[WIP01] Tactical Listenism-Hazuki Ota
慶應義塾大学藤井進也研究会x Music Lab に所属し、都市を舞台に戦術的環境音聴取を行う学部3年の太田遥月です。
所属している研究室で2021.08.31–09.01の二日間で展示を行うこととなりました。詳細はこちらに載ってます↓
今回はわたくしが展示計画している作品 「Tactical Listenism」のWIPを書かせていただきます。
Tactical Listenism
私たちは都市の音をどのように意識し、聴取しているのか。
どのように聴き、何を聴取しているのか。
私(たち)は何を聴きたいのか。何を聴くべきなのか。
私(たち)は煩雑化していく音環境に無意識に耳を閉ざし、このまま受け入れて良いのだろうか。
環境音は私たちを取り巻いている音であり日常である。環境音には人が発する音、環境が発する音、人工物が発する音がある。それらが混在する音を多くの人は 「騒音」と認識している。
都市に流れる環境音(騒音)は公共のものであると同時に、耳を塞ぐ以外に個人が所有せざるを得ない特徴を持つ。しかし日本の都市空間の特徴は視覚情報で溢れ、聴覚文化の衰退をもたらしており、一個人が何を騒音と捉え、何をそうでないかと思考する過程を経る前に、定量的に行政による政策が働いている。
かつてカナダの作曲家Raymond Murray Schaferがサウンドスケープを唱え、多くの人々が自分の周りの音をより深い批評力と注意力をもって聴けるようにする「内側からのデザイン」つまり「聴き方を学ぶ」を述べてる。一人一人が環境音を認識し「騒音」を提起していく事で、都市の音環境をボトムアップに変化していく事が出来るのではないだろうか。私(たち)がどんな音を鳴らし、環境がどんな音を立てているのか再認識し、取り巻く環境を再考していく必要があるのではないだろうか。どのように聴取することが、何を聴取してするのかを決めるのではないでしょうか。
Tactical Listenismは音環境に対する傾聴行為を遮断・喪失しつつある私(たち)に、実際に都市の音に耳を傾け、より深くサウンドスケープを聴取できる姿勢を促し、公私の歪みを問い直す新しい都市の姿を模索しています。
現段階でこのプロジェクトで制作している作品は以下になります。
Urban Sound Tool
小さな入り口を被ることで拡大していく音環境は調和的な響きを加え、都市環境音を捉えおなし、都市を聴く際の音楽的な姿勢を促すツール。実都市にインストールしていく中で、都市空間の既存の音響特性・デザイン要素をリサーチし、戦術的な環境音聴取を模索していくツール。
Urban Sound Room
煩雑化した都市の音環境に対してより深くサウンドスケープを聴取する姿勢を促す空間「移動式都市の音室」を設計し、実都市空間に音介入していく作品。本作品は、あらゆる場所に実際にインストールし、戦術的聴取した際に見えてくる日本の都市ルールや音風景を記録してます。
これらの作品はTactical Listenismとしてまとめsynthesize展にて展示させていただきます。今後はUrban Sound Toolを用いたサウンドウォークなども行っていきたいと思っていますので、ご興味のある方はぜひご連絡ご参加ください。
記事の詳細はこちらで日々更新しております。