「自分にしかできない仕事」より「誰でもできる仕事を自分にやってほしい」と言われる方が幸せかも
よく「自分にしかできない仕事をしたい」「自分だからこそ出せる価値を」みたいなことを追い求めて、追い続けてる方を見かけます。
「これはあなたにしかできない仕事だから」そう言われたら嬉しいとは思いますが、ほんとうにそれを追い求めていくのが幸せなのか考えてみようと思います。
自分にしかできない仕事とは
そもそもほんとうに「自分にしかできない仕事、その人にしかできない仕事」はどのくらいあるのでしょうか。
よほど特殊なスキルの持ち主だったらあり得るのかもしれませんが、少なくとも私は今までこの人だからできる、この人じゃないとできない、というような仕事に出会ったことはありません。
経験的に自分が一番うまくできそうだな、という仕事はあります。
例えば、新規開拓をする営業部署を立ち上げるとかその部署にいる社員の生産性を2倍にするとか。何度もやってきて自分なりにポイントをつかんでいるので汎用性も高いですし、かなり成果を出せる気はします。ただ、それでも「自分にしかできない」とは思いません。
なぜ自分にしかできない、を求めるのか
私と同じで、「あなたにしかできない仕事はなんですか?」と聞かれたとき、ばっちり答えられて、しかもそれがほんとうにその人にしかできない仕事である、といった人はほとんどいないんじゃないかと思います。
では、なんで自分にしかできない状態を目指すのだろう。。
人によっていろいろあると思いますが、「自分がそこにいていい理由」や「自分が必要とされてる理由」を持ちたいからなんじゃないかと。
「この仕事は誰々さんにしかできない」
確かにそう言われていたら、必要とされていると感じそうです。誇りにも思う。
でも一方、なんだか違和感も感じてしまっています。(私がひねくれてるだけかもしれませんが笑)
みんながみんな「自分にしかできない仕事」を目指すのは大変じゃないか。本質的にその人じゃないとダメな仕事なんてなかなかないし、それを作り出していくのは途方もない難しさなんじゃないか。それをしないと、そこにいていい理由や必要とされてると感じないのはつらいかもな、と思います。
自分じゃなくてもできるけど、自分と働きたいと思ってもらったほうが幸せかも
誰かと働くときに「この仕事はあの人しかできないから」じゃなく、「あの人と働いたら楽しそうだよね。一緒に働きたいよね。」と思ってもらえてるほうが、ずっと幸せというか充実した気持ちになれるんじゃないと思うんですよね。
しかも採用する側もスキルや経験が高いからといってそれだけで採用決めないですし、むしろそれよりも一緒に働きたいと思うかどうかの方がずっと大事だし、本質的です。
スキルや経験はAさんの方が上だけど、Bさんと働いたら気持ちいいよね、みたいなことがほとんどだと思います。
いろんな人に「一緒に働きたい」と思われるのは必ずしもその人だけできる仕事があるわけじゃなく、その人の考え方や人柄、話し方、雰囲気、何を大事にしてるか、何を目標にしてるか、などに共感したり尊敬できたりすることで起こります。
自分の思っていることを伝え、それで一緒に働きたいと思ってもらえることってお互いにとってよさそうだし、気持ちよい関係ができそうだなとも思いますよね。
「一緒に働きたい」と思ってもらえた理由こそが、そこで必要とされてる理由そのものになっている。それってスキルや経験を評価されるより、よほど難しい。
だからこそ「自分にしかできない仕事」を作るより、「他の人でもできるかもしれないけど、自分とやりたい」と思ってもらえることを目指して働きたいなー。それができたら幸せだなーと思っています。