目標設定が苦行でしかないあなたに贈る「戦略マップ」を使った目標設定プロセス
(この記事は2016年9月に会社のブログに書こうとしてそのまま公開を忘れてしまっていたものです)
9月もそろそろ終わりますね。みなさん目標設定してますか?わたしの会社は四半期ごとに個人目標を決めるので、ちょうど今考えている最中です。
今回は、この目標設定を論理的に整理しながら考えることができる「戦略マップ」というフレームワークを紹介します。
正直なところ苦行です・・・!
9月、もう中旬ですよね。 にも関わらず私、この四半期の目標を5割すらも達成できていないんです・・・
目標未達で詰められはしないんですが、7割、8割と達成度が上がっている同僚を見ていると焦りや諦めがある反面、そもそも次の目標どうしよう・・・という問題に直面しています。
どうしてこうなった
通常であれば、2つの大目標があってそれを定量的に測れるような中目標が2つづつ紐付いているくらいのものなんですが、わたしが設定した目標は大目標5つに中目標も3つづつ。合計15の目標を達成するためのアクションを並行して進めなければいけない状態でした。
目標間の関係性もそこまで考えず、ただやってみたいことをつらつらと並べて「これくらいやっておかないと!」とざっくりと考えていたのが良くなかったです。これは本当に反省。
「戦略マップ」というものを知った
「戦略マップ」は、ハーバード・ビジネス・スクールのロバート・キャプラン教授が考えた「バランストスコアカード」というフレームワークを構成する一部分を指したもので、最上位の目標(ここではビジョン)を達成するために必要な戦略的な目標を書き出し、目標間の因果関係を図式化したもの。
戦略マップを構成する4つの視点
通常、目標達成のための戦略は議論などをもとにリストアップされていきますが、それだと設定される目標に偏りが出てしまいます。
これらの4つの視点をもとに検討していく事によって、偏りが出てしまうことを避けながら、目標を達成するために必要な戦略目標を論理的に導き出していくことができます。
策定と実行の順番
- 財務の視点:どれくらいの会計的な目標を目指すか?利益・売上・増加率などの数値を書く。
- 顧客の視点:財務の視点を達成するために、どんな顧客に何をどう売るか?についての目標を定める。
- 内部プロセスの視点:顧客の視点を達成するために、行うべき業務はどんなものか?について目標を決めます。
- 学習と成長の視点:上記全ての視点を達成するために、何をどのように学ぶのかを明らかにします。
設定された目標は、設定時とは反対に、下部にある「学習と成長の視点」から上方向へと達成していくことで、最終的にビジョンが実現されていく、という流れになります。
目標間の因果関係を図示する
因果関係を明確にすることで、最上位のビジョンにどのようにつながっていくのかが明らかになります。 また、この段階でどの目標にも繋がっていない、因果関係がない目標は除外してしまって構いません。
ふり返ってみるとわたしは、このような「どこにもつながらない戦略目標」をいくつも設定していたのかもしれません・・・
で、肝心の個人目標はどこに当てはまるの?
それをもとにして「顧客の視点にある目標を達成するために必要な業務はこれで、それを達成するためには個人としてこれとこれが出来ている必要がある」というように、必要となる目標を論理的に導き出せるようになります。
関係性が明確なので、チームリーダー・上司へ説明する際にも納得感が得られるだけでなく、戦略の全体感について図示できているのでコミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
ということでわたしも、この戦略マップをもとに次回の目標を考えてみます・・!
まとめ
- 戦略マップは、ビジョンを実現するために必要な戦略目標を4つの視点で明らかにして、目標間の因果関係を図示したもの
- 戦略マップを作ることで、戦略の全体感をつかむことができ、その中で自分(またはチーム)が受け持つべき領域がどこかを知ることができる
- 戦略という目に見えないものを図示したもののため、これをもとに議論を活性化することができる
戦略マップについて学ぶには
日常生活の中で目標をたてる事を例に説明されている書籍。まずはここから読むと戦略マップがどんなものか理解しやすいです。
キャプラン教授による解説書。かなり濃厚なのでわたしもまだ序盤までしか読めていませんが、原典をあたることで正しい理解が得られます。