ふりかえりをポジティブにやってみた

いつものふりかえりをポジティブふりかえりマッピングにしていい感じになった

reo araki
WingArc1st Inc.
Dec 7, 2021

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これはウイングアーク Agile and DevOps Stories のAdvent Calendar 2021、2021年12月8日の投稿です。

はじめまして、ウィングアーク1stの ソフトウェアプロセス&品質改善部(SPQI部)の荒木と申します。普段はマニュアルの執筆者と一緒に仕事をしています。主な業務はマニュアルの品質に関する業務を行っています。その1つとしてマニュアルベーステストを行っています。

今回はポジティブふりかえりマッピングについて話をしようと思います。

はじめに

今年の夏、マニュアルベーステストがひと段落し、ふりかえりを行うことになりました。
普段はQAメンバーのみでふりかえりを行っていましたが、マニュアル執筆者を入れた方が改善活動をしやすいと思い、今回からマニュアル執筆者も入れて行うことになりました。

そこで、マニュアル執筆者に参加してよかった(一緒に考える気になる/また参加したい気になる)と思えるものにしたいと考えました。今までのふりかえりはKPT方式で実施していましたが、新しいやり方を模索していました。

そんな時に同じSPQI部の荒川さんから「最近、ポジティブふりかえりマッピングをやってみてとてもよかったです」という話を聞き、ぜひやってみたいと思い、荒川さんにお願いしてファシリテーターをやっていただくことになりました。
そこで今回やってみた「ポジティブふりかえりマッピング」を実施してみて良かったのでここで紹介したいと思います。

実施内容

今回のポジティブふりかえりマッピングは「ふりかえり読本_学び編_経験を力に変えるふりかえり」を参考にしました。

1.概要

「ふりかえり読本_学び編_経験を力に変えるふりかえり」の書籍の中には以下の説明が書いてあります。

ポジティブふりかえりマッピングとは:全員が最高の仕事をしていた、という前提を信じた上で、次に同じことをすればどうするのか、より最高のチームになるためには何をしたらいいのか、という未来思考の振り返りが「ポジティブふりかえりマッピング」です。

特徴としては、マインドセットや個別のステップを分解し、他のアクティビティに容易により組めることが挙げられます。

さらに「より良いものをさらに良くするにはどうしたらいいか?」を考えることで、改善だけでなく最善を目指せると思います。メンバーと意識を合わせることにより、一緒に最善に向かっていく感じがしてよいと思いました。

2.第一原則

さらに「ふりかえり読本_学び編_経験を力に変えるふりかえり」の書籍の中にはNorm Kerthの第一原則が書いてあります。

「どんな道をたどったにせよ、当時の知識・技術・能力・利用可能なリソース・状況の中で、みんなができる限り最高の仕事をしたはずです。それを心から信じます。」この声明を支持し、このふりかえりを非難なしで進めることに同意していただけますか?

Norm Kerthの第一原則を全員で復唱します。ふりかえりの場作りとして、最初に実施するとよいでしょう。この考えのもと、ふりかえりを進めていってよいかを全員に確認します。

個人的には宗教っぽくてお祈りのように感じましたが、面白いと思いました。

3.タイムボックス

上記の概要や第一原則を元に以下のタイムボックスを考え、実施してみました。

合計1.5h
参加者5名、ファシリテーター1名の想定です。

  1. オープニング:miroの使い方説明(15分)
  2. 思い出し:○○プロジェクト自分がしていた作業を思い出す(10分)
  3. ポジティブふりかえりマッピングの概要の説明
  4. 第一原則の音読と合意(5分)
  5. 「○○という点が素晴らしかったです」という感じで各自が「素晴らしかった点」に付箋を3枚貼る(5分)
  6. 各自の付箋を共有して、グループ化してグループ名をつける(5分)
  7. もっとよい他の方法を各自で考えて「もっと良いやり方」に付箋を3枚以上貼る(7分)(もう1回同じ方法でも今回より良い結果がでることは確実だと思いますが他にもやり方はあるはずです)
  8. アイデアをチームで共有しあう(5分)
  9. もっとも重要だと思うものにドット投票する※1人2票(1分)
  10. STEP6で上位1–2位になったアイディアをどうやって実験(小さく、素早く試す)するかをチームで議論し、「実験」に付箋を張る(10分)
  11. 感謝を伝えあう(5分)

4.実施

上記のタイムボックスの流れで「素晴らしかった点の洗い出し」「もっと良いやり方 を洗い出す」「実験」が今回のポジティブふりかえりで特に重要だと思ったので以下に紹介します。

4.1 素晴らしかった点 を洗い出す

「○○という点が素晴らしかったです」という感じで各自が「素晴らしかった点」に付箋を3枚程度貼り、各自発表を行います。

普段、よかった点にフォーカスして考えることが少なかったので、あらためて考えることで新しい発見もありました。特に他の人の意見を見ると自分では当たり前と思ってやっていたことが、素晴らしい点に挙げられていてテンションが上がったことが強く印象に残っています。

実施イメージ(一部を抜粋)

4.2 もっと良いやり方 を洗い出す

もう1回同じ方法でも、今回より良い結果がでることは確実ですが、他にもやり方はあるはず。「もっと良いやり方」について、前向きに考え、各自発表しました。その後に各自がもっとも重要だと思うものにドット投票●をしました。

このワークが今まで考えたことがほとんどなかったので実は一番難しかったです。現状に満足せず、常にもっと良い方法はないかを見つけるマインドが必要だと思いました。

実施イメージ(一部を抜粋)

4.3 実験

もっと良いやり方 を洗い出す」でドット投票●で決まったアイディアをどうやって実験するかをチームで議論しました。

現実的にできそうなもの、やってみたいものをみんなで話し合って決めたので次につながるステップとしてこの「実験」はよい方法だなと思いました。

実施イメージ(一部を抜粋)

実施してみた感想

今まで自分が実施してきた振り返り(KPT)はどちらかというとできていなかった問題にフォーカスし、それを改善するという手法でした。今回のポジティブふりかえりマッピングはできたことを掘り下げてもっとよくするという今までにないやり方だったため、最初少し戸惑いもありました。

しかし、参加メンバーと議論する中で、一緒に考えて最善を目指すという雰囲気はとてもよかったし、次へのアクションとしてモチベーションが上がるように思えました。

ふりかえりを実施する中で話が盛り上がって、時間の管理やファシリテーターの重要さをひしひしと感じました。荒川さんにファシリテーターをお願いしてとてもよかったと思います。ありがとうございました!

現状のやり方で満足せず、最善を目指す振り返りをやってみたい方にはおすすめなので、ご興味のある方はぜひ試してみてください。

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