キルギス:学校給食が育む、医師を目指す少女の夢
国連WFPは、青年期を迎えつつある子どもたちの栄養プログラムを支援しています。
アイダちゃんは10歳。キルギスの首都ビシケクから25キロ離れたカントという町で、家族と暮らしています。人口650万人の国キルギスでは、12万人以上が国連WFPの支援を受けています。
アイダちゃんはズブコフ小学校ではクラストップの成績で、数学や生物などの教科が得意です。このことが、将来の職業について彼女が大きな夢を抱く原動力となっています。
彼女は、コロナ禍の時代に育ったことを象徴するかのように、「私は医者になりたい…危険な病気を予防するワクチンを発明する科学者になりたいのです。人々に病気で苦しんでほしくありません」と話しています。
国連WFPは昨年、パンデミック対策で学校が閉鎖された際、6万1500人の児童に持ち帰り用の食料を提供しました。
アイダちゃんによると、彼女が生まれた家庭には、人生のロールモデルとなる強い女性たちがいるそうです。アイダちゃんの母親と祖母は、カントの人々の医療の改善に人生を捧げました。
この二人の医療への献身的な姿勢に触発され、アイダちゃんは勉強に打ち込み、科学に関心を持つに至っているのです。
アイダちゃんは次のように語っています。「この町のだれもが、私の祖母と母のことを知っています。二人は多くの苦労をして、たくさんの人々に優れた医療サービスを提供しました。私も二人のように、大義に従って、科学または医学の道で世界に貢献したいと思います」
アイダちゃんが通う学校は、国の「学校給食最適化プログラム」に参加しています。このプログラムは現在、700の学校で約20万人の小学生に高品質で栄養のある食事を提供しています。
このプログラムは、キルギスにおける学校給食プログラムの唯一最大のドナーであるロシア連邦から資金援助を受けています。
「学校で初めて食べた給食のことは今でも覚えています」とアイダちゃんは言います。「暖かいスープと甘いパンでした。お腹がいっぱいになり、食後はとても元気になったことを覚えています」
さらに「私たちは1日の5つの授業を受け、各授業の間に短い休み時間があります。給食は3時間目の後に出されます。給食の時間がなければ、友達も私もとてもお腹が空いてしまうでしょう。給食の時間のおかげで、学校での残りの時間のためのエネルギーを得られます」と語っています。
ズブコフの学校に通う2000人の子どものうち、850人(ほとんどが7~12歳)が学校給食サービスを受けています。
スヴェトラーナ・ヴァシリエヴナ校長は次のように述べています。「私はこの学校で20年間働いていますが、子どもたちの学業成績だけでなく、行動にも違いが見られます」
「給食のおかげで、子どもたちの集中力が上がり、より幸せになっていると思います」
複数の研究結果から、学校給食は子供たちの食料不足や肥満率、健康状態の悪化を軽減することが明らかになっています。給食のおかげで、アイダちゃんのような子どもたちが、集中力を高め、自分の夢を追いかけることができるのです。