アジャイルな開発を支えるために

Sakaguchi Y
WingArc1st Inc.
Published in
Dec 13, 2021

これはウイングアーク Agile and DevOps Stories のAdvent Calendar 2021、第10弾(2021年12月14日)の投稿です!

毎年恒例になりつつあるアドベントカレンダーブログですが、今回も担当することになりました。
とは言うもののアドベントカレンダーでしかブログを書けていないですが。。。

Photo by Patrick Perkins on Unsplash

今年をふりかえってみて

何を書こうかなと考えている中で「今年どんなことがあったかな」と、ふと思い、私が関わったプロダクト、サービスのリリースをふりかえってみました。

  • 2020/12 MotionBoard Cloud Excelインターフェースオプション
  • 2021/04 MotionBoard Cloud Excelインターフェースオプション Salesforce対応
  • 2021/09 Dr.Sum, Datalizer Ver5.6
  • 2021/11 MotionBoard Cloud Entry Edition

新プロダクトや新サービスのリリースだけをふりかえってみても、改めて「今年はリリースが多かったな。」というのが率直な感想です。

私はこれまでDr.Sumというパッケージ製品を中心に、BIツールの開発でQAという立場で関わってきました。
このパッケージ製品の開発期間は1年以上、長いときは2年ほどだったので、1年間でこれほど多くのリリースがあったことは経験がありませんでした。

リリースが多い要因は、クラウドサービスのリリースがあったためです。
上記の4つのリリースのうち、太字の3つがクラウドサービスのリリースとなります。
これからサブスクリプションモデルのサービス提供がより多くなっていくので、短期間のリリースが多くなっていくことでしょう。

より短い期間でリリースを

クラウドでサービスを提供するとなると、これまでのように1年以上開発することはできず、毎月や毎週、または毎日という間隔でリリースすることになるので、開発期間はパッケージ製品の開発とは比較にならないくらい短くなっていきます。

これまでオンプレ向けのプロダクトとして開発してきたDr.Sumもクラウドサービスの提供が始まってきているので、今後はその流れに乗っていく必要があります。

そうなると、1つ1つの意思決定を速く、また作業を効率よく行う必要があります。
これまで以上に各メンバーが意思決定を行い、どのような意思決定を行ったかをチームに共有して、問題や懸念が無いかをチームで確認するという形にしていければと考えています。

1つ1つの意思決定にリーダーの確認が必要となると、時間がかかってしまうということが問題ではありますが、私は意思決定をする機会がリーダーばかりに偏ってしまうと、メンバーの意思決定をする機会が少なくなってしまうことの方が問題だと考えています。

権限委譲と意思決定

メンバーがそれぞれ意思決定する組織になったとすると、どのような変化が起こるでしょうか。

  1. より速く物事を進めることができる(意思決定のスピードアップ)
  2. 物事を自分事として捉える機会が増える(主体性の向上)
  3. 誤った意思決定をしてしまうかもしれない(意思決定ミス)
  4. リーダーとメンバーの認識の不一致(丸投げされている感)

たくさんの変化が起きうると思いますが、今回は上記の4つを挙げてみました。

1.より速く物事を進めることができる(意思決定のスピードアップ)

これは、リーダーに判断を仰ぐ必要が無いので自明ですね。

2.物事を自分事として捉える機会が増える(主体性の向上)

これは、自分で判断する必要が出てくるため、物事を自分事として捉えることになります。

主体性が向上すると自ら考えて行動することや、自身の意見を発信できるようになるため重要な要因となります。
その行動や意見が周りから賛同やフォードバックをもらえると自信につながり、より主体性が向上するという好循環が生まれます。

そのため主体性の向上は個人のモチベーションアップにつながりますし、チーム力の向上にもつながるため重要な要因となります。

3.誤った意思決定をしてしまうかもしれない(意思決定ミス)

これはメンバーが意思決定をする場合のデメリットと捉えられがちですが、私としてはポジティブに捉えています。
なぜかというと失敗した経験を積むことで、成長へとつながるためです。

失敗は誰にでも起こりうることなので、その失敗を本人がどう捉えるかと、リーダーやチームメンバーがどのような振る舞いをするかで大きく変わると思っています。
もしリーダーから「なんでそんな意思決定したの?」と言われたらどうですかね。私なら「だから意思決定を私にさせなきゃよかったのに」って思ってしまいます。

ではここでリーダーやチームメンバーが「今回はそのような意思決定をしてうまく行かなかったですが、こういう考え方をしたら良かったかもしれませんね」というフィードバックがあったらどうでしょう。「あぁなるほどな」や「そういう考え方は自分になかった」と思えたら、成長する機会になるので失敗をポジティブに捉えています。

4.リーダーとメンバーの認識の不一致(丸投げされている感)

これはリーダーがどのような意図で意思決定の権限を委譲したかを伝えることが前提条件となります。
その意図が正しく伝わっていないと、メンバーはただ作業を丸投げされたと感じ、不快に受け取ってしまうでしょう。
そのためリーダーが権限委譲した目的、ゴールを共有すること、日々のフォローアップをすること、意思決定した内容の評価が重要だと思います。

意思決定をするために様々なことを考えますし、結果も含めて様々なフィードバックを経験できます。これは成長するにあたって、とても貴重な経験となります。
権限移譲されても、責任もついてくるから嫌だなと思うメンバーもいるかもしれません。最終的には権限委譲したリーダーが、責任を持つべきだと思っていますし、全力でフォローするべきだとも思っているので、意思決定することをあまり怖がらないでほしいです。

Photo by Chang Duong on Unsplash

全員がリーダー

チームのメンバーが主体性をもって、意思決定を行えるようにあると全員がリーダーとなります。それぞれが担当している作業のリーダーであるという形です。
こうなると素早く意思決定や作業を進めることができるので、アジャイルな開発やリリースを行うことができるのではないでしょうか。

「メンバーが全員リーダーであり、安心して意思決定ができるチームを構築する」ことができれば、アジャイルな開発を支えることのできるチームになれると考えています。

私はマネージャーという立場ですが、リーダーとして、1メンバーとして、このようなチームになれるように努力していこうと思います。

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