「実践的ふりかえり講座」を企画してみた

強いチームになるために #3

Yasuko NAITO
WingArc1st Inc.
Dec 3, 2020

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これはウイングアーク Agile and DevOps Stories のAdvent Calendar 2020、第4弾(2020年12月4日)の投稿です!

コストコで衝動買いしました。photo by Yasuko NAITO

チームで立ち止まれていますか?

私たちはテレワークになり9ヶ月が経過しますが、最初のころ感じていたメンバー間のコミュニケーション不足、雑談不足も解消されて自分たちなりのペースが見つけられてきています。

しかし、テレワークだとチームで仕事しているけど、1人という感覚に陥ることもあり、仕事の進め方はこのままでいいのか、自分やチームが成長できているのか不安になることもあります。こんなときはチームで定期的に立ち止まりふりかえりをするのがお薦めです。

書籍「7つの習慣」に「きこり」の話があります。

 森の中で木を倒そうと、一所懸命ノコギリをひいているきこりに出会ったとしよう。
「何をしているんですか」 とあなたは訊く。
すると、「見れば分かるだろう」 と、無愛想な返事が返ってくる。「この木を倒そうとしているんだ」
「すごく疲れているようですが・・・。いつからやっているんですか」 あなたは大声で尋ねる。
「かれこれもう五時間だ。くたくたさ。大変な作業だよ」
「それじゃ、少し休んで、ついでにそのノコギリの刃を研いだらどうですか。そうすれば仕事がもっと早く片づくと思いますけど」 とあなたはアドバイスをする。
「刃を研いでいる暇なんてないさ。切るだけで精一杯だ」 と強く言い返す。

私たちもこの「きこり」のように、あまりにも忙く、問題が山積みで目が回っている時は、手を付けれる作業だけに没頭してしまい、本当に大事なことを後回しにしている経験があるのではないでしょうか?

当の本人は(もしかしたら無駄な)作業に集中してしまいまわりが見えません。もし冷静さを取り戻していれば、先に刃を研いで木を切ったほうが楽だし早い…ということに気づけたはず。

緊急なことばかりに着手して、重要なことが進まないのはこの構図です。

自身で冷静に考え、判断するためにも特に忙しいとき、問題が山積みで時間がない!!!と慌てふためいているときこそ立ち止まってふりかえりです。

ふりかえりによって色々なことが整理でき、不安を解消し、自信やモチベーションに変えることができると感じています。

ふりかえりとは日々の「経験」を「気付き」「学習」に変え、「成長」につなげる活動で、私はプロセス改善エンジニアとして、いろんなチームのふりかえりに参加したり、ファシリテーションをしています。プロセス改善活動はチームの現状を理解することから始めますが、ふりかえりはチームの現状や課題感を直に知れる貴重な場のため積極的に関わっていきたい活動の1つです。

今年のはじめ頃まではこうやってみんなで集まってふりかえりしていましたが今は完全オンラインです。photo by Yasuko NAITO

ウイングアークでのふりかえり

5年前、私がウイングアークに入社したときにはふりかえりをしているチームは皆無でした。それから徐々に導入するチームが増え、現在ではふりかえりは社内でも普通に通じるようになりました。

実践するチームが増えて、その事自体はとても素晴らしいことだと思っていますが、いろんなチームのふりかえりに参加していると以下のようなウイングアークならではの課題も見えてきました。

  1. 長期のふりかえりが多い
    プロダクトのリリース後に1回だけ実施するチームが多い。リリースサイクルはプロダクトによって異なるが、3ヶ月~1年程度のリリースサイクルになる。ゆえに、一大イベント感があり、準備に時間がかかり、参加メンバーも多く、実施時間も長くなる。
    また、前回のふりかえりから期間があいているため、前回決めたアクションの実行状況や効果もあやふやになりがちで「ふりかえりやっても何も変わらない」「時間がかかる割に効果が低い」といった意見も聞こえてくる
  2. 課題に真剣に向き合い過ぎている
    課題や問題解消を目的に実施するチームが多く、チームによっては反省会のようになり空気が重くなることもある。またふりかえりのOutputとして、課題を解決するためのアクションを決めなくてはいけないといった考えを持っているチームもあり、「ふりかえりをするとやることが増える」、「課題ばかりでてきて辛い」という意見も聞こえてくる。
  3. ふりかえりの目的にあった手法が選択できていない
    KPTなどある一部の手法で進められる事が多く、同じ手法を繰り返すことでマンネリ化したり、目的と手法が合ってないふりかえりに参加すると「ふりかえりがうまくいってない」という感覚を持つこともある。

チームは少しでもよくしたいという思いで実践していますが、こういった課題があるためにふりかえりに対してネガティブな思いを持っている方もいますし、過去にはマネージャー層の方に「今はふりかえりに時間を使うより作業を優先してほしい」と言われることもありました。

まだまだ過渡期

私自身、ふりかえりは学びを得られ、チームの関係性を高める場だと思っていますし皆にもその事を実感してもらいたいと思っています。

ふりかえりは短いサイクルで継続することでフィードバックが早くなり、学習効果が高まりますがこういった事はウイングアークの中ではまだ認知されていません。多くのチームはふりかえりについて自分たちで学び、実践しており、チーム毎にふりかえりに対する考え方や知識が異なっているのが現状です。

ふりかえりを学ぶ

そこで、ふりかえりについて学ぶ機会を設けたい!と考えました。ふりかえりにはいろんな目的、ライフサイクル、進め方があります。それらを知ることで、上記の課題を解決する緒が見つかり、選択の幅が増えるのではないかと思っています。

ということで、「実践的ふりかえり講座」と題して、「ふりかえり実践会」シリーズの著者である、森一樹さん(@viva_tweet_x)をお招きしてを研修を実施することにしました。近日開催です。ウイングアーク社員でしたら誰でも参加可能ですので、ご興味がある方はSPI Gまでお問い合わせください。

ふりかえりを学び、チームにあったふりかえりを実践してみませんか。やってみたいけどどうやるの?という方はいつでも私たちSPI Gがサポートしますのでお気軽に相談ください。

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