ロープレやっても売れるようにはならないよ

Hideaki Ishikura
Work,Live,Thinking
Published in
6 min readJun 23, 2016

正確にいうと「うまく話せるようの訓練したところで営業成果には微々たる影響しかないことが多い」な、と思っています。「ロープレやらないと」となる場合の多くは、いかにうまく話せるようになるか、に注力されています。

もちろん新卒や初めて営業やる人であれば、一定レベルで商品のことを話せるようになるまではロープレは有効ですが、商品やサービスのことを説明できるようになったらあとはロープレはどんなにやっても営業成績はあがらないことがほとんどです。

というかほぼ無駄な努力なので止めたほうがいいとすら思ってます。

「なかなか売れないなー」「最近営業の提案能力が下がっている」…そんな時に「よし、ロープレだ!」となるのは思考停止です。

なんでロープレが意味ないかを3つの観点からご紹介します。

1、そもそもコミュニケーション能力なんてほぼ変わらない

これはまさにそのままの意味です。

少なくても20数年〜30年くらいかけて何千人、何万人とコミュニケーションを取ってきた結果が「今」のコミュニケーション力です。それが毎日1時間ロープレしたところですぐにコミュニケーションの力が変わることなんてありません。

しかも「コミュニケーション力=うまく話す力、うまく伝える力」と定義した場合、営業成績にコミュニケーション力はあまり関係ないことがほとんど。

ぜひ周囲の売れている営業マン、ずっと予算を達成している営業マンをよく見渡してみてください。おそらく自分よりも普段のコミュニケーションがうまくなかったり、何言っているかわからない(笑)人も結構いるはず。

それでも売れるということは、コミュニケーション力あがる=営業成績あがる、という公式は成り立たないです。

なので一生懸命ロープレしてコミュニケーション力をあげようと思ってもちょっと難しいです。

2、営業プロセスの中でロープレが効果を発揮するポイントは小さい

世間一般で行われているロープレのほとんどは「商談時にうまく話せるようにする」ことにフォーカスされていることが多いです。

下の図でいうと、赤字で「ココ」と書いてあるプロセスの確率をあげようとする、ということです。

でもよく考えてみると、これって商談10件中3件受注できたのが、10件中4件受注できるようになるためにかなりの時間を使っていることになります。もちろん少しでも売れるようになるならいいのでは?という意見もあります。ただ、もっと改善するプロセスあるでしょう、と。

例えば、上の図でいうと、TELアポして担当者と話せた数(以後、有効コール数と言います)が今までは10件中3件だったとします。これが10件中5件になった瞬間に営業スキルやコミュニケーションスキルは何も変わらなくても勝手に最終受注数も増えることになります。

しかもこれそんなに難しくないんです。

担当の方が何曜の何時に会社にいやすいのか?つながりやすいのか?をしっかりヒアリングもしくは仮説を立て、その時間にかけるだけで変わります。

「そんなこと?」と言われるかもしれませんが、ほとんどの営業の人はやっていません。月曜の午前中に電話かけて不在だったのに、また翌週の月曜の午前中に電話かけたりします。社会人になると、毎週一定のリズムで動いている人も多いので、月曜の午前中席を外している人は次の週もまたその翌週もいないです。でも、次にお昼過ぎや夕方にかけてみると意外と簡単に担当者がいたり、します。

それを何度も繰り返しながら、「A社の◯◯さんは何時にいそうだな」とか「B社の△△さんは金曜夕方にはいるな」という情報をどんどん集めていき、その情報をもとにリスト準備をしていくこと。これは能力関係なくできることですが、それを丁寧にやることで全然結果が変わります。

これは一例ですが、それ以外にも商談時の受注率を上げる以外に改善できるプロセスはたくさん。まずはそちらを変えていくことを考えていかないといつまでたってもロープレにかけた時間の割には、あまり効果が出ない、という状況になりがちです。

3、「話し方がヘタ」じゃなく、「聞くことがヘタ」

ロープレは「うまく話せるようにする、魅力的に話せるようにする」ために行われることが多いですが、だいたい受注率があがらない理由は「聞くことができない」こと、だったりします。

うまく話せていないのではなく、お客さんが何に困っているのか聞いていない、なんとなくヒアリングしているが自社のサービスで解決できるような課題を聞けていない、などなど。

ヒアリングって意外と難しいんですよね。。

本当に受注率をあげるためには、

・自社のサービスで解決できる課題を明確にし、
・お客さんに、その課題があるかをヒアリングし、
・その課題の解決策として自社のサービスを提案する

というプロセスが必要ですが、特に難しいのは

・自社のサービスで解決できる課題を明確にし、
・お客さんに、その課題があるかをヒアリングし、

という前者だったり。

ロープレというと「解決策をうまく伝えること」ばかりに注力しがちですが、それで勝負するためには「自社のサービスはどういう課題だったら解決できるのか」「お客さんにどういうヒアリングすればその課題があるかどうかわかるのか」というところを徹底的に理解しないといけません。

なので、やみくもにロープレでうまく話せるようになろう、とするより、自社サービスで解決できる課題、お客さんの課題抽出の仕方、をもっともっと頭を使って学ぶ、考える、というほうが先かなと思っています。

営業部署をいくつもマネジメントしていましたが私の部署ではロープレはやらず、上記の2、や3、のような解決策に時間と頭を使うことで全員予算達成や前年200%のような成果を残せていました。

ただ、あまりそのようなことを考え実行しているような組織や営業マンがあまりいないなーと思っていたので、もし少しでも参考になればと思って書きました。

かなり商材や営業方法に限られる可能性もあるので、もしご意見あったらコメントいただけると嬉しいです。

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Hideaki Ishikura
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「働き方」が関心テーマ。誰かの働き方にちょっと役に立てるような事業を考えています。平日の夜と週末は、娘とうさぎのチャーリーと戯れるのが好き