ScrumFestNiigata2023に参加してきました。

Watanabe Daisuke
WingArc1st Inc.
Published in
9 min readMay 30, 2023

去る2023年5月19日~20日、Scrum Fest Niigata実行委員会主催の「Scrum Fest Niigata 2023」が開催されました。

参加させていただいて、その学びをお伝えできればと思います。

0. 前提として、仕事とは【人からの期待】に応えることである

仕事の中で、役割によって【人からの期待】されることは異なります。

特に、<QA>の役割は、Shift-left & right testingと言われており、大きく変わり、そして広くなっています。

1. 【人からの期待】に応えるには、その人と一緒に”Big Picture”を眺めて、その人の目線にフォーカスして対話する

【人からの期待】は<PO>と<QA>ではズレることが多い

上の絵は、<PO>の人は「木」の全体を見ています。
つまり、Zoom Out(抽象化)して対話したいです。

しかし、<QA>の人が「葉」しか見えていません。
つまり、Zoom In(詳細化)しかしていません。

これでは、『なんかズレて、話が通じないな…』を思われてしまいます。

これは、<QA>の人は陥りがちです。

<QA>に対しての【人への期待】は欠陥を見つけることではなく、欠陥を評価することである

前段の説明ですと、皆さんと”Big Picture”のフォーカスが合っていないので、Zoom Inしますね。

<QA>の人は目の前の仕事、例えば、欠陥を見つけることにフォーカスします

そして、「テスト実行」と「欠陥を見つけること」を繰り返します。

しかし、<PO>が<QA>に対しての【人への期待】は、欠陥を評価して、リスク分析をできていることです。

そして、<PO>は「欠陥が残っているが、リリースして良いのか?」の判断材料を<QA>から提示してほしいのです。

欠陥を残すのはなぜ?は略します。
欠陥がない状態でリリースはできるのでしょうか?

このように、Zoom Outをして、対話する相手の目線でみることが必要です。

Zoom Out(抽象化)とZoom In(具体化)は、やりすぎると対話ができない

Zoom OutとInをやりすぎるのも問題です。

上の絵ですと、

  • Zoom Out(抽象化):「森」は「SDGs」のため
  • Zoom In(具体化):「葉」は「原子」で構成する

まで考えしまうことです。

どちらも対話の中で、『え?いまその議論する?』の原因になるので、良い塩梅を考えたいですね。

2. テスト自動化への【人の期待】が無いのであれば、その人の興味があることで対話する

自動テストが失敗する理由は、そもそも開発プロセスが整備されていないから

発表の中でYoshikiItoさんのテスト自動化お掃除ロボットをもとに、テスト自動化の効果をお話しされていました。

「お掃除ロボット」の例では、以下の効果があります。

  • 「お掃除ロボット」が動きにくい → 家の物が邪魔だから
  • 「お掃除ロボット」が動きやすい → 家の物がなくなるから → 家を綺麗にしておくという意識が働く

それを、「自動テスト」に当てはめると、以下の効果があります。

  • 「自動テスト」が動きにくい → 開発プロセスが整っていないから
  • 「自動テスト」が動きやすい → 開発プロセスが整っているから → 開発プロセスを綺麗にしておくという意識が働く

<PO>の興味は、プロダクトが早くリリースできることである

開発プロセスは、プロダクトを開発するために必要なことです。

そのため、開発プロセスが整うと、プロダクトが安定してリリースすることができます

<PO>の興味は、そちらではないでしょうか?

「自動テスト」は「プロダクト」をリリースするための手段でしかありません。

つまり、

  1. 「自動テスト」を安定させるためには
  2. 「開発プロセス」が整っている必要があり
  3. それは、「プロダクト」が安定して早くリリースされることに繋がる

とアプローチすれば、自動テストへに対しての【人の期待】は高まるのではないでしょうか。

逆に、開発プロセスと自動テストが切り離されている、つまり、開発プロセスに自動テストが組み込まれていない(テストは後追いである)と、効果の説明が難しいです。

3. QAが外から支援をすると、【人の期待】と異なることが多く、それは人へ伝えるスキルが足りないからである

会社の成長によって、<QA>は中から支援(インプロセスQA)だけではリソース不足になるため、外から支援(QAコーチ)が必要になる

上の絵の例ですと、
最初は、「プロダクトの数」と「インプロセスQAの数」が合っていて、問題はありません。

次に、会社が成長をすると、「プロダクトの数」が増えます。

その結果、「プロダクトの数」と「インプロセスQA」の数のバランスが取れないタイミングが発生します。

<QA>が外から支援(QAコーチ)をするには、人へ伝える、対話スキルが必要である

バランスが取れないと、プロダクトの重要度で優先順位を付けて低いものは、インプロセスQAは、QAコーチとして兼任して担当することになります。

ここで、問題が発生します。

それは、プロダクトCのチームの人は、<QA>に対しての『思った動きをしてくれないな…』と感じ始めます。

なぜなら、今まではその会社のチームでは、QA = インプロセスQAと認識されているからです。

さらに、QAコーチとして必要なスキルは、インプロセスQAと異なります。

それは、人へ伝える、対話するスキルです。

4. QAが【人の期待】に応えるには、何ができるべきなのか?を定義する必要がある

前段の続きです。

QAコーチが必要なスキルとして、人へ伝えるスキルがあることと伝えました。

しかし、Zoom Outして考えると、人への伝えるスキルは<QA>を構成する1つでしかないです。

なので、まずは、<QA>の持っているべきスキルを定義が必要なのではないでしょうか。

さらに、定義をもとに、QA組織のメンバーのスキルの棚卸が必要なのではないでしょうか。

スキルの棚卸をした結果、QA組織として弱い部分がわかります。

弱い部分がわかると、QA組織としてどのスキルを強化するべきか?がわかります。

そして、育成や採用の戦略を立てることが可能になります。

さらに、そのスキルを補うことが、【人からの期待】に応えるということに繋がり、自身のキャリアプランに反映する人も出てくるかもしれません。

<QA>の持っているべきスキル【QAスキルアセスメント】を学べるカンファレンスがある

実際に、freee株式会社様では、<QA>の持っているべきスキルを定義して、棚卸しをしております。

そして、実際にQAスキルアセスメントを作成された湯本さん(ymty / ゆもつよ)をお迎えして、その内容を余すことなく、聞けるカンファレンス「JaSST'23 Niigata」が「2023/9/22(金)」が開催されます。

前段で、「人に伝えるスキル」と抽象化して書きましたが、カンファレンスではZoom Inしてお話しします。

※ “02:ジュニアQAエンジニア > ID:25 > 疑問点を投げかけることができる”の部分

しかも、ScrumFestNiigata2023と同じ新潟で開催されますよ。

最後に

学びといいつつ、かなり私の解釈を交えてしまいました。

ただ、そのまま受け止めるのではなく、自分なりの考えを交えることは、自分の課題を整理できて、楽しかったです。

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