結果、多くのスタートアップ企業と行政がマッチングしました。

マッチングしたスタートアップ企業には、NINNO Friendという1年間NINNOのスペースを利用できる招待券が送られます。

弊社もNINNOメンバーでありますので、そのような熱い方たちとお話しできる機会が増えて楽しみです。

課題はその地が生み出すものではなく、人が生み出すもの

今回、「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」に参加させていただいて、一番心に残ったのが、南魚沼市様の質疑応答で

「農家や除雪の後継者不足の原因は?」

「カッコ悪いというイメージを親が押し付けた」

という言葉でした。

地方から人が減り、困っているから、社会減(転入と転出の差がマイナス)を押さえたい、と地方に居住される人は言います。

しかし、それは、その地に問題(例えば、豪雪)や行政に問題があるのではなく、自分たちがそう仕向けているのではないか?と考えさせられました。

どのような仕事にも必要だから存在しているので、優劣は付けるべきではない、と思います。

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