[x-Music Lab 23秋]身体と超指向性スピーカーを活用したイマーシブサウンドパフォーマンスの実践・その他

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x-Music Lab
Published in
Jan 25, 2024

環境情報学部4年の柴田です。

2023年秋学期は、卒プロに向けた個人制作と、象の鼻FUTURE SCAPE PROJECTに際したグループ作品制作を行いました。

playing the sound with parametric speaker @SFCキャンパス β-dome(左), Sonic Rhopaila @象の鼻テラス(右)

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個人制作、グループ制作のテーマ・作品案模索、プロトタイプ制作を行いました。

配置図没例
Miroの画面

グループ制作では作品案は二転三転し、そのたびにシステム図を作り直し、配線や機材を考え、テックライダーを作成していました。締め切りでメンバーに迷惑をかけたこともあり申し訳なかったです。グループメンバーが頼もしくて引っ張ってくれて、本当にいい経験をいただきました。
最初はどんなにMTGをしても、いいテーマや作品への落とし込み方が見えない時間が続き、苦しいときもありました。MTGの進行・タイムマネジメントや、考えの整理の仕方(Miroの活用など)について考えさせられることもありました。Lab外の友達に「中身の無いMTGほど無駄な時間はない、議事録に何も残らないMTGは不毛」と言われたのが悔しくて、Agendaとか論点を意識するようにはなったし、アイディエーションの際は、要素を書きだすだけじゃなくてグルーピングや矢印関係を意識して思考するようになりました。

クラゲは、自らの拍動によって生み出された、水流エネルギーなどによる外部刺激に反応して、次の拍動を生んでいるらしいです。愛おしいです。この、拍動によって紡がれる生命の神秘が、最終的に作品のconceptの根幹になりました。
拍動によって揺れる触手および鉤腕は永遠に見ていられます。

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グループ制作の作品案決定、買い出し運搬、什器制作、ゲネ。25・26日にORFにてβドームでパフォーマンスの上演を行いました。

グループ制作では、木曜の研究会後や夜バイト後に象の鼻テラス現地にフィールドワークに行き、終電で湘南台に帰ってきたりしました。webカメラを買いに電気屋さんに駆け込んだりもしました。帰りがけに毎回マックに寄ってた気がします。
Miki Kandaと新宿のレンタルスペースでパフォーマンスの設計を行いました。社会人なのに土日や平日の夜に協力してくれました。
万学博覧会(ORF)では展示空間も頑張りました。直前の発注・買い出しや制作で迷惑をかけてしまい、申し訳ない気持ちが沢山ありましたが、暗幕による照度調節やドームに合わせた木のキャプションボードで展示空間としてのクオリティを出せたのはよかったです。デザイン・買い出しのF氏、キャプションボード制作のAさんレン君、暗幕制作のW氏ありがとうございました。

ORF @SFC β-dome

パフォーマンスでは、観客とのインタラクションにより生まれた身体動作が多々ありました。特に観客に近づく・遠ざかる、といった移動や、座っている観客に対して音を当てるための低い姿勢からなる動きは、それまでの練習ではあまり見られなかったものでした。反応を見て動くのはMiki Kandaらしいパフォーマンスだと感じました。
ORFのパフォーマンスは、動きの構想段階で幾何学的な動きを取り入れました。正六角形上を移動したり、線対称なポーズにはどのようなものがあるか考えたり、簡単な音源移動の種類について議論したりしました。

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象の鼻FUTURE SCAPE PROJECTにて、みなとみらい大さん橋象の鼻テラスで、ZΩHの作品“sonic-Rophalia”を展示しました。システムにはほとんど関われませんでしたが、什器制作、買い出し、運搬、資料作成などで最終週は毎日AM5時までZ館にいてダイチャリで帰る生活でした。ピザパもマックパも楽しかったです。約1週間毎日、積み荷でいっぱいのハイエースで湘南台ーみなとみらいを往復したので、ちょっと運転が上手くなりました。こうゆう展示の機会では、どのグループや制作者にとっても必要になる場面が出てくるので、必ず1台は運搬車をレンタルした方がいいです。
個人的には、水槽台の下の部分に4×3㎝程度の穴をあけることで、直列4基分の水槽備品および照明・音響機器の配線を綺麗に処理できたことが、大変良かったと思っています。
電力について、もし今後外部電源を検討する際は、機材の取説や仕様書に書いてある定格電流を信じすぎずに、一度本番通りに機材をつないでおよ全体の消費電力を概算してみることをお勧めします。(取説には、多くは最大消費電力の想定が書かれているが、実際に機材を使うときはツマミなどの調節諸々で、到底その電力量に及ばないことが多いため。気を付けて扱えば意外と足りる。)

Sonic Rhopalia @象の鼻テラス

自分の作品のアーカイブ撮影も行いました。バイノーラルマイクの自作に3回失敗し、結局メディアのH4nとLabのH3VRで録音しました。(本当は100均の頭マネキンにAmazonのシリコン耳をくっつけてバイノーラルマイクで録音したかったです。)定位感は記録できていたのでよかったです。映像は、HD画質ですが3カメで行いました。

撮影の様子 @β-dome

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卒論を書いてます。言語化能力の低さと今までの自分の成果の薄さに絶望しています。もっと早くから焦っていればよかったとは思っています。最後の活動だと思うと本当にもうできる限りを尽くして頑張ります。

最後に

入った頃は、x-Music Labで卒論を書くとは正直思っていませんでした。ちょうどコロナ明けで履修希望者が少ないタイミングで、今思うと入らせていただけて本当に幸運でした。入って次の学期には大さん橋ホールでの展示の機会をいただき、Miki Kandaと長瀬君とグループ作品を上演しました。展示の前に、Labを辞めようと思ってることを相談をさせていただいた際、今やってる制作を展示までやり切らなかったら絶対に後悔するよと言葉をいただきました。あのとき背中を押していただき、展示もLabも辞めなくてよかったなと思います。たばこ休憩に連れてってくれたり話しかけていただいたり気合の無い私を気にかけてくださったhazu先輩Miku先輩は温かかったし、勢いと行動力でいつでも引っ張ってくれたみきてぃは本当にありがたかったです。

先生方は、入りたてでサウンドアートもメディアアートも何も知らなかったときから平等に、熱く深く最高峰のクリティークをしてくださりました。こんなに時間をかけてクリティークを行っていただける素晴らしい環境に、3年弱もいさせていただいたことは、本当に幸せだと思います。本当に沢山のご迷惑をおかけしたにも関わらず、いさせていただき指導していただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。自分がこんなにも、x-Musicの「未知なる音を研究する」という精神を好きになるとは思いませんでした。Labのみんなの研究活動を見てると、めちゃくちゃ素敵な分野だと心の底から思います。

後輩のみなさん、怠惰な私にもSAさんとか言ってくれてありがとうございました。どう考えても進捗が見えない私を見捨てずに、同期をしてくださった23秋卒業のみなさん本当にありがとうございました。みなさんと同じ期にこのLabで活動することができて光栄でしたし楽し嬉しかったです。

卒論全然進んでおらず本当にすみません。頑張ります。

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