DevOpsGはじめました

yakimotsu
WingArc1st Inc.
Published in
Dec 8, 2022

これはウイングアーク Agile and DevOps Transformation Stories のAdvent Calendar 2022、2022年12月8日の投稿です。

Dr.Sumを開発している私が今年度から開発と兼任でDevOpsGに所属し、活動してきたことやその成果についてちょっとだけ紹介する話です。

顧客視点で開発しましょうとはよく聞きますが、実際に顧客視点に立てる開発者はどれぐらいいるのでしょうか。
私は顧客の立場になったことはありませんが、Dr.Sumの管理クライアントが主担当で、ユーザーの役に立ち心地よく使えるものを作りたいと日々考えている開発者のひとりです。
「ユーザーの話を直接聞きたいんだけどコミュニケーションが苦手なのでユーザーの前でしゃべりたくないっす」というわがままを上司に言ってきたタイプです。

DevOpsGができたってよ

今年の3月、ウイングアークDE事業部にDevOpsGが創設され、私も兼任で所属することになりました。
DevOps、昨今たまによく聞くワードのひとつですが、見るたびググって「あーはいはい大体理解した」と満足してブラウザを閉じる、を最低でも10回は繰り返してきた単語の1つですね。
さて、ウイングアークDE事業部のDevOpsGとは、

開発(Development)と運用(Operations)が協調し、製品の品質や顧客とのエンゲージメントを向上させるグループで、「価値のある製品をより確実かつ迅速に顧客に届け続ける」ことを目的とする。
具体的には、今後増える他社製品との接続、新機能のフィードバック、実案件での課題を、他部署(主にCustomerExperience統括部、DECS部など)と連携し解決する。
運用現場を知り、直面する課題、対応すべきことを迅速にとらえることで、高い顧客満足度の創出、製品の品質向上、顧客視点の開発能力育成を目指す。

ちょっと何言ってるのかわからない人もいるかと思いますが、めっちゃ簡単に言うとユーザーに製品のことを好きになってもらうための活動をしていこうというものです。
直近の活動としてはこのようなものでした。

  • CustomerSuccessManagerDEG(以下SMG)が行っているサクセスプログラムやオンボーディングプログラムの見学
  • ユーザー訪問(にリモートで参加)

サクセスプログラム、オンボーディングプログラムとは、製品を導入したユーザーが運用に乗せられるよう対面でサポートするプログラムです。
ユーザーが操作するところを見学したり、直接フィードバックを得られる、しかも見学という形なので基本的に発言しなくていい、とのこと。

これ、まさに自分がやりたかったことでは!
ユーザーが操作しているところを見学できるうえに発言しなくていい、とは人前でしゃべりたくない私にはピッタリです!
実際、開発はモノを作るのにいろいろ調査して議論に議論を重ねて仕様を考えることが仕事の大半だが、そのフィードバックを直接受けることは少ない。
間接的に来た「要望」はもちろん有効ではあるが、なぜそれが必要かわからなかったり、本当にそれが潜在的なニーズを満たす最適解なのか?と感じるものも多い。
そんな中で、直接ユーザーの反応やつまづきポイントが見られるのは大変貴重な機会なのです。

活動を通して得られたもの

ユーザーからの直接のご意見や、操作をしているのを見学する中で様々なものを得られました。

  • 機能追加
  • スモールユーザビリティの改善
  • バグ発見
  • 自分も知らなかった製品の仕様
  • お褒めの言葉
  • 叱責

実際にパッチや最新バージョンで対応したものも結構あります。

スモールユーザビリティ改善

たとえばこれ。

このグループ化のドロップダウンリストがセル幅になっていて、見切れていますね。
サクセスプログラムの見学にて、ユーザーがグループ化の設定をしようとしたときにこのように表示されていましたが、ユーザーは特に気にした様子もなくヘッダーの幅を広げて選択しなおしていました。
こういう操作はぼーっとしてると見逃しちゃうほど小さいことですが、気づいてすぐにパッチで修正しました。

スモールすぎるわ!
確かに小さい対応ではありますが、これをやるかやらないかが製品を好きになってもらうかどうかの分岐点になってくると思います。
私自身もこういう小さいところをよくすることで、より自分たちの製品が好きになっていきます。
もちろん他にも大小いろんな対応を入れてきましたが、こういった小さい修正も大切にしていきたいですし、ストレスの少ないツールにしていきたいですね。

また、ユーザーが困っていたことを解消した時は「この間のあれ、パッチで修正いれました」とドヤることで、ユーザーから「え、対応してくれたんですか!?ありがとうございます!」と感謝をいただけることもあります。
こういう地道なことをスピード感を持って対応することが、より製品やウイングアークを好きになってもらうきっかけになれば、と思っています。

生のお言葉

時には厳しい言葉もいただきます。

「これ作ってる人はさ、この機能使ったことないんだろうね」

大変耳が痛いですね。
もちろん開発するときに自然に操作できること、マニュアルを見なくてもわかること、いろんなことを考え議論に議論を重ねて開発しています。
ただ、業務上で使うことがあまりないのもあり、開発した人よりもユーザーや他部署の人の方がゴリゴリに使ってくださっていることがほとんどです。

こういうご指摘が開発まで届くのは大変ありがたいです。
普段自分たちが使っているツールで思うことがあっても、それをフィードバックすることって少ないですよね。
これを言ってくださったユーザーも「他に同じように困ってる人もいると思う。自分が言うことで製品もよりよくなってくれればいい(要約)」とおっしゃってくださいました。

DevOpsGの活動は終わらない

ユーザーからの要望やご意見はDevOpsGが創設される以前から、他部署から伝え聞いて対応するなどしてきました。
ただ、こうしてユーザーと対面する機会は(一般開発者はとくに)少なかったと思います。
やはり実際に困っているところを見たり、他の人が気づかない違和感を発見したり、そういったことは今までの伝聞形式では得られなかったと思います。
また今年1年、もちろん開発専業だったとしてもいろんな要望などには対応してきたと思いますが、DevOpsGというところに所属しているということで意識は一段と上がったと思います。

今後もDevOpsGとしてユーザーに自然に使ってもらえる、好きになってもらえる活動を続けていきたいと思っています。
また、状況次第ではリモートだけではなく、リアルでユーザーに会える(ただし自分は前でしゃべらない)活動もやっていければと思います。

最後になりましたが、DevOpsGが活動できるのはSMGやTechnicalSales部、営業の方々、そして見学を許可してくださるユーザーさんのおかげです。
感謝の心を忘れずに、少しでも多くのものを製品に反映したり次の新機能に活かしたりしていきたいと思っています。

こういう仕組みを作っていくことはなかなか難しいかもしれませんが、貴重な生の声を聞く機会があれば是非積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

仕事に没頭すると時間を忘れるため、会議をすっぽかさないよう30分おきにパッポゥする時計を導入しました。photo by yakimotsu

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