QAエンジニアの仲間集めについて語りたい

アジャイル時代のQAマネージャー#5

Jumpei Ito
WingArc1st Inc.
Dec 25, 2023

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これはウイングアーク1st Agile and DevOps Transformation Stories のAdvent Calendar 2023、2023年12月25日の投稿です。

https://adventar.org/calendars/8599

Happy Merry Christmas!!いかがお過ごしですか?

最近はエンジニアの人材不足の問題と、流動化の波が激しくなったように見えます。コミュニティや、周りの知り合いも次々に転職して、次の環境でも活躍しているようです。それはとても良いことで、自分事のようにうれしいですね。

さて、ウイングアーク1stのQAはどうかというと、積極採用中です。そしてSPQI部への採用に関しては「仲間集め」という名目で、組織で活動しています。この記事では私がQAマネージャーになって2年経ったところで、どんな仲間集め活動をしてきたかを記したいと思います。

Photo by 私 @ 本社

スクラムフェス三河で仲間集めについて発表しました

思えば2021年の11月に「新米QA部門長としてモダンなQAを目指すには?」という記事を書きました。あれからもう2年も経っていることに驚きです。時が経つのは速いですね。この記事にも書いてますが、新米QAマネージャーとしての活動をJaSST nanoスクラムフェス三河2021で発表していました。

QAマネージャーの話は界隈でもなかなか聞けないので貴重。もっと発信するべき。

あの頃は、にしさんにエールをいただいてました。今でもそれが自分の中のモチベーションになっています。

私の中ではスクラムフェス三河はとても特別なイベントで、運が良いことにスクラムフェス三河2023では3年連続の発表となりました。いつも直近のQAマネージャーとしての活動について発表の機会をもらえております。
今年は採用活動のパートナーであるミナミさんと共に「仲間集め」についてアウトプットすることが出来ました。

以下はその時の資料と動画です。

思い込みの採用活動

今回の発表はQAマネージャーとして、エンジニアリングマネージャーの仕事の一部でもある「採用」に対して真摯に取り組んだ結果を一度アウトプットしたいと思い、ミナミさんを巻き込んだ形となります。

自分が今まで現場の開発プロジェクトに没頭していた頃は、採用のことなんて全く考えておらず、組織のラインマネージャーが人を調達するものくらいに思っていました。なので「こんなに忙しいのに自分の上司は全く人を入れてくれない」と嘆いていた時代もありました。

でも自分がラインマネージャーになると、「こんなにも人を入れるのが難しいのか」と嘆いています。何せ、ほしい人材に会えないのですもの。

今までの採用プロセスはこのような感じです。

まず社内のHR採用担当にQAに関するJob Descriptionを送って、しばらく待っていると、「エージェントから連絡が来たので面接お願いします」と、面接のスケジュールが設定されます。ただ、エージェントから紹介されるエンジニアが、我々のほしい人材ではないので、結局採用できない。

実はこれの繰り返しです。

スライドより

またHR採用担当からしても、そのプロセスはまるで採用を”外注”されているという感覚で、負であったことを教えてくれました。

スライドより

採用活動はエンジニアの仕事でもある

ほしい人材が獲得できないからと言って、社内のHR採用担当に嘆いてもしょうがない。それは採用活動を完全に丸投げする行為と同じだということに気づきました。またHR採用担当からしても外注されている感覚。

ではどうすれば良いかというと、自分から探しに行けばよいということに気づきます。そうです。採用活動はエンジニアの仕事でもあるのです。

では、どう探せばよいかというと、自分が結論としたのは以下です。

  • 先ずは会社のプレゼンスを上げる
  • プレゼンスを上げるには自分たちの活動を発信すべき
  • 自分たちの活動を発信するには、ブログ、動画配信、コミュニティ活動を通して発信を継続すべき
  • 自分たちの活動を現場のストーリーとして発信すれば、共感を持ったエンジニアが反応してくれるはず(仮説)
スライドより
スライドより

つまり、プレゼンスを上げつつ、優秀であり、自分たちが仲間と思えるエンジニアがいれば積極的にリファラル採用をするということです。

この私の取り組みについてはパートナーのミナミさんにも賛同をいただき、リファラル採用の大切さというのを言語化してもらって、二人で発表した次第です。詳しくはミナミさんの記事にアツく書いてあります。これは必読です。

weak ties(ゆるいつながり)とstrong ties(強い絆)

私が最も大切にしたいのは人と人とのつながりです。

リファラル採用というと企業から企業への人材の流出というイメージで、若干聞こえは悪いかもしれません。ですが当事者からすると、自分が求める働きやすい環境だったり、「この人と一緒に働きたい」と言ったモチベーションだったり、条件の良い報酬だったりで、満足度が高いと思います。

私が考える今後のエンジニアの働き方は、そういった流動性が高く、より良い環境や、自分(の価値)が貢献できる会社でエンゲージメントを高く働くのがベストだと思っています。

そこでweak ties(ゆるいつながり)とstrong ties(強い絆)です。

weak ties(ゆるいつながり)とは即ち「弱い紐帯」のことで、ちょっとした知り合いや、知り合いの知り合いとゆるくつながっていることにより、有益で新規性の高い情報をもたらしてくれる可能性が高いことを言います。

実際に私は複数のエンジニアコミュニティや、エンジニアとは全く関係のない地方のコミュニティに入っており、人と人とのつながりは数多く持っている方だと思います。その中で少しでも自分がやりたいことや、自分が求める人材の話をすると、ありがたいことに各方面から話をいただくことが多いです。

strong ties(強い絆)とは、その名の通り強い絆です。コミュニティの中でも強い絆で繋がっている人は数多くいます。またそういった人は私が迷っていたり、困難な状況に陥っているときは、助けてくれることが多いです。(いつも感謝してます!)

例えば、社内でも自部門はもちろんのこと、自部門以外の人と強い絆で繋がっている人はいます。特に今回一緒に登壇してくれたミナミさんは、私が採用で困っているときに、共に行動してくれました。

じゅんペーさん、仲間集め一緒にやりましょう!

心強い!そして自分より若い人と強い絆で繋がってるって、なんと幸せなことでしょう!

もとめる人材について

さて、では仲間集めが本格化している今の状態で、ウイングアーク1stのQAが求める人材とはどんな人なのか?ということになります。

ウイングアーク1stが定めるキャリアイメージは過去に何度も登壇や記事化やしているので、あまりここでは言及しません。一番わかりやすいのは去年のアドベントカレンダーで書いた私の力作をご参照ください(ドヤっ)

ただ、ここでは具体的なQAスキルの話はしません。あくまで仲間として一緒に働きたい人材についてフォーカスしています。

まず伝えたいのは「キャリアはスキルだけではない」ということ。スキルについては、よくカジュアル面談や採用面接時に聞かれますし、話しやすい内容と思います。ただスキルだけ持っているのではなく、今までの経験の中でそのスキルをどう活かして、どんな体験をしたかが重要だと思います。これを私は「人的資本」と言います。

また、これは絶対に必要というわけではありませんが、「weak ties(ゆるいつながり)とstrong ties(強い絆)」でも説明した通り、スキル以外にも人とのネットワークがある人はQAのキャリアとしては重要な要素だと思います。そういった人は、意図せず「社会関係資本」を形成していると思います(持論)

スライドより

ということで、全く具体性のない「もとめる人材」について書きました。要は、スキルも大事な要素ですが、もっと大事な要素を重視したいのです。それは自己のスキルをもってどんな体験をしてきたか、といった人的資本であったり、社外にも人とのネットワークがあり自分のキャリアとしているような社会関係資本だったりです。

採用面接担当として、またキャリア支援として記事化されております

一緒に働きたい人をもう少し具体化したのが、こちらの記事です。LabBaseさんからインタビューしてもらいました。

また具体的にリファラルした社員がどのような経緯で、そしてウイングアーク1stに入った後にどのように感じているか、は社内で記事化されています。「リファラル入社者インタービュー」シリーズということで、第一回目のインタビュー記事を飾りました。今後このシリーズはどんどん増えていくようです。

紙媒体でもインタビュー記事になっています。社内のキャリアや人事制度について、人事担当役員の吉田とアツく語りました。(読みたい方は連絡いただければ冊子を差し上げます。)

人の「思い」は引き継がれる

このアドベントカレンダーの取り組みを自発的にしているメンバーもそうだし、アドベントカレンダーに記事を書いてくれているメンバーもそうなのですが、心から思うのが私は良い仲間に恵まれていること。そして、良い仲間と出会えていることだと思います。

このアドベントカレンダーの記事は個人的には良記事ばかりです。一年を通して自分たちが経験したことや、気づいたこと、学んだことが詰まっていて、そこにはその人の「思い」を感じます。

実は私も、今までの上司からたくさんの「思い」を聞いて学んできました。全部ではありませんが、今でも引き継いでいることはたくさんあります。例えば、今の部署名である「SPQI:Software Process & Quality Improvement」を変えていない理由もそこにあります。

そもそもQAエンジニアって一人では何もできないのですよね。

Agile Testingの文脈には"Whole-Team Approach"という言葉があり、チーム全体で責任をもって品質に向き合うことが提唱されています。私、個人的にこの言葉好きなのです。

チームで一つのことを成し遂げる。そこには色々なストーリーがあり、対立や納得感の共感等、様々な「思い」の詰まったドラマがあると思います。一緒に働くとは、そういった仲間とチーム全体で太い体験をすることではないでしょうか?

最後に

ウイングアーク1stのQAはそんな仲間集めを継続しています。

最後に、求人はこちらまでw(結局これを案内したかったのか!?)

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Jumpei Ito
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WingArc1st Inc. — Software Quality Assurance Manager