LEGO®️の代わりにマイクラチックなサンドボックスゲーム環境を使って、フルリモートな『まちづくりワークショップ』をやってみたハナシ

あらかー
WingArc1st Inc.
Published in
9 min readAug 17, 2020

Agileにまつわるエトセトラ #6

今年は新人研修もリモートワーク

こんにちは。荒川です。

ウイングアークは新型コロナが本格的に日本で騒がれ始めた3月初旬のタイミングで「全従業員は原則リモートワーク」の方針に切り替えました。
その方針は4月に入社した新人さん達も例外ではなく、入社後から現在にかけて研修はすべてリモートで行っています。

去る7月某日、去年に引き続き今年も私が新人研修の1コマに関わることになりました。
私が担当する研修は、半日程度の『まちづくりワークショップ』で、そのワークを通して「チーム開発」やアジャイルフレームワークのひとつである「スクラム」を体感してもらうというものです。

今年はLEGO®️が使えない

去年は、私が以前ワークショップでお世話になったご縁からDMM.comの河西さん(@norinity1103)をファシリテーターにお招きして、LEGO®️を使ったまちづくりワークを実施しました。
詳細は去年内藤さんが書いたこのブログを参照ください。

今年もほぼ同様の趣旨のワークを実施することになったのですが、去年とは決定的な違いがあります。

「リモートだとLEGO®️使えないじゃん。」

去年のように大量のLEGO®️が置かれたテーブルをみんなで囲んで、ワイワイまちづくりをすることが物理的に不可能な状況なのです。

LEGO®️の代わりになるもの

LEGO®️問題の他にも、リモート環境下における共同作業ツール(たとえばホワイトボードや付箋の代わりになるツールなど)を検討する必要がありましたが、まずはLEGO®️の代わりとなる「ものづくりツール」を決めなければ何も始まりません。

ツールの選定にあたっては以下の条件を設定しました。

・リモートかつマルチユーザーで作業が出来る
・完全プライベートで作業が出来る(社外の人が来ない)
・クライアントの準備(機器購入・ソフトのインストールなど)が不要
・比較的操作が容易
・動作が軽快

ネット情報を漁り、試せるものは片っ端から試しましたが、この条件に当てはまるツールはClassiCubeというマインクラフトのクローンサービスだけでした。
他によさげなツールがあればご一報ください。(spi@wingarc.com)

もともとの選択肢も少なく、ほぼ消去法で決定したClassiCubeでのワークショップ。果たしてうまくいったのでしょうか。

ということで次の章からは、新生まちづくりワークショップの準備および実施内容をYWT(やったこと・わかったこと・つぎやること)形式でお伝えします。

やったこと

ClassiCube

準備した内容は下記の通りです。

サーバー&アカウント準備
公式HPからサーバーソフト(MCGalaxy)をDLしてAzure上で動作させた
新人さんたちのアカウントを作成した

・操作マニュアル
グループ内で試操作を行い、必要最低限の操作マニュアルを準備した

練習エリアを確保
作業エリアの他に練習エリアを確保しておき、練習時間を設けた

皆さん飲み込みが早く、練習タイムでは放火事件が発生しました。

SpatialChat

このワークは参加者がグループに分かれたり集合したりを頻繁に繰り返すため、それをリモートで実現できるコラボレーションツールの検討も必要でした。
(Zoomのブレイクアウト機能ではスピード感に欠けるという判断です)

いろいろなツールを試した結果、画面内でシームレスにグルーピングが可能なSpatialChatが最適であるという結論に達しました。

Miro

街の設計図やペルソナ、カンバンやふりかえりなど複数人で共同作業を行う場所は、SPQI部でも使い慣れているMiroに一本化しました。

わかったこと

ClassiCube、思ったより作れるぞ

LEGO®️はあらかじめ様々な形の部品が用意されていますが、ClassiCubeの部品はすべて立方体です。
キーボードでの操作にも慣れていない参加者が限られた時間内(作成時間は正味20分程度)で果たしてどれくらいの建造物を作成できるのか。

ワークの実施前はあまりポジティブなイメージを持つことができませんでしたが、その心配は杞憂におわりました。
百聞は一見にしかずということでこちらの動画をご覧ください。

傑作ぞろいです。よろしければいいねボタンとチャンネル登録をお願いします。

SpatialChatは必須ツール

参加者がさっと分かれてさっと集まる。
グルーピングの機会が多いワークでは、今のところSpatialChatが最適なツールだと感じています。このツールは私たちのワークにテンポをもたらしてくれました。
注:2020年8月10日より有料になりました https://spatial.chat/pricing

ワーク中のSpatialChat。近づいたり離れたり自由に場所移動できます。

安定のMiro

カンバンやふりかえりのテンプレートが標準で用意されていて、タイマーで時間管理もできて、フリーハンドで絵も描ける。
タスクや要件管理の共同作業はもう全面的にMiroにお任せしますといった感じです。

このMiroを見ろ

次やること

ツール探し

しっかり準備をすればClassiCubeで一定のクオリティのものづくりワークが出来ることがわかりましたが、これがベストだとは考えておらずツール探しは継続していきたいと思っています。

ワークのテンプレートをアップデート

今回はClassiCubeの準備に注力したので、ワークの進め方などは去年のものをほぼ踏襲する内容でした。
時間配分や流れの説明の仕方などを、リモートワーク用にテーラリングする必要があると感じています。

ワークショップ開催

まだまだ改良の余地はありますが、リモートで共同作業できるワークショップの仕組みを構築したので、たくさん開催して学習サイクルを回していきたいと思っています。
社内外問わず、ご興味持たれた方はぜひ下記までご連絡ください。
「spi@wingarc.com 担当:内藤・荒川」

新人さんにお土産は渡せたはず

このワークショップの構築に取りかかる前は、「LEGO®️使えないなら難しいんじゃないかなあ。」というのが正直なところでしたが、たかはしひろゆきさんや内藤さんとやれるだけの準備をして本番を迎えた結果、思いの外スムーズにワークを進行することができました。

ワーク終了後に新人さんたちからいただいたフィードバックの内容も、私たちが持ち帰ってほしかった気づきや学びに近い内容であったことから一定の成果は出せたと感じています。

新人さんたちの気付きの声。ありがとうございます!

リアルで出来ることはリモートでも出来る

思い起こせばリモートワーク体制に切り替わった3月・4月頃、何かと出くわす不便さや課題に対してついついリモートワークのせいにしがちなところを、「リモートで起きることはリアルでも起きる。それってリモートが原因?」と自問自答して変化に対応するように努めてきました。

今後こういった「リアル to リモート」的な課題に向き合った時も、
「リアルで出来ることはリモートでも出来る。知らんけど。」くらいのテンションで取り組めば面白い仕事ができるのではないかなというのが、今回の経験を通して私が実感したことです。

そのためにも、常に思考を止めずアンテナを立ててこれからも変化の波に乗っていく姿勢を崩さないようにしたいと思います。

それではまた。

いい波のってんね〜 Photo by Patrick Fore on Unsplash

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あらかー
WingArc1st Inc.

ウイングアーク1stでプロセス改善とソフトウェアテストの自動化に取り組んでます / Certified ScrumMaster® /Certified ScrumDeveloper®/Certified Scrum Product Owner® / JBA公認E級審判