4つの融合からイノベーションを起こして、共創のお手伝いをする「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」参加しました
木山産業株式会社と株式会社イードアが共催する、ガバメントピッチ「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」参加してきました。
2022年3月24日にNINNOで開催された「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」の参加レポートです。
ガバメントピッチとは、 地方課題の解決や新規事業の開拓へ向けて、行政と民間企業とを結びつけるマッチングイベントです。
「地方」という言葉はもう古い。もう、イノベーションに中央も地方も関係ない。
課題(social issues)を融合(co-creation)して、イノベーション(innovation)を起こします。
中央(例えば、東京)では、大きな企業とスタートアップが共創して、課題を解決のためにイノベーションを起こしています。
比べて、地方(例えば、新潟)は大きな企業は少なく、スタートアップと共創が難しいです。
しかし、地方には、行政・自治体があります。
そして、地方ならではの課題(social issues)を抱えています。
そのような課題を、地方の行政と、地方に限らないスタートアップを融合(co-creation)して、イノベーション(innovation)を起こすことで、解決に繋げます。
地方の課題は、イノベーションを起こす近道です。
日本人は、起業して成功するなら上京する!という認識が大きいのではないでしょうか。
しかし、その認識は間違っていて、地方でも成功、イノベーションは起こせます。
確かに、企業数で比較すると地方は劣りますが、できない、ではありません。
むしろ、地方の課題は認識しずらく、行政・自治体の課題を吸い上げて解決するほうが、近道ではないのか?を思います。
その吸い上げの場が、今回の「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」であります。
「産産官学」とは、NINNOが創り、発信する造語です。
産産官学は、以下の座組により、融合とイノベーションを起こすことです。
- 【1つ目の産:地域に根付いた企業】
- 【2つ目の産:地域になかった企業】
- 【官:地域課題を最も俯瞰的に把握している行政】
- 【学:上記の共創を強化・促進する教育・研究機関】
「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」は、以上の4つの融合からイノベーションを起こして、共創の活動へとつなげていくことを目的です。
1.~3. 企業と行政がプレゼンを行って、お互いに共創ができるのか?を投票してセッションをします。
【1つ目の産:地域に根付いた企業】のNINNOメンバーからのプレゼンです。
ここからは、私が気になったプレゼンをピックアップします。
まずは、以下のスタートアップ企業からのプレゼンです。
- 新潟の企業
- NINNOメンバー
4社からのプレゼンがあり、その中から「TOMPLA株式会社」をピックアップします。
- 企業:TOMPLA株式会社( https://www.tompla.tokyo/)
- 地域:新潟県新潟市
- コンセプト:ドローンのある暮らしを作る
- 事例:調理済みの料理(コーヒー)をドローンにより提供する
- 解決したい課題:新潟の買い物困難者(新潟だと自治体も30%が課題と認識)を開放する
地方には、移動販売車は回っていますが、舗装がない、積雪が原因で車が通れないルートが存在します。
さらには、通るルートであっても、身体能力的にたどり着くことができない方もいます。
そのような方を救うべく、移動販売車が担保しきれないルートをドローンで拡張できると良いと思いました。
【1つ目の産:地域に根付いた企業】のNINNOメンバー以外からのプレゼンです。
次は、以下のスタートアップ企業からのプレゼンです。
- 新潟の企業
- NINNOメンバー以外
3社からのプレゼンがあり、その中から「株式会社パンタレイ」をピックアップします。
- 企業:株式会社パンタレイ( https://www.pantarhei-nagaoka.com/)
- 地域:新潟県長岡市
- コンセプト:安心・安全の小型風車
- 事例:エアコンの室外機のようなコンパクトかつ、耐久性のある風力発電を可能に
- 解決したい課題:新潟のエネルギー問題を解決する
SDGsではクリーンなエネルギーが求められています。
脱炭素の文脈で、風力はクリーンなエネルギー供給ができます。
日本は土地が狭いですが、コンパクトな小型風車は、日本の課題にマッチしていると感じました。
【2つ目の産:地域になかった企業】からのプレゼンです。
次は、以下のスタートアップ企業からのプレゼンです。
- 新潟以外の企業
4社からのプレゼンがあり、その中から「株式会社ココロミル」をピックアップします。
- 企業:株式会社ココロミル(https://kokoromil.com/)
- 地域:東京都新宿区
- コンセプト:病気で人々が後悔しない社会へ
- 事例:淡島は週一でしか医者が来ないが、遠隔で本土の先生がリアルタイムで診察する
- 解決したい課題:子どもの心のケア
地方では、医者の数が少なく、さらには、医院まで通うことが困難な方が居ます。
ココロミルのウェアラブル心電計「duranta」による遠隔診断は、医者と困難な方の懸け橋になると思いました。
【官:地域課題を最も俯瞰的に把握している行政】からのプレゼンです。
次からは、新潟の行政からのプレゼンです。
6つからのプレゼンがあり、その中から「南魚沼市」をピックアップします。
- 行政:南魚沼市(https://www.city.minamiuonuma.niigata.jp/)
- 地域:新潟県南魚沼市
- コンセプト:スノーテック(除雪技術とAIによる人材不足を解消)
- 事例:除雪技術はトップクラス
- 解決したい課題:除雪業者の後継屋不足、除雪費(年15億円)の削減
新潟でも特に豪雪地帯である南魚沼市です。
それ故に、除雪技術は素晴らしく、その技術を全国展開できないか?とデメリットをメリットに変換していて、面白いと感じました。
スタートアップと行政のセッション
以上で、1つ目の産、2つ目の産、官が、それぞれのプレゼンをお互いに聞き合いました。
そして、共創できそうなスタートアップ企業と行政のセッションが始まります。
共想希望内容と行政と企業のマッチング発表
セッションの結果、多くのスタートアップ企業と行政がマッチングしました。
マッチングしたスタートアップ企業には、NINNO Friendという1年間NINNOのスペースを利用できる招待券が送られます。
弊社もNINNOメンバーでありますので、そのような熱い方たちとお話しできる機会が増えて楽しみです。
課題はその地が生み出すものではなく、人が生み出すもの
今回、「NINNO 産産官学 Fest Vol.1」に参加させていただいて、一番心に残ったのが、南魚沼市様の質疑応答で
「農家や除雪の後継者不足の原因は?」
「カッコ悪いというイメージを親が押し付けた」
という言葉でした。
地方から人が減り、困っているから、社会減(転入と転出の差がマイナス)を押さえたい、と地方に居住される人は言います。
しかし、それは、その地に問題(例えば、豪雪)や行政に問題があるのではなく、自分たちがそう仕向けているのではないか?と考えさせられました。
どのような仕事にも必要だから存在しているので、優劣は付けるべきではない、と思います。